表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星と煌めきの空  作者: 香坂
始まりの物語
1/61

わりとゆっくり物語が進みます。少しずつ日常が崩れて行く様子をお楽しみください。崩れたあとはゆっくり旅物語です。

 


 それはとても美しい鳥だった。


 夜空の星々を散りばめたような光り輝く羽。柔らかなそれは触れることを躊躇われるほどであり、目にした誰もが感嘆のため息を漏らすだろう。


 しかし実際に漏らされたのは困惑をあらわにした声だった。


「死んでる……?」


 少年は怖々手を伸ばした。鳥を触ったことがなく、手を伸ばしはするもののどうしたらいいのかわからない。ぐったりと横たわった鳥の周りを手が右往左往するばかりだ。



 木々が生い茂る森の中に流れる川のせせらぎを聞きながら、持っていた釣り道具を置く。今日は釣りをしようと思っていた。いつも通り川へ向かうと対岸に何やら光るものを見つけたのだ。


 夏の日差しが降り注ぐ日中に、川の水はさほど冷たくはないことを知っていた彼は、膝ほどの深さの川へ履き物のまま入ると、生暖かい感触をかき分けて進む。見つけたそれが鳥の形をしていることに気がついたのは、川をもうすぐ渡り切るところだった。



 そろそろと指先だけで羽に触れてみる。柔らかさを想像したそれは触れている感覚がないほどに、ふんわりと彼の指をかすめた。


 一度触れればあとは大丈夫と言わんばかりに、今度は手のひら全体で鳥の体を確かめ始める。どこか怪我をしていないか、そもそも生きているのか死んでいるのか、慎重に手を動かした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