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第八幕・覚醒の咆哮

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 ………前回、遂に大劇場へと乗り込んだココル達とハック・シュー公爵。

 その中で四人を待つものとは、一体何なのでしょうか………?


 扉を開き、大劇場へ足を踏み入れた四人。彼らを最初に出迎えたのは、美しく心地良い「音」でした。

「………これって」

「何だかすっごく、楽しそう!」

「おお………これぞ、これぞ久しきカッサイの音楽!」

「あ、あの、扉の向こうから………聞こえて、来てる、みたい、です」

 そう言ってゼラニウムが指さす先には、一際絢爛で大きな扉があります。

「ほんとだ………ねぇおじさん、あの扉の向こうには何があるの?」

「………あそこは、大ホールだな。大きな舞台があって、そこで音楽や演劇などの演目を行うんだ」

「へぇ〜………あの中に、ブルーローズが居るのかな?」

「我が国から音楽を奪った犯人、だったか。音楽があの中から聞こえるということは………ほぼ間違いなく、居るだろうな」

「よぉ〜し、それじゃ早速乗り込んで歯車と音楽を返して貰おう!頼もーう!」

「あっ、ココル!?」

 ココルは真っ先に駆けて行き、扉を勢い良く開きました。それと同時に、彼らの耳に届いたのは―――

「………♪……………♪……♪…………♪」

 とても、心地良い歌声でした。

 意気揚々と踏み入ったココルも、その歌声のあまりの美しさについ言葉を失ってしまいます。それは勿論、後ろにいた三人も同様でした。

「わぁ………!」

「これは………」

「ブラーヴォー………!」

 その美しさは、感動屋のハック様でさえ涙することを忘れて聞き入ってしまう程です。

 そして、聞き惚れていた四人は―――ある、一つのことを忘れていました。

「ピキュアァァァァ!」

「っう、わ!?」

 ………そう、結界の中にも基点となるアルラウネはいたのです。そのことを、全員してすっかりと忘れていたのでした。

「もぉ、うるさいわよアルラウネ!突然叫んだりして、一体………何、が………」

 アルラウネの叫び声と共に歌声が止まり、歌っていた少女の視線がココル達に向きました。

「…………………………」

 ココル達に気づいた少女は、身体を硬直させます。

「……………………………………きっ」

 そしてその顔が、真っ赤に染まって―――

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!だ、誰よアンタ達!?何で、何で!?結界、ちゃんと張って………、も、もしかして壊された!?何で、現世界の人間に結界の壊し方なんて分かる訳………!」

「お、落ち着いてよ、えっと………ブルーローズ!」

「な、何で名前まで知ってるのよぉぉぉぉぉ!出てって、出てってよぉ!」

「わわっ、ちょ、ちょっと待って―――」

 少女は半狂乱になりながら、四人に物を投げつけます。

 ………不運だったのは、少女が投げてしまった物の中に例の「歯車」があったこと。それを投げた先に、丁度アルラウネが居たこと。そしてアルラウネが、親である彼女が投げた物を敵意と見做さず、与えられた「餌」と認識したことでした。

「………ハグ」

「…………………あっ」

 そのことに気づいたユースケは、思わずそんな声を漏らしました。そして少し遅れて、ブルーローズも自身が投げたものに気がつきます。

「………あ、あぁぁぁぁぁーーーっ!は、歯車………投げちゃったぁぁーーーっ!」

「え……………えぇーーーっ!」

「な、何ぃ!?………我が国の音楽が!?」

「な、何してるんですかローズちゃん!?」

「へ………?ゼラ?アンタ、なんでここに………い、いや、それよりも!アルラウネ、さっき食べたやつ吐き出しなさい!」

「そーだよ、ぺっして、ぺっ!」

 ブルーローズとココルの二人がアルラウネに語りかけますが、アルラウネは微動だにしません。

「な、何ということだ………おいゼラニウム君、アルラウネに食われたものはどうなるのだ!?」

「へぇ!?え、えと………き、基本は普通の動物と同じだと思っていただければ………?」

「そ、それでは………」

「は、はい………消化されて、溶けますね」

「…………そ、そうはさせんぞぉぉぉぉぉ!さ、さっさと吐かんか馬鹿者ぉぉぉ!」

 そう叫んでハック様が剣を抜いた、その時でした。

 ―――ドクン!

 アルラウネの身体が、心臓のように鼓動したのです。その鼓動は少しずつ早く、強くなって行き―――

「な、何だ!?何が起こっているのだ!?」

「え?え〜〜〜〜!?」

 その鼓動がおさまった時………アルラウネの姿は、先程までとは全くの別物になっていました!

 その体躯は元の十倍、周囲に伸びる蔦は二本から数十本にもなり、肉厚な葉の全体には無数の眼球がついています。

「………何だ、あれ………」

「………き、気持ち悪い………」

「ふわー………でっかくなった………」

「まさか、この様なことが………」

 アルラウネの変化を四者四様に驚く彼らを前に………アルラウネは敵意を剥き出すかの様に、大きな咆哮を上げました。

「………ビギュルルァァァァァァ!!!!!」


 ………さて、これは急展開。

 大劇場に踏み込んだ四人。そこに突如として現れた、異様な姿のアルラウネ。

 果たして四人はこのアルラウネを倒し、歯車と音楽を取り戻すことができるのでしょうか?

 それはまた、次回のお話。

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