第2話 〜いや、学校一の美少女ですやん〜
『何言ってるんですか、はすはすさん男なのになんで胸見られるんですか笑』
俺はまだ、可能性を捨てきれない。俺が今までエロマンガの愛情を分かちあっていた人が女の子なんてそんなの最悪ではないか!
『何を言っているのでござるか!? 拙者は女でござるよ! 拙者の性別が分からなかったなんて、少しショックでござるよ!』
いや、女やん。
『いや、そんなの聞いていませんでしたよ。それははや——』
「あのー、すいません。やっぱり、エーマンさんじゃないですか?」
俺がメールの文を書いている途中に声が聞こえた。先程、聞いた声、俺は思わず右隣を見る。
そこには先程の女の子がいた。
「い、いや絶対に違います」
女の子は少し悩んだ姿を見せ、ポンと手を叩き喋る。
「そうか! 喋り方が違うから分からないのでござるね。拙者、エロマンガ大好きのエロマンガはすはすでござるよ! これで分かるでござるね、エーマン殿!」
「いや、絶対に違います」
「おねショタは?」
「最高、って何を言わせてんですか!?」
「やっぱり、エーマン殿ではないでござるか!?」
しくった。いや、おねショタは? て聞かれたら最高って言うのは一般常識だからな。しょうがないだろ!
「まさか、エーマン殿でしたか。これは1度目で気づかなくて失敬。まさか、胸をガン見された方がエーマン殿など分かるはずがなかろう!」
「すいません、こんなに胸が大きいと強姦物のストーリーを思い出してしまって」
「そういう事だったんでござるね! それはしょうがないでござるよ!」
「ですよね、でもはすはすさん、無理にそんな喋り方しなくていいですよ」
「それは有難いお言葉! では、普通に話しますね」
はすはすさんの普通の声を聞いて、俺は違和感を覚える。この声……聞いたことがあるぞ? いや、絶対に聞いたことがある。
誰の人でも耳に残るようなこの声……どこかで聞いた。
何処だっけ?
「いやはや、その前にマスクとサングラスを取らせていただくでござる」
「ああ、そうですね。取りましょうか」
まぁ、気のせいだろう。
女性と知った時は俺は凄い恥ずかしい気持ちになったがよく良く考えれば、エロマンガを好きな女性の意見なんて聞けるもんじゃない。
これは、2人で熱く語れる事を予想できる。
はすはすさんはまず、サングラスを取る。俺はサングラスをしていないのでマスク取るがそこで、俺は不思議に思う。
あれ? 可愛くね?
いや、マスクを付けてるからだろうけど可愛くねと思ってしまった。
でも、その疑問は先程から会話している時から思っていた。こんなにおっぱいがデカくてなんかカッコイイサングラスと、高身長で、オシャレな服装。
うん! でもまあ、マスクを付けているとマスクで隠れてい所が美化されると聞いた事があるからな。
まぁ、マスクを取ったら大丈夫だろう。
俺が先にマスクを取るとはすはすもつられてマスクを取る。ちょっと期待をしながらはすはすさんを見た俺は言葉が零れていた。
「いや、学校一の美少女ですやん」