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心に咲きし色の花-叶わぬ恋も想い出に-♭  作者: ハルカ カズラ
失恋の章
9/40

癒やしのルピナス

              癒やしのルピナス



「ただいま~はぁ~疲れた」


「おかえり。まぁた、フラれたんでしょ、あんた。そうやってフラれる度に実家に帰って来る癖をなんとかしなさいよ」


「だって~自分の部屋にいたら思い出すじゃん! 写真だって、貰ったものだってすぐには捨てられないじゃない! だから~それを忘れた頃に帰ればいいわけで。そうすると実家に戻るのが最適っていうか~」


「あんた、それ良くないよ? そうやって自分の部屋に良くないものを溜めこんでたら良くないモノを引き寄せて、いい方に行かなくなることだってあるんだよ? フラれたならさっさと捨てなさいよ」


「へいへい……そのうちね」


 ったく、実家に帰るのは確かにその通りなんだけど、いちいち細かく言われちゃうのが面倒なんだよね。だってしょうがないじゃない。そんなにすぐには切り替えられないし、高いものなら売れるけど何かの記念品とかだったらそうは行かないわけで~……


 んー……良くないモノを部屋に呼び寄せる、か。だからフラれるとか? まさかね……そんなスピリチュアル的なモノは信じないし。風水とかそんなのだって結局、面倒だったし。


 でも何かいいものを置くとか飼うとか? あ! そうか……その手があったかも。


「お母さん、わたし帰るね。ヒント、ありがとー」


「えっ? 何か言ったっけ? あ、ちょっとっ」


 自分の部屋に帰ってすぐに実践したこと。まずは貰ったものの整理。そして、買ってもらった服を全てリサイクルへ。後は――


 お花屋さんに行って、私が買ったお花は『ルピナス』。お酒のつまみには丁度いい……って言っても本当に食べないけど。お花なんてガラじゃないけど、癒しの効果があるならもってこいだよね。それと、今日からわたしの新たなパートナー、ペットのみちくん。


 犬や猫じゃなくて、わたしはお花と共に手間のかからないペット、カメレオンくんを住人に加えた。このトサカのような頭といい、鮮やかな緑の体つきといい、伸びる舌。何て可愛らしいのだろう。


 この子たちがいるおかげでわたしの部屋は一気に雰囲気も空気も変わった気がする!



 そうして数か月が経ち、想像力の働きが向上したおかげかわたしは幸せな日々を送っている。


「あんた、元気なの? 最近帰ってこないけど、素敵な人と上手くいってる? いってるならいいけど、たまには連絡くらい寄こしなさいよ?」


「だいじょうぶ! もう心配しなくても平気なの。わたしには最高の……が、いるんだから!」


「え? なに?」


 あなたたちはわたしにとって、最高の安らぎなの。他には何もいらない。あなたたちだけがわたしを癒してくれるもの。だから、ずっとわたしの”パートナー”として部屋に住み続けてね――

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