甘党王子にご注意!
私、雨宮林檎、16歳。伸長は156cmで、体重は・・言えません。
お菓子を作ったり食べるのが大好きな高校生1年生です。
今日は調理実習があって、マフィンを作りました。
プレーンとココアの二種類です。
ふわっとしてて、とてもおいしそうにできました!よし!いつものとこで食べましょう♪
「やっぱりここは落ち着きますね…」
私が来た所は裏庭にあるベンチ。
たまに小鳥さんとかいてとっても癒されるんです。
「でわ、いただきま…」
「…誰?」
「…え?」
その声がした方にバッ!と勢いよく後ろを向くと、
ふわふわな猫っ毛のミルクティー色の髪に、晴れた日の大空のような水色の瞳…っ!
「ほぇっ!ほっ…北条先輩!?」
この人は北条理久先輩。
この秋葉高校の王子様と呼ばれ、
モテモテで1日に1回は必ず告白されているという…って!
「っすすすみません!今すぐどっかいきますんで!失礼します!!」
「…まって」
慌ててベンチから立って帰ろうとしたら、先輩が腕を掴んで抱きついてきた。
そして髪に顔を軽く当て、
「あまいにおいがする…おいしそう…」
…っふぇぇぇぇええええ!!
なっ何事ですか!?どうしてこんなことに!?
あまいにおい?あまい…はっ!
「あの、もしかしてこれ…ですか?」
手に持っていたマフィンを持ち上げると、ぐるんっと先輩の方に体を向かされまされました。
そして先輩はじ~と瞳を輝かせてマフィンを凝視しています。
それはもうじーっと。じー…
「あの…よろしければ何ですが、食べますか?」
ぱぁぁぁぁぁ!っと弾けるような笑顔にこくこくっ!と首を縦に降る先輩を見て、
なぜか我が家のはちみつ(ゴールデンレトリバー)が脳裏に浮かび上がりました。…可愛い。
さっきのベンチに共に座り、マフィンを食べることにしました。
むぐむぐと食べる先輩が可愛くて見ていると、先輩が私を見て不思議そうな顔をして
「きみはたべない…の?」
「はぅっ!あわわ、たっ食べます!」
先輩をじっと見てて、食べるの忘れてたー!
私は誤魔化すようにマフィンを手に取り、どれから食べようと悩みました。
う〜ん…えっと、じゃあまずはココア味から!
「いただきます!」
パクっ…もぐもぐ…っ!
「はわぁ~、美味しいです♪」
うん!やっぱり今日の出来はよかったです。
今度は抹茶の味や、チョコチップなど入れたやつを作りましょう!今から楽しみです♪
「~♪」
もぐもぐと幸せ絶頂の私の方を見て、クスッ、と笑った先輩が顔を近づけてきました。
どうしたのかなとその顔をじっと見つめていたら…。
ペロッ
(…え?)
「ん…ついてた、よ…」
今…今、くち…に…っ!!
「あまい…ね」
「…っひやぁぁぁぁぁ!!!!////////」
ーこの出会いが私の、甘い甘い恋の始まりでしたー
雨宮林檎
16歳。ぽっちゃり女子。
趣味はお菓子を作ることと食べること。
北条理久
18歳。甘党男子。
趣味は食べること。