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ふぁ〜すトゲ〜む(5)

2月22日3:15

送信者:古巻 時織

件名:能力

私の能力は、『タイムリープ』


「なあ、お前まだ0ポイントなんだよな?」

「う、うん!そうだよ。」

「なんでまだ0ポイントなんだ。」

「なんでって?」

「この能力ならゲーム開始から約45分経過した今0ポイントってことはないだろ。まだ1周目なのか?それとも体調が悪いからか?なぜだ。」

「あはは……いや、なんと言いますか〜ただ…ね?」

「時間の無駄だ。早く言え。」

「厳しいなぁ……。私が0ポイントなのはただ……私がお馬鹿なだけです!」

「そんなに顔赤くしながら言われてもな……。仕方ない、俺がヘルプしてやる。」

「いやいやいやいや、いいよいいよ。私なんかよりもっと頭良くて良い能力持ってる人ヘルプした方がいいんじゃない?」

「そんなやつはみんなもうクリアしてるだろ。」

「うっ……確かに……」

「ヘルプをするには両者がお互いの名前をW(ダブル)のオプションにあるチャットに書いて送って登録されるらしい。俺の名前は神代功八(くましろいさや)だ。早く送れ。」

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って、!」

「なんだ。時間が無い、早くしてくれ。」

「私ヘルプされる気ないよ?」

「いや、俺はお前をヘルプする。」

「話聞いた感じだと両者の同意がないとできないんでしょ?私は送らないよ?」

「なんでヘルプを受けたがらない。」

「私の能力ならヘルプは必要ない。どんなに馬鹿でもいつかはクリア出来る。」

「今何周目だ?」

「だいたい30周くらいかな?」

「お前、もう限界なんだろ?」

「いや、そんなことないよ?」

「俺がヘルプをしてこの周回でクリアさせてやる。代償としてお前は俺の仲間になる。これでいいだろ?」

「いや、君には頼れないよ。頑張れば自分で解決できることを人に頼るなんて、できない。」

「そうか」

「うん、助けようとしてくれたのは本当に嬉しい。でも、私は1人で頑張る。」

「最後に1つだけいいか。」

「うん、何?」

「俺の仲間になってくれ。そのためにはこのゲームをクリアしないといけない。だから俺はお前が仲間になってくれるならこのゲームでお前をクリアさせてやる。」

「だから、私は……」

「俺はお前に仲間になって欲しい。お前の能力は本当にいい能力だ。だから仲間になって欲しい。俺はひとりじゃこの先のゲーム、クリアできそうにないんだ。だから、頼む。」

「そ、そんなこと言われても……」

「俺はγ-(マイナス)だ。」

「えっ!でもγ-っていないはずじゃ……」

「ああ、世界が俺を隠してるだけだ。俺はγ-だから何も出来ない。だからいい能力を持ったやつがいないとこの先のゲーム、必ず脱落する。俺はお前を助けたいんじゃない、お前に助けて欲しいんだ。自分勝手すぎる話だけど、俺を助けてくれ。頼む。」

「…………。助けてって言われたら助けるしかないじゃん……。」

「そうか、助かる。ありがとな。」

「じゃあ、ヘルプの登録するから名前教えて!」

「ん?さっき言ったが……」

「えーっと……言ってたのは知ってるんだけど忘れた……」


なるほど。たしかに馬鹿だ。


「俺の名前は神代功八だ。神に代償の代に成功の功に八だ。」

「なんか神代って珍しい苗字だね!ちなみに私は……」

「時間の無駄だ。行くぞ。」

「ちょ、ちょ、ちょっと待って、!」

「なんだよ。」

「功八君、私の名前まだWに送ってないでしょ!私の名前は……」

古巻時織(ふるまきしおり)。もう登録もした。行くぞ。」

「なんで知ってんの!?」

「能力聞いた時、メッセージの送信者の欄で名前は確認した。」

「あ、なるほど。」

「行くぞ。」

「どこに?」

「B地区中央。1番人があつまっているところだ。」


こうして俺たちはB地区の中央に向かって歩き出した。


「そういえばさ、左胸についてるそれ何?何人かつけてる人いたんだけど。」

「クリア者のマークだ。クリア後にヘルプをするを選択すると貰える。左胸につけると今みたいに点灯する。この光の色が青なら現在2ポイント以上所持していてクリアしている状態、赤なら2ポイントを下回っていてクリアしていない状態を表す。」

「なるほどねぇー。」

「そういえばさ、功八君私のこと知ってる?」

「どういうことだ?初対面だろ。」

「知らないかー。じゃあ1つ言わないといけないことがあるんだけど……」


俺たちが話しながら歩いていると1人の男が近づいてきた。


「お前ら、俺とやらないか。」

「ああ、やるか。時織、こいつと握手してくれ。未クリア者が握手をして対戦が認められる。」

「わ、わかった!」


時織と目の前の男が握手をした。3人のマイクロチップが光り仮想空間に意識だけが飛ばされる。

そして5分のカウントダウンが始まる。


「俺は神代功八(くましろいさや)だ。こいつは古巻時織(ふるまきしおり)。お前は?」

「俺は及位陽心(のぞきはると)。」


すると、及位は細長い目を思いっきり開いて俺らを見た。能力を使ったのか。


「俺は今能力を使った。だが、お前らには何の変化もない。何故だ。」

「お前の能力を知らないのだから何故俺らに通用しなかったのか答えようがないだろ。」

「まあ、それもそうだな。俺の能力は他人の心、即ち感情を消す能力だ。心当たりあるか?」

「こいつは知らないが俺に感情があると思うか?」

「なるほどな。」

「これ、能力当てるゲームだぞ。一応。いいのか、能力言っちゃって。」

「気になってしまったのだからしょうがない。これだから俺は15戦しても0ポイントのままなんだろうな。」


0ポイントという数字だけ見ればただの雑魚だ。でも15戦したということは少なくとも13回は相手の能力を当てているということだ。


「というかお互いの能力もわかった事だし終わらねーか。」

「俺の能力わかったのか?」

「いや、お前じゃない女の方だ。こいつは有名だからな。だよな、超人気国民的アイドルの古巻時織さん」


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