⑧ もしも父親が博物館で働いていたら〜結末
ー帰宅後 自宅にてー
『父さんの展示物って何がきっかけだったんだよ?』
『いやぁ、友達の紹介でね。動かないだけで給料もらえる仕事あるって言われてね。』
『その友達は何やってんの?』
『人間の進化の過程やってるな。確か2番目だったような。』
『そこは最後の人間パートでいいだろ。なんで、原人やってんだよその友達。』
『まぁ、結構自由な職場だからな。』
『いや、体の自由効いてねえだろうが。思いっきり不自由じゃねえか。』
『給料もいいんだよ。月200万なんだ、俺。』
『おい、すげえな!マジで!?』
『でも、1動きでマイナス5万なんだよな、今月は35回動いたから、マイナス175万円。』
『何その恐ろしい減額。もはや、狂気を感じるわ。』
『おいおいそんなこと言うなよ、息子よ。俺は楽しいんだ、この仕事が!皆笑顔で働いてるよ。』
『いや、展示物の父さん、ちゃぶ台ひっくり返してたけど。めちゃキレてたけど。』
『渾身の表情だろ。これが、認められて去年
なんとあの!展示物オブザイヤーをいただいたんだ。』
『いや、初耳なんですが?何その物凄く競争率低そうな賞。』
『何言ってんだ!展示物としてこれほど名誉なことはないんだぞ!』
『そ、そうなんだ…。まぁ、その頑張ってくれよ、今後も。』
『な、なぁ?息子よ。』
『ん?』
『俺の仕事継いでくれる???』
『父さん…』
『ん?』
『絶対嫌だ。』
『ん…んんん。ばっかもーーーん!』
そこでちゃぶ台をひっくり返して以来、父は翌日の朝まで動くことがなかった…。
結論:茶番オブザイヤー