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夢見た正義の行く末は  作者: よの たろう
運命の交差点
6/10

第六話 ただまっすぐに

「オンユアマーク、セット」


パンッ!!


スタートの合図と共に、全力で走り出す。様々なメニューをこなしてから1番最後に行うこの100m走。たまりにたまった乳酸。全身に酸素を運べと心臓フルバクバク。今にも太ももがはち切れそうだ…。だがおれはここで限界を超える!!


GOGO赤嶺!!かっこいい〜♡


おれには見える…!ゴールで待ってるかわいいチアガールが…


「赤嶺のタイム、11秒36、自己ベストから1秒オーバーだからペナルティな」


「はぁはぁ、おい…おまえの、ふー。おまえの辞書に慈悲という言葉はないのか、高橋…」


「そいつはないが愛のムチという言葉にマーカーを引いてる。観念しな。」


「あーあ!!かわいいかわいいマネージャーさんがいたらな!!『ふふ、甘えん坊さんね♡』って言って見逃してくれるだろうにな!!」


「赤嶺くんの走る姿素敵♡」


「おし、おれ、がんばる♡じゃねぇよ!おまえに言われても嬉しくねぇんだよ、くそがああああ!」


叫びながら走っていく彼の後ろ姿は見ていて悲しかった。きっと全米が少し泣くくらいの悲しみを背負っている。スタート地点に戻って「彼女が全力で欲しいです!」と叫んでいるのはさすがに引いた。


部活が終わり、おれは家へと帰った。テーブルの上に広げたままのバラバラになったモバイルバッテリーを片付けて、買ってきたカップラーメンを食べる。


(今日は苦労したな。)


作業をはじめたのは起きてすぐの朝3時。一つ目のモバイルバッテリーは全てバラバラにして構造を調べ、二つ目で試行錯誤して、発火を狙っていたが、煙が出るくらいにはいじれるようになった。そして三つ目を細工をし、岩田のと交換した。朝までかかったからな。部活もこなしてへとへとだ…。


だがこれで、岩田はもう学校へはこれないだろう。他のやつをいじめるやつは悪だ。悪は排除しなければならない。それがおれの使命なんだ。


(洗濯物は明日やろう…。)


おれは古びた毛布にくるまり、目を閉じた。




次の日の朝、天気予報とは裏腹に空一面を黒くて厚い雲が覆っていた。

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