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シャックス 名家落ちこぼれの少年は未踏大陸踏破を目指す  作者: 第三者臨海
第4章 未踏大陸編

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第26話 永遠の別れ



 その日の夜。


 エルフの里は過去一番に賑やかだった。


 どこもお祭り騒ぎで、眠っているはずの子どもも眠気を忘れてはしゃいでいた。


 探索者達は治療をしながらも、そんな里の空気に顔をほころばせる。


 怪我が軽い者たちは、軽いごちそうと酒を口にして、武勇伝を語り合った。


 何人かの探索者は、シャックスが杖を使ったことで彼がクロニカ家の生き残りだという事を知り、質問をした。


 シャックスは、過去に会ったことを包み隠さず話し、ナギたちには謝罪した。


 ナギ達は憤るはずもなく、その言葉を受け入れ、シャックスの本当の顔を見た。


 シャックスは仮面が必要なくなったので、これ以降外す事に決めた。


 ちなみに、その場にハクはおらず、シャックスは彼と話ができないままだった。






 そんな雰囲気の中、シャックスは、サーズに呼び出される。


「話とはなんだ?」

「しらばっくれるな。お前生き残ってたんだな。前々から怪しいとは思っていたが……」


 サーズは、シャックスがクロニカ家の人間ではないかとかなり前から怪しんでいたことを伝えた。


「お前みたいな落ちこぼれが、大陸踏破なんて栄誉を掴んでいいいわけがない。ここで終わらせてやる!」


 サーズは杖をとりだし、シャックスにウォーターカッターを見舞う。


 シャックスはそれらを避ける。


 サーズは悔しげな顔で水球を出現させ、シャックスを閉じ込めようとしたが、それもかなわなかった。


 シャックスは、剣でサーズの腹をなぐって気絶させた。


 疲労していたサーズの相手は、魔法を使うまでもなかった。


 サーズは悔し気に涙をこぼす。


「なんで落ちこぼれなんかに!」


 ハクに頼まれて様子を見に来ていたミザリーはサーズの様子を見て、何か違和感を抱く。


 サーズは、魂が二つあると。


 ミザリーはそれをシャックスに言おうか迷っていた。


 事情を知らないものが軽い気持ちで、身内の喧嘩の最中に口出しして良いとは思えなかったからだ。


 そうこうしているうちに、シャックスはその場を立ち去ろうとする。


 その様子を物陰からなにかが見ていると走らず。


 一瞬後。


 ゾンビになったドラゴンが、シャックス達を襲う。


 シャックス達は手負いで、かろうじて回避した。


 だがサーズは間に合わず、ゾンビドラゴンのブレスで命を落とした。


 憎んでいた兄弟の終わりに、シャックスは複雑な気持ちになる。


 その一部始終を見ていたミザリーが、慌てて他の者たちを呼びに走った。


 すぐにアーリーたち数名の探索者達が来て応戦するが、苦戦してしまう。


 皆、疲労困憊だったからだ。


 しかし、なぜか空中から魔法が放たれて、シャックス達を援護しはじめる。


 それは、祠を光らせていたものと同じ人物の仕業だった。


 シャックスは、目に見えない誰かがこの場にいるのかと思ったが、人の気配は感じられなかった。


 ロックが「なんだかよく分からねーが、心強いぜ」といい、アーリーが「不思議と悪いものには思えないのよね」と首を傾げる。ナギが「能天気ですね。でもなぜか同感です」と同意した。





