信長に謁見した未来人・上(謁見までの道のり)
「あれ?何?この長い列。信長様に謁見? さすが信長様、凄い人気」
「おやおや、信長様にご謁見ですかぁ?」
「はい。」
「申し訳ございませんがこの札をお持ちいただけますか?後ろから来る方に見える様に」
【最後尾】
「で、ですね。これ。この問診票にですね、お所。お名前。え~と、過去の病歴ですか、ご記入の上。アっ、今硯と筆を持って参ります。少々お待ちを」
「問診?」
【握手かサインかどちらかに〇をつけろ】
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「あっ、お書きになられました? あらま小汚い字。」
「筆とか使った事がないので、、」
「あらま。でお所がぁ? 、、静岡県静岡市? はて?どこ?」
「あっ、えっと~。す、す、駿河の国?かな?」
「あらま、家康殿の所にお住まいで?」
「家康、、っていうかぁ。時代がぁ。」
「そうしましたらですね。一度列を離れて頂きましてですね、この湯飲みにたわわと尿をお取りいただきまして、、そうですそうです検尿。ま~、信長様は用心深くてですね。あっあの先のお城の壁伝い、曲がった所に厠がございますので、そちらで。」
「直接?湯飲みに?」
「あらま、他にどんな手立てが?」
「一度紙コップに注いでから、スポイトでとか、、」
「言ってる事がわかりませんが、面倒臭いですね。それは。」
「で、それを?」
「そうしましたら、あの城壁の四角い穴。そうですっそうですっ。砲弾が出るとこ。そこに置いて下さい。中の者が受け取りに参りますので。」
「誰の尿かわからなくなるのではないですか?」
「あらま、やった事ない? 湯飲みをグルリとお回しになるとそこに、百五十六と。それがあなた様の今日の謁見番号になられますので」
「ベッケンバウアー?」
「?謁見番号です」
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「尿。終わりましたか?」
「はい」
「あッそうだ。お熱を計って無かった。そのチャラチャラした前髪を上げて頂いてよろしいですか?はいはい、ありがとうございます。ちょっと手の平を当てますね~。大人しくね~」
「手で計る?」
「あらま?他にどんな手立てが?」
「いや、こー、脇に入れるとか、口に入れるとか、、」
「あらま!そんな!ふしだらな!」
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「ではですね。中にお入り頂いて、あなた様の御番号が呼ばれるまで、座布団の上でお座りになってお待ちください。お返事が無いと先を越されますので」
「次の方ぁ~謁見番号百五十六番でお待ちの方ぁ~。謁見室の中にお入りくださ~い」
「謁見室?、、あッ!は~い!」
※信長に謁見「上」としましたが、これはこれで一つの話とし短編と致しました。
※すでに、『下』も投稿してございます。
是非、続きもご覧になってみてください!
※第1弾・家康に謁見した未来人
第2弾・秀吉に謁見した未来人
第3弾・光秀に謁見した未来人
もよろしくね!
※渾身の連載小説「カザマンス」も是非!
西アフリカを舞台にした、部族同士の内戦。フランス軍との戦い。奴隷問題も取り上げた小説です。
宜しかったら是非ご覧ください!