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ふぁ〜すトゲ〜む(3)

5分のカウントダウンが始まる。


「よろしくお願いします。お名前を伺ってもよろしいですか?」

伊集院四朗(いじゅういんしあき)や。そんな堅苦しくせんでええよ。タメでええ。あ、お前みたいな雑魚が俺様にタメは無理か?笑」

「なら遠慮なく。よろしく、伊集院。」

「お、おう。んで、お前名前なんやった?」

「対戦前に名前言ったよな?俺様とか言って強がってた割に人の名前1回で覚えることもできねーのか。」

「てめっ!あんまり舐めた真似すんじゃねーぞ。」

「ならせいぜい舐められないようにすることだな。」

「まあ、俺は心が広いからな。今は許してやるよ。お前の名前は神代功八(くましろいさや)。さすがに覚えてるっつーの。」

「そうか。正解だ。なら俺の能力当ててみろ。」

「ああ、いいぜ。……っっっ!」

「どうかしたか?」

「い、いや、なんでもねえ。や、やっぱりお前の能力当てる気分じゃねーわ。先にお前が俺の能力当てろよ。」

「いや、お前が俺の能力を当てろ。」

「生意気言ってんじゃねーぞ。俺はもうお前の能力くらいわかってんだからな。あえて言ってやらねーだけだ。」

「はぁ。言ってやらないじゃなくて言えないだろ。お前わかってねーだろ、俺の能力。」

「わかってるっつーの!」

「ちなみにだけど俺の能力なんて書いてあった?」

「は、おい、なにいってんだよ。」

「もうお前の能力分かってんだよ。なんて書いてあった?」

「わ、わかってるなら俺の能力い、言ってみろよ!」

「他人の情報を見れるんだろ。」

「な、なんでそれがわかった!」

「先に俺の能力がなんて書いてあるか教えろよ。」

「なんでわかったんだよ!!」

「黙れ!聞け!先に教えろ。」

「く、空白だ。お、お前住所とかも書かれてねえ。名前しか書かれてねえ。」

「そうか。」

「なぁ、教えてくれよ、なんでわかったんだよ!!」

「お前、ゲーム開始前余裕そうだったな。頭がイカレてるやつを除けば開始前に余裕そうなやつは勝機が見えてるやつだ。このゲームでの勝利条件は相手に自分の能力を当てられないことと相手の能力を当てることだ。相手に能力を当てられない能力なんてものが存在するのかは分からないが、たとえそんな能力があろうとも相手の能力が分からなければ勝つことは出来ない。だが相手の能力を知る能力なら勝てる確率は高くなる。相手に当てられないことと相手を当てることだったら相手の能力を当てることの方が難しいからな。つまり余裕そうにしていたお前は相手の能力を知る能力を持っている可能性が高いということだ。」

「それだけで?俺の能力がバレた?そんな馬鹿な……」

「それだけじゃねえ。お前対戦前に俺に誰って聞いてきただろ。利用させてもらった。俺はあの時神代功八(かみしろこうや)と名乗った。だが俺の本名は神代功八(くましろいさや)だ。どう聞き間違えても『かみ』が『くま』になったり『こう』が『いさ』になったりはしねぇ。でもお前は対戦中に俺の事を神代功八(くましろいさや)と言った。つまりお前は知るはずもない俺の本名を言うことが出来たということになる。それは相手の情報が分からないと不可能だ。」

「マジかよ、あの時から…」

「しかもお前は俺の能力を見ようとした時から明らかに動揺してたしな。普通あんなに動揺することはないだろ。俺の能力を見た場合を除いて。」

「し、仕方ないやろ……この世界にγ-(マイナス)はいないって言われてんだからよ。」

「お前、今何ポイントだ。」

「1や…」

「そうか。お前はこのゲーム、余裕で勝てるだろ。」

「お前みたいな相手はそうそういないやろうからな…」

「なぁ、お前俺の仲間にならないか。」

「何ゆーてんねん…俺みたいな雑魚使えへんやろ…」

「そうだな、すぐに顔に出そうだしな。だが使ってみなければ分からない。少なくともお前の能力は使える。俺はお前と違ってγ-(マイナス)だしな。」

「認められたのは能力だけか…ええよ。散々馬鹿にしたからな。謝罪代わりに仲間になったるわ。」

「俺はこれで2ポイントだ。俺はヘルプをして使える仲間とポイントを増やすつもりだ。お前は自分であと1ポイントくらい余裕で得られるだろ。2ポイントになったらお前はヘルプをするな。いいな?」

「わかった。あと1ポイントゲットしてヘルプせずに終わればええんやな?」

「そうだ。健闘を祈る。」

「そっちこそ!頑張れよ!」


俺はアプリを起動して伊集院の名前と能力を入力する。


入力者:神代功八

対戦相手:伊集院四朗

対戦相手の能力:相手の情報を知る


俺が入力し終わって数秒後、伊集院も入力が終わったらしく仮想空間から現実世界に意識が戻る。


「ピコッ」


アプリを起動すると2ポイントの文字が表示された。


「ピコッ」


さらに通知が来た。


ヘルプをする◁

ヘルプをしない


俺は迷わずヘルプをするを選んだ。

すると、ヘルプをする人を決めたらアプリに名前を入力して送信することや、対戦はヘルプをされる未クリア者が握手をすることで成立するなどのゲーム開始前に説明されなかった細かいルールが表示された。

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