 その場にハクがやってきて、シャックス達を目撃する。


 シャックスは、ドラゴンにやられそうになっていた。


 そこで、ハクはミザリーから魔道具の水晶をもらい、シャックスのも自分に向かって投げ渡すように言う。


 シャックスは「わかった」といって、自分が持っていた水晶を、疑うことなくハクへと渡した。


 ハクは、ミザリーからもらったものと、シャックスからもらったもの、その水晶を二つ合わせて壊した。


 魔道具にヒビが入る。


 すると、魔道具が暴走し、周囲の空間がねじれる。


 シャックスは嫌な予感がしてテレパシーで「何をしたんだ!」と叫んだ。


 ハクは「ごめん、兄さん」と謝るだけだった。


 シャックスの脳裏に、サーズの杖を使ったハクの姿が蘇る。


「ファイズなのか?」


 ハクは、その問いに対して控えめに笑った。


 空間を操る魔道具の暴走で、周囲のものが、別のどこかに飛ばされていく。


 ハクはねじれた空間に片腕を吸い込まれながらも、暴走する魔道具をドラゴンゾンビの方へなげる。


 ドラゴンゾンビは羽をもがれ、片腕も持っていかれた。


 しかし、ハクを恨み、執念で行動する。


 ドラゴンゾンビは、魔道具に呑み込まれながら動き続け、ハクにくらいついた。


 シャックス達が何かをする暇などどこにもなかった。


 ハクとドラゴンゾンビの頭部が、その場から消えてしまう。


 最後にハクは、シャックスに「やっと会えた家族ともっと話したかった」と告げたのだった。


 ドラゴンゾンビはその場に倒れたが、二人も家族を失ったシャックスは勝利を喜べなかった。








 翌日


 竜がいた場所を超え、大陸の果てまでたどり着いたシャックスは、目印の旗を立てた。


 それは、大陸を踏破した瞬間だった。







 一方、時空を超えたハクは、過去の世界へ向かった。


 怪我をしていたところを英雄ゴロと知り合い、助けられ、仲良くなり王宮で世話になる。


 魔法使いとしての才能を伸ばしたハクは、未来を予知する力を手に入れていた。


 その時代で成長したハクは、未踏大陸にたどり着き、未来の世界でドラゴンゾンビと戦うシャックスのために、時空を超えて作動する魔法をしかける。


 それから年老いたハクは、魔道具を使って未踏大陸を出入りしながら各地を歩き、英雄ゴロの死に悲しむ者達と出会う。


 そこで、魂の転生魔法について、彼らに教えるのだった。


 ハクは未踏大陸で人生を終え、その時代のエルフたちに祠に祀られた。


 







 シャックス達は船で都に帰る。

 大陸踏破の時のために用意されていた連絡方法で、連絡を取り、やってきた船にのって。


 人数は来た時の三割になっていた。


 リューンを含めたエルフの数人も代表として同行することになった。


 未踏大陸の未来を考えて、王と話をする必要があるからだ。





 それからしばらく後。


 大陸踏破の知らせが国中を駆け巡り、パーティーが行われた。


 シャックス達は、エルフたちが搾取されないように、国王と秘密裏に取引を行う。

 国王は、資源の多い未開大陸のモンスターを乱獲しようとしていたが、生態系が崩れる事の影響をシャックスが伝えて、考え直した。


 長い目で資源を守りながら、エルフと取引していく方が利益が多いということが明らかになり、エルフたちと対等な関係で付き合っていくことが決まったのだ。


 後日パレードが行われ、踏破完了させた者達の顔が民たちに覚えられた。






 それと同時期、とある新聞記者が、クロニカ家の調査を続けていた。


 探索メンバーが出発する前、町で絡まれていたのをシャックスに助けられた女性だ。


 潜入用の名前としてレリードと名乗り、男装をしていた彼女は、クロニカ家の近くの村や町に滞在し、情報を集める。


 その中でワンドが行った当主の試練について情報を得て、目撃情報などから「生き残りがいる事を突き止めた」


 さらに生まれたばかりの五人目の子供が遺棄された可能性についても、使用人の行動や日用品や衣料品、医薬品の購入記録から割り出した。


 彼女は探索メンバーが帰ってくる前に定期的にこれらの記事を出していたが、注目はされていなかった。


 しかし、帰還後にシャックスの素性についての噂が出回り、彼女の記事が注目されるようになったのだ。


 レリードには上に兄としてグリードという男がいるが、その男性は名前の知れた騎士だ。


 そのような兄に比べてレリードには長所がなく、見た目意外でぱっとした点がなかった。


 しかし、レリードはとある新聞会社に就職し、その才能を開花させる。


 グリードとは別のところで市民の役に立てる事に喜びを感じていた。


 だから彼女は、きな臭い噂や悪事の話があるところへ、積極的に足を向けた。


 クロニカ家も彼女が取材すべき対象の一つだったが、警戒されて長年詳しい取材ができなかった。


 しかし、なぜか近年クロニカ家のガードが緩くなったため、これをチャンスととらえ、調査していたのだった。



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