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心に咲きし色の花-叶わぬ恋も想い出に-♭  作者: ハルカ カズラ
失恋の章
29/40

見栄っ張りのアマリリス

            見栄っ張りのアマリリス



 私は見栄っ張りだ。それも人よりも強すぎるくらいの虚栄心。


 高校生にもなって彼氏がいないなんて恥ずかしい!! そう思った私は、クラスでいつも彼氏の話をしまくっている派手めな女子たちの前で、わたしには大学生の彼氏がいると話してしまった。


 本当はそんなのいないし、キスもまだしたことないのに……


 いつも彼氏自慢をしている女子たちをいつも傍目で見ていただけのわたし。それが嫌で、わたしは彼女たちよりも先にいってる女を演じた。


 演じていたからこそみんなには羨ましがられていたのに、たまたま目に入って来たクラスで付き合っている二人を見た途端に、このふたりに負けたくない。そう思ってしまった。


 夏休みが終わると、本当は恋人すらいないわたしを置いて、みんな恋人を作って経験を積んでいくのだろうな。そう思うと、またわたしだけがひとりだけ取り残されたような惨めな気持ちになる。


 だからわたしは見栄と言う名の嘘をついてみた。そしたらクラスの女子たちがわたしの話に凄く食いついてきた。まさかいまさら冗談だよなんて言えない。言えるわけない。


 バレたら嘘つき呼ばわりされるどころか、みんなにハブられてバカにされ続けるのは目に見えている。そんなのは嫌だ。そう思ったわたしは本当に大学生の彼氏を作ろうと思いバイトを始めることにした。


 もちろん、ある程度のイケメンに限るけど。友達に彼氏を実際に見せて、「いいんじゃない?」って言ってもらえるなら、この際誰でもいい。そんなこんなで、手近に始めた某ファーストフードで大学生を捕まえることに成功出来た。


「キミの彼氏に? それじゃあ、人前でキスはもちろんのことだけど手は恋人繋ぎ、デートは週に5回。要するに、常に出会ってないと本当の恋人にはみえないよ。嘘なんてすぐにバレるし」


「で、でも……そこまでしなくても」


「彼氏いるって言ったんでしょ? だったら、本当に俺と付き合えるように接してくれよ」


 何だかすごく不快だった。わたしの見栄っ張りがこんな、ここまで我慢しなきゃいけないのかなと。わたしは翌日、バイトを辞めた。恋人のつもりで連絡も教えていたけど全て消して、既読もつけないし、電話も繋がらないように拒否をした。


 あぁ、なんて無駄なことをしたんだろ。何だか空しくなってひたすら泣いた。どれほどの時間、部屋で泣き崩れていたのか覚えていない。心の中にポッカリ穴があいたようだった。


 予想通り、夏休み後はみんなに彼氏が出来ていてわたし一人、取り残された。最初からいなかったけど、みんなはフラれたんだ……なんてことを悟って、話しかけて来なくなった。


 結局のところ、恋愛は焦って見栄を張っても仕方がないしロクなことがない。ということなんだ――

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