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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

鬱さんの1日職場復帰

作者: 孤独

”鬱病”


「というわけらしくて、俺は知らんけど。陣内は休みだから、しばらくは1欠で仕事しろ」


仕事を休まざるおえない病気や事故というのはあるものだ。

そんな出来事に働く社員達は


「オイコラーーー!!」

「ふざけんなぁーー!俺達、すでに2欠でやってんの!これ以上、人を減らすなーー!」


同僚の不幸に大激怒するというのは当たり前のこと。

というか、病気も何も罹っていない者達からすれば、俺達が死ぬはボケっていう反応。どんだけ人手不足やねん状態。

そんな相手の病床に対しても、辛辣に


「病気利用して転職活動してるんちゃう?」

「今は熱ある~とか言えば、簡単に休みがとれますからね。俺達の業務は知らんけど」


こんなブラック企業で死ぬくらいなら、別のブラック企業に転職した方が良いってのはある。

一緒に働く者達からすれば、数少ない非番や週休を使って転職活動しやがれっていう気持ち。

今回はそんな例ではなかったけれど、実際あんのが悲しいところ(作者のところも二人ほどいた)。


ただ一個人の感想であるが、今働いている会社に病欠を使って転職活動をする人を、転職先の会社が採用するかね?っていう話。嘘をつくのは良いんだが、転職先でもそーいう事をしてしまう可能性がある人間と一緒に働きたいかは別なわけ。厳しい状況になったら、休みたいとか辞めたいとか思うのは勝手だが、個人の感覚で判断するのはいかがなものかと。

実際にそーやって転職して、2か月ほどで転職先からまたどこかに行った人おるからね……。それはもう、会社や社会の問題ではなく、個人の問題だよなって。何しに転職したん?


「だははははは、1欠ざまぁ~(笑)」

「笑ってるんじゃねぇ、木下ーー!!お前、他班だろうが!」

「別にいいだろうがよ。足手纏いがいなくなったら、ミスも減るって考えろ。そこまで優秀な奴でもねぇーだろ?」

「育ちもしてねぇーんだよ」


今回、病欠をした人は会社に勤めて、1年半。新人とは思われなくなった頃からこーいう異変が出てくるものだ。新人、まずは1年働いて仕事の理解と流れを把握すること。体力も十分につけておけって期間。自分に後輩ができたらそろそろ一人前を自覚しろって話。

熱意だけしか取り柄のなかった新人が、その熱意を失った途端にダメになるのは珍しくない話だ。



「ちっ、お前等。とりあえず、休むんじゃねぇぞ。これ以上の欠員は俺が許さねぇ」

「おう、パワハラ発言な」

「労基に訴えたら?じゃあ、人を補充しろ!それに尽きるだろうが!すでに火の車どころか、大火事になってんだよ!俺もう8連勤してんの!こっからさらに人削ってどーする気だ!コラっ!俺が鬱病になるわ、ボケ!」



上司やベテランは大変だよな。

仕事の良し悪しはともかく、人が休みますから仕事も休みますなんて事にはならない。その日もその先もその場しのぎ。

仕事におけるサービス低下を仕方なく社会に訴えたら、やれブラック企業だのゴミ企業だの叩く世の中。人を雇うための値上げだって簡単にはできねぇし、やってらんねぇなー。



◇        ◇



2か月後。


「職場復帰します」


休職していた人が復帰してきた。おめでとさん。

そんな復帰に社内の人達からのプレゼント。



「えー……。非常に嬉しい話ですけれど、陣内くんがいなかった間に悪い話が2つあります」


まず、これからは3欠で業務を回します。1人に求める業務量が増えます。


「次に加藤さんが来月でここを辞めます(正確には他班への移動)。ここの業務やってらんねぇし、陣内くんを抱えているこの班で仕事するのは正直に嫌だってよ」


あくまで休職中。その間に人の補充なんか一切ない。短期アルバイトなんか雇うわけもない。またいつ休職になるか分からない奴と一緒に仕事したくねぇーって気持ちは、その職場にいなきゃ分からない事。凄く殺伐としてんだよな。


「それからこれは陣内くんだけに悪い話ですが。俺達は陣内くんの代わりに働いていたので、これから週休や非番をとらないといけません。陣内くん、悪いけれど頑張ってね。指定は5連勤くらいにしたけども」

「……………」



やっぱりここブラック企業だから、もう辞めよ。

そう思った陣内くんであった。










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