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ふぁ〜ストゲ〜む(7)

「あ、僕?僕はね、どっちにしろクリア出来ないから大丈夫!」


こいつ、やっかいだな。


「もし今俺らを勝たせてくれたらお前をクリアさせてやると言ったら?」

「無理でしょw冗談きついってw僕今0ポイントだよ?てゆーかクリアしたいって思ってないし。僕は負けたら脱落者はどうなるのかってことの方が気になるしね。」


そう来るよな。


「なるほどな。負けたらどうなるかは俺も気になるところだな。だが俺はこのゲームを勝ち残ったらどうなるのかの方が気になるな。」

「君はそっちを選ぶわけだね。」

「あぁ、1つお願いがある。俺とマイクロチップを連携させてくれ。」

「あわよくば両方の結末を知りたい、か。でもさ、そっちの勝算は?」

「俺1人だったら危ないかもな。俺なら誰かに負けることはないと思う。でもここはあくまであいつの空間だ。何があるかは分からない。でもこいつがいれば問題ない。こいつの能力があれば俺はなんとかなる。」

「マイクロチップを連携して勝ったらどうなるのかの情報を提供するかわりにこのゲームでは勝たせてくれ、ねぇ。君らが勝ち残る前に僕は殺されるかもしれない。圧倒的に僕側に不利な話だね。」

「これはあくまでファーストゲームだ。これからいくつのゲームが待っているかは分からない。勝ち続けるのは負けることよりもはるかに過酷で難しい。だが、捉え方によればお前の意見もその通りだ。なら、俺らが戦っている裏でお前も戦え。生き残れ。9000人の脱落者がいるんだ。1人くらい使えるやつもいるだろ。」

「君って面白い人だね。でも負けたらマイクロチップでメッセージのやりとりできないかもよ?マイクロチップ自体摘出されるかもしれないし、そうじゃなくても圏外って言うかさー繋がらないかもよ?」

「お前が生きてることを信じて戦い続けるさ。このゲームを勝ち残ったら主催者を倒す。お前ら全員解放してやる。その時に会えるだろ。そしたら負けたあとの話聞かせろよ」

「本当に面白い人だなあ。めちゃくちゃな話だし、勝算ほぼゼロの賭けじゃんw」

「だな。」

「功八……私がもう1回能力使ってやり直した方がいいよ……どっちにしろ負けだよこれ……。」


時織が俺の耳元で小声で囁く。


「大丈夫、今は能力は使わせねぇし負けるつもりもねぇ。俺を信じろ。」


「いいよ、のった!その賭け」


等々力が大声で言った。


「ありがとな。早速マイクロチップを連携させよう。」

「おけおけ〜。」


俺と等々力がマイクロチップを連携させる。


「おおー、連携完了!」

「ありがとな。じゃあ終わるか。」

「アプリに入力すればいいんでしょ?適当なの入れるね〜。」

「ああ。頼んだ。脱落者側のことは頼んだぞ。」

「任せてー。」


等々力の入力が終わったらしく意識が現実世界に戻される。


「ピコッ」


俺のマイクロチップと隣から通知音が聞こえた。

アプリを開くと3ポイントの表示があった。


「功八君、2ポイント!」

「ああ、間に合ったみたいだな。」


「ピコッ」


通知が来た。


2月22日3:55

送信者:神

件名:しュ〜Яョ〜う

くリあシャ1000人、ゲ〜むしュ〜Яョ〜う


「本当にギリギリ……。功八君、ありがと!」

「ああ。」

「反応薄っ!」

「もう大丈夫みたいだな。さっきの怯え具合い異常だぞ。」

「えっああ…。なんか人違いだったのかな〜。全然殴ろうとしてこなかったね。顔とか身長とか色々あの人そっくりだったんだけどな。」

「いや、あいつで間違いない。お前と握手をさせた時にあいつの右手の裾に血がついているのが見えた。まくって隠していたが若干見えた。それに握手をさせた時に右手の筋肉が硬直していた。少し前に能力を使った証拠だろう。」

「あの一瞬でそんなに見てたなんて。でもなんで殴ってこなかったんだろうね今回は。」

「2対1だと負けると思ったんじゃないか。」

「そういう事かぁ…。」


本当のことは黙っておくとしよう。


「ところでお前さっき俺の事呼び捨てで呼んでたな。」

「え、いつ!?」

「功八……私がもう1回能力使ってやり直した方がいいよ……どっちにしろ負けだよこれ……。」

「ねぇ!真似しなくていいから!しかもめっちゃ棒読みだし!笑」

「似てただろ。」

「似てない!まずね、感情がこもってない!」

「じゃあ手本見せてくれ。」

「仕方ないな……。功八……わた……ってやらせるな!」


そう言いながら時織は笑った。もう大丈夫みたいだな。


「ちょっと!黙ってないで何か言ってよ!恥ずかしいじゃん!」

「ああ、からかって悪かったな。あとこれからは呼び捨てでいい。」

「えっああ。」

「嫌か…?」

「いや、嫌じゃないよ!急だなって思って。」

「俺はお前のこと呼び捨てで呼んでるだろ。ならお前も俺の事を呼び捨てで呼ばなきゃフェアじゃない。お前がさっき俺の事を呼び捨てで呼んでたから話のきっかけにちょうどいいだろ。」

「もー素直に呼び捨てで呼んでっていえばいいのに〜笑」

「呼びたくないなら今まで通りでいい。」

「ごめんって!これからよろしくね!功八!」

「ああ」

「そこは『ああ、よろしくな、時織。』って言ってよ!」


やっとファーストゲームが終わった。このゲームはいつまで続くのだろう。結末はあるのだろうか。だが、伊集院、時織こいつらがいればとりあえずはなんとかなるだろう。

よろしくな、伊集院、時織。

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