ふぁ〜すトゲ〜む
「今からげえむをハジめル。ふぁ〜すトゲ〜むでは……」
「オマエたちにお互いの能力お当て合ってもろう。」
周囲の人々は戸惑いの表情を浮かべる。
「今からげえむのセツメーをハジめル。せつめイはコイツにやってもろう。」
すると電光掲示板の画面が切り替わりロボットのようなものが映る。
「ピコッ」
メッセージが来た。
「今からルールを説明します。ただいま、参加者の方にメッセージを送信しました。ご確認ください。そこに簡単なルールが表記されています。」
俺はメッセージを確認する。
―ルール―
1.これは1万人で能力を当て合うゲームです。
2.1万人の中から戦いたい人を選び、基本的には1人対1人で能力を当て合います。1人の能力を当てるごとに1ポイント得られます。(基本的には加点方式なので、外した、当てられた場合にポイントが引かれることはありません。)
3.このゲームの勝利条件は、ゲーム終了時に2ポイント所持していることです。
4.このゲームは現在進行形で2ポイントを所持する人が1000人に達した時点で終了します。
5.仮に相手の能力を当てていたとしても自分の能力を当てられていたらノーカウントとなり、ポイントに変動はありません。
6.3人に自分の能力を当てられる(ノーカウントは除く)または5回解答を間違えた場合は脱落となります。
ロボットは送られてきたメッセージを読み上げる。なるほど、俺なら十中八九勝つことは可能だろうな。ただ…基本的に、か……。
「ピコッ」
またメッセージが届く。
「ここまでが大まかなルールになります。次に対戦方法について説明します。メッセージをご覧下さい。」
―対戦方法―
1.対決する相手を見つけます。
2.話しかけ、お互いの了承を得て握手をすることで対決が成立します。
3.お互い名前を名乗り、5分以内の会話を通して相手の能力を探ってください。ただし、暴力、脅迫等は禁止行為とし、禁止行為を行った場合は即脱落とします。
4.5分経つと強制的に会話は終了します。皆さんのマイクロチップにダウンロードされているWというアプリに相手の名前と能力を入力してください。入力後すぐに結果が届きます。
「ちなみに5分経っていなかったとしても、入力は可能です。5分経っていない場合、両者の入力が完了した時点で会話は終了します。また、5分後の入力開始からさらに5分たった場合は無回答とします。エリアに関しては皆さんはB地区から出ることは不可能です。しかし、B地区内であればどこに行っても構いません。また、ゲーム不参加者がB地区に入ることも不可能ですので、すれ違った人は全員がゲームの参加者です。」
周囲が騒がしくなる。まあ、こんなゲームをやるくらいだ、それくらいのことはしているだろうな。そんなことより俺は相手の回答が無回答だった場合は当てられたということになるのか?まあ、当てられたとしても当てていればノーカウントだ。3回当てられたとしてもノーカウントにもっていっていれば脱落はしない。
「ピコッ」
またまたメッセージが届く。
「最後にクリア者について説明します。メッセージをご覧下さい。」
―クリア者―
1.クリア者はゲーム終了時まで未クリア者をヘルプ(手伝うこと)できます。
2.未クリア者をクリア者がヘルプし、複数人対1人(複数人)になった場合、相手の誰か1人の能力をあてていれば勝ちまたはノーカウントとなります。
3.クリア者はヘルプをし、能力を当てた場合0.5ポイント得られます。(未クリア者はクリア者とは別で1ポイント得られる。)
4.クリア者はヘルプをし、自分の能力を当てられてしまった場合は-1ポイントとします。(ただし、相手の能力を当てていた場合に限りノーカウントとし、ポイントの変動はなしとする。また、未クリア者へのマイナスはない。)
5.1度クリアした者は2ポイントを下回っても0.5ポイントずつしか増えず、当てられると-1ポイントひかれます。
6.クリア者であってもゲーム終了時に2ポイント所持していなければ脱落となります。
「ちなみに、クリア者はヘルプをするかしないか選択することができます。また、回答は複数人いたとしても1回しかできません。最初に送られてきたものを回答とします。ポイントは多く所持している方が後に有利です。では、これでゲームについての説明を終了します。10分後にゲームを開始しますので、各自準備をしてください。質問がある方はゲーム開始までは受け付けるので、10分以内に質問をマイクロチップにダウンロードされているアプリに入力し送信してください。健闘を祈ります。」
俺はもう一度メッセージをしっかり読みルールを完璧に把握する。このゲームに関しては俺はどうやろうとも勝つことは可能だろう。俺は開始までの10分間周りの人を観察し、能力を把握することにした。