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夢見た正義の行く末は  作者: よの たろう
運命の交差点
3/10

第三話 その手に掴む

次の日、おれはいつものように学校へ行った。教室へ行くと、クラスメイトと挨拶をかわす。

「おはよう!」谷垣 あさひ さん が明るい笑顔で挨拶をくれる。だれとでも仲良くなれる彼女の人の良さは、たちまちクラスの人気者へと押し上げた。いつものように挨拶を返し、席へと向かう。隣の席の本田くんは弱気でいつもいじめられている。特に素行の悪さで目立つ岩田 敦也が標的にしている。強者が弱者を虐げるのはいつの世も変わらない。



まずは体育の時間。


男子は教室で、女子は更衣室で着替えて体育館へ移動する。授業をまともに受けない不良グループでも体育だけはまともにやろうとするから不思議だ。有り余る体力があるなら喧嘩でもして潰し合ってくれればこっちとしては楽である。

今日はバスケをする。得意なわけじゃないが好きなスポーツだ。みんなもやる気が無駄に溢れていて、時に激しくぶつかりあって怪我も多い。おれはそんなドジはしない!ボールで突き指をしてしまうことがあるだけだ。突き指をした指をさらに突き指なんてださいこともたまにしかないさ!!ふはっ!!!


チーム分けが終わり、男子と女子それぞれ試合がはじまった。数チームの中、1組しか試合ができないので、試合の順番がくるまで脇で休んでいる。俺はこのあとのことを考えて、タイミングをうかがっていた。


「ボールよこせや!」


荒々しい口調で叫んでいるのは岩田だ。プレーもほぼほぼ体当たりで危なっかしい。ボールを受け取り、まっすぐ相手のリングへ突っ走る。


「どけどけぇぇぇ!」


「うわぁああ!?」


へんな声をあげながら岩田にびびり転んだのは本田くんだった。岩田はそれを飛び越えながらレイアップをしたが、シュートは外れた。


「お前が邪魔なんだよ。まじピキッたわ。」


※ピキるとは岩田の口癖、漫画のキレた時のピキピキからきてると思うが、はっきり言ってダサい。


「ご、ごめんなさい。」

すでに涙声の本田くんは必死に身を守ろうとする。胸ぐらを掴まれ、今にも殴られそうだ。そのとき、「お前ら!何してる!」と、すかさず体育の先生が止めに入ってなんとか収まった。これがこのクラスの日常である。


(これが日常だなんて、間違っている。不良は悪だが、先生は正義ではない。守ってはくれるが常にではないし、正義というものは悪を成敗しなければならない。)


岩田たちの試合が終わり、おれのチームの試合がきた。おれは怒りを抑えて冷静にいつものようにバスケを楽しみ、今日も突き指した。


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