⑦もしも父親が博物館で働いていたら〜序章〜
『なぁ、そういやさ、父さんって何の仕事してんの??』
『え?知らなかったの?父さんね、博物館で働いてんのよ。』
『え!マジで?すげぇ!!今度観に行こうっと!』
ー数日後、博物館にてー
『なあなあ、お前の父さん博物館で働いてるってマジ??』
『マジだよ、マジ。ここの博物館。』
『何してんの?お前の父さん。』
『…あ、そういや聞いてなかったな。あれじゃね?ツアーとかしてんじゃない?』
『何だよ聞いてねえのかよ。でもすげえなぁ。
羨ましいなぁ。』
『へへへ、いいだろー?』
ー2時間後ー
『なぁ、本当に働いてんの?隅々まで見たけど、どこにもいないじゃん。』
『うーーん。おっかしいなぁ。何処にいるんだろ。』
『もう1回回ってみるか…。』
ー15分後ー
『あのさ、ごめん変なこと言うわ。聞いてくれる??』
『いいよ、聞く。』
『この「昭和の一家」って展示物さ…』
『うん。』
『…これ、え…これ、人じゃね?』
『人だね。…てか、この父親さ、これ…俺の父さんだ』
『え、待って。お前の父さん。え?何?展示物?紹介する方じゃなくてされる方?』
『いや、え、そんなまさかぁ。展示物って。』
『我が息子よ…』
『と、父さん…』
『展示物…40年やってます。』
『ま、マジですか…。』
結論:博物館に展示される父親…続く