今からげえむをハジめル
―「本当にいいの?後悔するかもよ。」
「ああ、それでいい。せいぜい後悔しないように生きるさ。」
「本当に君って面白いよね。じゃあ頑張ってね。行ってら〜。」
2444年2月21日(日)14:00 俺の1日は始まる。俺はカレンダーを見る。
「今日は日曜日か。今日も世界は平和だn……」
「ピーポーピーポー」「ウーウー」
俺の世界平和発言は緊急車両のサイレンによって掻き消される。この世界は今全くもって平和では無い。
―世界大災害―
度重なる大地震、津波、洪水、大規模な火災、酸性雨、大雨、地盤沈下、大雪etc…地球上で起きた異常気象、災害により人口は5分の1以下に、地球の陸地は東経0°~東経180°の東半分しか残らず、西側は全て海となった。
また、世界大災害によって超能力を持つものが現れた。超能力は親から子へ遺伝するだけでなく、人から人へウイルスのように広まっていき、今超能力を持たない人は1人もいないと言われている。
人類は初めは喜んだ。未知の力が手に入り今まででは不可能なことも可能になった。しかし問題も起こった。犯罪が増加した。それもそうだ。誰もが強い能力を得れば使い、力を見せつけようとする。だから人類は超能力を無くす研究を始めた。
しかし、まだ解決方法は見つかっていない。今世界中で自分の能力に自惚れるもの達が超能力を存続させようと研究所や政府などをしらみ潰しに襲っている。もちろん犯罪もなくなっていない。
そんな世界大災害によって超能力を持つ赤ちゃんが産まれたのが奇しくも2222年2月22日2:22だったことと世界大災害のワールドの頭文字から世界大災害はWと呼ばれている。
1人の男が俺の部屋に入って来た。こいつは絶賛能力をなくすための研究をしているらしい。
「おい、いつまで寝ている。」
「俺のモルモット生活は15時に始まるんだ。まだ時間じゃない。いいだろ。」
「お前、モルモットの分際で口答えするんじゃねえ。殺すぞ。」
「殺せないくせにw俺は世界の希望なんだろ?w」
「うっうるせぇ、明日からはもっと早く起きろ。」
そう言い残して男は部屋から出ていった。
―超能力―
能力は8つのレベルに分かれている。
α1・・・1億人以上の人間を1度に殺すことが出来るレベル。
α2・・・100万人以上の人間を1度に殺すことが出来るレベル。
β1・・・1万人以上の人間を1度に殺すことが出来るレベル。
β2・・・100人以上の人間を1度に殺すことが出来るレベル。
γ1・・・1人以上の人間を1度に殺すことが出来るレベル。
γ2・・・能力に人を殺すほどの力がないレベル。
α+・・・世界を破壊できるレベル。
γ-・・・能力を持たない者。
世界のほとんどの人間がガンツーからベーツーである。
ちなみに俺が世界の希望と言われているのは、俺が世界で唯一のマイナスと言われているからだ。世界のお偉いさん達は俺を研究所に閉じ込めてモルモットにし、能力をなくすための研究を行っている。俺の存在が世間に広まればベーワン以上の人間は俺を殺しに来るだろうし、そうすればこの世界は唯一のマイナスを失い、モルモットがいなくなることになる。だから世界は俺を庇う。俺は国家機密の人間だ。いや、もう国なんてものはない。となると世界機密ってやつか。
そんなことを考えていると15時がやってくる。いつも通りモルモットになり、食事をし、1時半になり就寝。
「ピコッ」
俺はこの音で目を覚ます。時刻はちょうど2時。俺の体に埋め込まれているマイクロチップがメッセージを受信したことを知らせる。俺は目の前に受信したメッセージを表示する。
2月22日2:00
送信者:神
件名:げームお開始する
選ばれしものたちよ、ゲぇむを開始する。開始じごくは2:22。場しょは旧とうきようB地区ちゅうおう。あらわレなかったものは強制的にび〜地クにつれていく。このげえむは、早くくルほどゆーりだ。
「なんだこれ。てか俺モルモット。出れねえ。まあ、勝手に連れてってくれるぽいからいっか…じゃねえな。って言ってもどうにもできないしな。とりあえず……寝るか。」
俺はこうして眠りについた。
「ピーピーピーピー開始82秒前、B地区中央、送ります。」
目の前にワープゲートのような黒いモヤが現れた。どうやら本当にゲームが行われるらしい。時刻はちょうど21分。なるほど、22分22秒に行われるのか。
黒いモヤが消えるとB地区の中央に来ていた。B地区は発展していて、都会って感じでよくテレビで見る。まあ、治安が悪いことでも有名だが。B地区の中央には大きな電光掲示板がある。そこには残り60秒のカウントダウンの数字が映っている。周りにはたくさんの人が。1万人くらいか。そんなことを考えているうちにカウントダウンがもうすぐ0に。
「3、2、1、0」
数字が0になると画面には仮面をつけた人が映し出された。
「今からげえむをハジめル。ふぁ〜すトゲ〜むでは……」
「オマエたちにお互いの能力お当て合ってもろう。」