⑩ もしも魔法が使えたら〜なんでこんな魔法!?編〜
『俺さ』
『なに?』
『魔法使えるんだよねぇ、実は』
『…急に非日常なことを言わないでくれる?』
『ねぇ、知りたい?』
『何が?』
『どんな魔法使えるか知りたいっしょ?』
『とりあえず、君の頭に何があったのか知りたい』
『おーい!俺の魔法!知りたいでしょ?』
『分かったよ、知りたい。知りたいよ』
『よしきた!私の魔法は…』
『うん』
『なんと!』
『はい』
『なーんと!』
『はやく言って』
『そう!私の魔法は!』
『はいどうぞ』
『セロハンテープの粘着力をなくす魔法だ!』
…
…
…
『…あ、ごめん。あれ?気のせいかな。もう一度言ってくれる?』
『いや、もうちゃんと聞いとけよー。
だーかーら!セロハンテープの粘着力をなくす魔法だ!』
『えー…と。うん。それは…ペタペタやってれば誰でも使える魔法なのでは?指でペタペタしてれば、誰でも「テロテロリン」できるのでは?』
『それがな、俺はさ、ペタペタしなくても、眼力だけで粘着力をなくせるんです』
『うん。そっか、うん。魔法だとしてもね?
あのさ、それってさ、いります?』
『いや、ポスターとかでもね、見るだけで剥がれちゃうんだよ!凄くない?』
『うん、あのさ、それってさ、凄く迷惑だね?
地味な嫌がらせの真骨頂だね?』
『そうかなぁ?俺は結構気に入ってるんだけどなぁ…』
『…その魔法の名前とかあんの?』
『この魔法の名前はね…』
『もう溜めなくていいからね?スッと言って』
『実は…』
『あれ?聞こえてるかな?』
『なんと…』
『溜めないって意味分かります?ねぇ?』
『私の魔法は…』
『よし、もう帰るよ?いいよね?帰るからね?』
『さぁいくよ!私の魔法は…』
『はい帰ります!帰りまーす!』
『私の魔法は、「ペタペタ」と言います!』
…
…
…
…
…
…
『いや…ペタペタしないんだろ?』




