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プロローグ
この世の中には、科学では説明できないことがある。
それを人は超常現象とか天変地異とかそういった類の言葉で誤魔化して日々を生きている。
宇宙人はいるか?という問いかけ私は迷わずいるだろうと答える。同じく幽霊を信じるかと聞かれたら信じると答えるだろう。
なぜならば世の中に絶対にありえないなんてことは絶対にありえないからだ。
この世の中には人に紛れた人ならざる者はそこらかしこにいる。そいつらが言うには、人の心の方がよほど奇々怪々で分からぬものだと言う。
朝八時から夕方五時までの永遠とも思える時間を月に三十日も働く私にも分からぬことだった。一日九千二百円、+出来高、交通費込みの日払いの私には、難しいことを考えている時間もない。