第二幕・到着、フーセン樹の森!
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………さて、プロローグも終わりまして。少年達の冒険譚、いよいよここから第一章。
舞台となるのは音楽と演劇の国、カッサイ公国。楽しげな音の鳴り止まぬ、明るく賑やかな国。そこを目指す一行はペガを隠してから向かう為、少し離れた場所に着陸しました。
――カッサイ公国近隣・フーセン樹の森――
「ふっ…………わーーーーーー!」
一同が降り立ったのはカッサイ公国の周囲に広がる大森林、フーセン樹の森。見たことも無い植物と風景に、ココルは大はしゃぎです。
「凄ーい!この木、木の実がぷかぷか浮かんでるー!ねぇねぇユースケ、これ何の木!?」
「えっと、『フーセン樹』だね。熟した実が地面に落ちるんじゃなく、空に飛んで行く変わった木だよ」
「フーセン樹………!こんなの、初めて見たよ!あっ、あっちにも何かあるー!」
そう言って、ココルは一人駆け出してしまいました。その姿を見て、ユースケは思わず呆れてしまいます。
「はぁ………自由だなぁ、ココルは。で………」
ユースケがちらりと後ろを見ると、ゼラニウムが俯いたままとことこと着いて来ていました。
(………どうしよう。空気が重い………)
ユースケは、少し困っていました。と言うのも彼女、ゼラニウムは穴を出てからただの一言も喋ってくれないのです。
ペガの背中にいる時からずっと、何も言わずに黙ったまま。やっぱり罪悪感があるのだろうか、と考えながらゼラニウムを見ていた、その時。
「……………………………」
「………あ、あれ?ゼラニウム?」
突然、ゼラニウムがその場に崩れる様にへたり込みました。驚いたユースケは、慌ててゼラニウムに駆け寄ります。
「ちょっ、どうしたの!?」
「い、いぇ………何でも………無い、です………」
ゼラニウムはそう言いますが、顔が真っ青な上全身が震えています。どう見ても、何も無いとは思えません。
「何にも無いってことはないでしょ………!と、とにかくちょっとこっちに座って!」
ユースケは動けない様子のゼラニウムの手を引き、近くの岩に座らせます。そして、額に手を当てました。
「ぴゃっ………!?」
「熱………じゃ、無いね。いや、そもそも妖精って風邪引いたりするの………?それとも何か、世界を移動した弊害とか………」
「あ、あああああの、違う、違うんです!」
ゼラニウムは大慌てで手をばたばたと振り、赤みが差すを通り越して真っ赤になった顔で言いました。
「そ、その………ただ、その………わ、私、こ、高所恐怖症で………それでペガさんに乗ってる時下を見ちゃって、高くて、怖くなって………」
「………そ、そうだったの?」
「は、はい………我儘言って着いて来た手前、そんなこと言って困らせちゃ駄目だって………今までは何とか必死に耐えてたんですが、流石に限界で………つい、へたり込んじゃいました………ご、ごめんなさい………!」
心から申し訳無さそうに、謝罪の言葉を口にするゼラニウム、そんな彼女に、ユースケは言いました。
「………隠さなくて良いんだよ。と言うか、隠さないで。隠されたら、辛い時に助けられないでしょ?
罪悪感なんて感じなくて良い。仲間なんだからさ、辛い時はちゃんと辛いって言ってくれて良いんだよ」
「………………!え、えと………そのっ―――」
「………おーいっ!二人ともーーっ!」
「ぴゃぁ!?」
二人が話していた時、突然遠くからココルの大きな声が聞こえました。
「ココルが呼んでる………行こっか、ゼラニウム。立てる?」
「ひゃ、ひゃい………うぅ」
そう言ってユースケは、ゼラニウムに手を差し伸べます。ゼラニウムはその手を取って立ち上がり、二人は声のした方へ走り出しました。
「ココル、どうかした?」
「うん!あれ、あそこがカッサイ公国だよね!?」
「えと………うん、あれだと思う………けど、あれ?」
ココルが指差す先には、確かに綺麗な街と大きなお城、そして目立つ不思議な形の建物がありました。けれどそれを見た瞬間、ユースケは違和感を抱きます。
「………音が、しない?」
………さて、今回は此処まで。妙に静かなカッサイ公国、果たして何があったのでしょう?その続きはまた、次回のお話。