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心に咲きし色の花-叶わぬ恋も想い出に-♭  作者: ハルカ カズラ
失恋の章
12/40

豪快なユーカリ

               陽気なユーカリ



 カンパーーイ!!! 


 今夜は飲みオフ会&焼き肉食べ放題の会。


 しばらく放置していたとあるSNSのコミュニティから誘いの通知が来ていたので、覗いてみると何とも食指が動く誘い文句が書かれていた。これは無条件に行くしかないでしょ! 


 実際には会ったことのない男女が計10人ほど集まっていた。わたしは仮ネームとして、ユーカリを名乗っている。本名はユカリだけど、そもそもオフ会に来る人で本名を名乗る人はまず、いない。それを考えると、わたしはほぼほぼ本名みたいなもんだったけど。


「はじめまして、ユーカリさん。俺は、枝野って言います。今夜は大いに盛り上がりましょ~!」


 男は本名とか? まさかね。まぁ、どうでもいいことだけど。苗字タイプにしてるんでしょきっと。


「こんばんは。えだのさん。そーですね、楽しく飲んで楽しく肉を食べたいですね」


 ぶっちゃけ、コミュに出会いを求めてない。というか、今夜は男よりもお酒と肉が目当て。ま、中にはこうやって初めから話しかけて来る奴もいるけど、ホント、どーでもいい。


「ユーカリさんはおいくつなんですか? あと、そのお名前って花の名前ですよね。素敵ですね」


 うわ……なにこの枝野。ないわー……初対面でしかも女性に歳を聞くとかアホか! こいつはダメな奴だきっと。相手にしないで肉を喰らおう。確かに花の名前だけどそんなことより、ないわー。


 とにかく我先にカルビを焼きまくり、カルビに狙いを定めて箸を動かしまくった。男よりカルビ。特に枝野は全くもって興味の欠片も持たない。


 そういう感じで時間が過ぎていたけど……どういうわけかわたしは枝野に狙いを定められてしまったようだ。ずっと、話しかけて来てるし、よく分からない呪文にしか聞こえないってくらいに趣味とか星座とか聞いてないことを勝手に唱えて来る。はいはい、どうでもいい、どうでもいい。


 で――


 そこそこ楽しめた会は解散となり、まとめて会計……のはずが、例の枝野が空気を読まない発言をした。


「すみません、割り勘とかまとめ払いだとお釣りがもらえないし、1円単位で計算しないと思うので僕だけ個別払いでいいですか?」


 はぁ? 何コイツ……まさかこんな会で1円単位のドケチ男に出会えるとは思わなかったな。予想通りだけど、他の人たちは明らかにわたしと同じような表情をしていた。


 にもかかわらず、本人はもの凄くニコニコ顔をしていて、みんなから注目を浴びたイコール人気者だと大いに勘違いをしたらしく、参加者みんなに笑顔を振りまいている。


 そして私には信じられない告白をしてきた。しかも会計の場で。


「すっごい楽しかったですね! ユーカリさん、僕はあなたのことが好きになりました! この場で返事が欲しいです。お願いします!」




 えーーと……これは何? 何かのやらせ? 肉と酒しか見ていなかった私によくもまぁ、こんな告白が出来たものだわ。ある意味で尊敬する。


「ごめんなさい」


 一言しか言えないし言いたくない。案の定、枝野はみんながいる前で大泣きをして、取り出したケータイでママに報告をしている。


「ママ、ぼく、女の子にフラれちゃったよ……どうしてかな。ボク、ずっと楽しく話をしていたのに。こんなことなら恋なんてしない方がマシだったよ」


 見た目年齢推定30歳前後の男。おそらくマザコン。せっかく美味しく酒とカルビを頂いたのに、マザコン枝野に全部持って行かれた感じ。


 大体、恋ってフラれるのも恋じゃん。フラれるのが怖くて好きになるかっての! あんなダメダメすぎてケチケチ男に好かれるくらいなら酒に生きる方がマシ。


 真面目な事を言えば、例えフラれたって何したって、何度でも好きを再生するし、古い恋を壊して新しく生きればいいんだから――

前回のお話とうって変わり、今回はコメディ要素のお話でした。

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