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Dive E  作者: 城塚崇はだいぶいい
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第四話 スゴ人

 このコーナーでは、マイナースポーツで全国制覇した人や新しいアートを生み出した人など、とにかくすごい人を紹介しています。

 さて、今日のスゴ人は・・・。


 見たい夢を自由に見られるまさに夢のシステム『Dive E』システムを発明した・・・貴方です!

 自由な夢を見られるシステムを作ろうと思ったきっかけは何だったんですか?

 作成中につまずいたり、行き詰まったりした時、どうやって立ち直りましたか?

 長年の研究が実を結んだ今のお気持ちはどうですか?


 ・・・。


 ・・・ノリ悪いですねぇ。

 インタビューされたら、カメラに目線を送って、マイクへ向かってはっきりとしゃべってくださいよ。さぁ、テレビに出るんですから、おめかししてキリっとしてくださいよっ!


 ・・・はい、わかりました。私だってテレビに出たくない人を無理やり出させるようなことはしません。

 では、少し番組の内容を変更して他のすごい人の姿を見ていきましょう。


 ・・・。


 なるほどこうしてすごい人を何人か見てみると、いくつかの共通点が見えてきますね。すごい人というのはたいてい、夢に向かって努力する心と、目の前で起こった出来事を前向きにとらえるプラス思考を持っているようです。ですが、そこまでなら普通の人でも持っていることは多いです。貴方も先ほど『夢見る強さと努力する心』、『多角的な視野で物事を柔軟に解釈する思考』を取り戻したところですよね。

 ただ、すごい人というのはもう一つ大事なものを持っているようですね。


 『勇気』です。未知の世界で戦ってみようと踏み出す一歩。それは私達凡人にはとても成しえない勇敢なる行為に思えます。

 思えますが・・・本当にそうでしょうか?

 今ご紹介した数々のすごい人達は、確かに一芸に秀でてはいますが、それ以外は貴方と同じ至って普通な人間なのです。普通な人間が、一体どうやって勇敢なる一歩を踏み出し、さらには先陣を切って未知なる世界を切り開くに至ったのでしょうか?

 そこにはやはり理由があるようです。何もないところに突然『勇気』が湧いて出るようなことは・・・残念ながら起きません。


 想像してください。


 貴方の目の前には、未知なる世界が広がっています。後ろには見知った当たり前な世界がいつもの様にそこにあります。いつもの世界は平和で居心地がよく、少し退屈です。貴方は退屈な世界から隣の未知の世界を時々伺います。あちらの世界にはいったい何があるのだろう?未知の世界は平和ではなく、恐ろしい世界かもしれない。いや、もしかしたら今いる世界より楽しい世界かもしれない。その時生まれたのは、恐怖心と、とても小さな好奇心です。最初はとても小さい、取るに足らないものだったのですが、退屈を感じるたびにそれは心の中に現れて、だんだん大きく成長していくのです。そして、未知に対する恐怖心より好奇心の方が大きくなった時、一歩は踏み出される・・・のかもしれません。

 はたから見ると、恐怖をものともしない勇敢なる一歩ですが、本人からしたら勇気を振り絞ったというよりは、好奇心に素直に従っただけ、という感じかもしれません。勇気はほんの一握りでよいのです。


 恐ろしさと面白さって紙一重ですよね。どうですか?勇敢なる一歩に見えていたものが、誰にでもできそうな日常的なことに見えてきませんか?貴方がほんの少し勇気を出すだけですごい人になってしまうかもしれない。


 貴方は新しい一日で、どんなことに興味を持ち、好奇心を抱くのでしょうか?

 その時、貴方がほんの一握りの勇気を持ち合わせていたら・・・。


 それは貴方の新しい一日を有意義にするのに役に立つかもしれない。


 ・・・さて、本日のプログラムはこれにて終了です。

 貴方が目覚める時間が近づいております。

 いかがでしたか?もうじき始まる新しい一日のために、ナカジマはお役に立てましたでしょうか?


 それでは、最後に大事なお知らせがあります。

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