第55章 言葉のレトリック
■洋館・食堂(早朝)
チュン、チュン……。
窓の外で小鳥がさえずる頃、宗方は音もなく自室を抜け出し、食堂へと向かった。
(……さて。大人数での共同生活、朝の準備は戦争でしょうからね)
宗方が食堂のドアを開けると、そこには既にエプロン姿で腕まくりをしている幸田美咲の姿があった。
「あ……。おはようございます、宗方さん」
「おはようございます、幸田様。……早いですね」
二人は挨拶を交わし、そして同時に目の前の光景を見て——深くため息をついた。
「……はぁ」
テーブルの上は、昨夜の宴の残骸で埋め尽くされていた。
空き瓶、汚れた皿、スナック菓子の袋。
まるで嵐が過ぎ去った後のようだ。
「……これは。毎回、こうなのですか?」
宗方が呆れ気味に尋ねると、美咲は苦笑いしながらも、力強く頷いた。
「はい! 毎回です!」
美咲は、汚れた皿の山を前にして、凛と胸を張った。
「でも、いいんです。
皆さんが戦いで傷ついて帰ってきた時に、温かいご飯でお迎えすること。
そして、次の日も元気にお仕事ができるように、この場所を整えること……。
それが、私の『お仕事』ですから!」
美咲はゴム手袋をパチンと鳴らした。
「ここは……私の『戦場』でもあるんですよ!」
その健気で力強い宣言に、宗方はフードの奥で目を細めた。
(……強い方だ。守られるだけの姫ではないのですね)
「……ふふっ。承知いたしました」
宗方は袖をまくり、ウインドブレーカーを脱いでエプロン姿になった。
「では……私も今日から、貴女の『戦友』にさせてくださいね?」
「えっ? ……はい! 喜んで!」
美咲が花が咲いたように笑う。
「では、作戦開始です」
シュンッ! シュンッ!
テーブルの上のゴミや空き瓶が一瞬で消え、ゴミ捨て場の指定袋の中へと転移していく。
汚れた皿はキッチンへ、食べ残しは冷蔵庫へ。
物理法則を無視した超高速の片付け。
「すごいです宗方さん! じゃあ私は洗いますね!」
美咲も負けじとスポンジを握る。
二人は並んでキッチンに立ち、大量の食材と格闘を始めた。
「宗方さん、お味噌汁の出汁、煮干しでいいですか?」
「ええ。六名様が喜びます」
「分かりました! 卵焼きは甘めとしょっぱめ、両方作りますね!」
「助かります。……清原さんはしょっぱいのが好きですから」
カチャカチャ、トントン。
穏やかな会話と調理の音が、朝の洋館に響く。
それは、かつて敵対していた者同士が、同じ釜の飯を作るという奇跡の光景だった。
■洋館・食堂(数十分後)
「ふわぁ……。いい匂い……」
「おはようございます……」
香りに誘われるように、サラやアレックス、谷、白川、田治見といったメンバーが次々と起きてくる。
「おう、おはよう! 朝から精が出るな!」
別館(旧使用人棟)で寝泊まりしていた黒田たちK-Securityの面々も、眠い目をこすりながら食堂に入ってきた。総勢30名以上の大所帯だ。
そして——。
シュンッ!
「おはよう! ギリギリだな!」
「腹減ったぞー!」
空間が歪み、出勤組の髙橋俊明、鈴木浩三、そして東義昭が到着した。
「おはようございます! 全員揃いましたね!」
美咲が大皿を運ぶ。
全員が席につき、配膳が進む中、宗方はふと手を止めた。
人数を数える。……二人、足りない。
「……おや?」
宗方は眉をひそめた。
「どうした宗方?」
鈴木が聞く。
「申し訳ありません。……六名様と清原さんが、まだ起きてきていないようです」
「あちゃー。寝坊か?」
「はは、大物だねぇ」
宗方は「少々お待ちください」と一礼すると、その場から掻き消えた。
シュンッ!
数秒後。
シュンッ!!
「むにゃ……? あれ? ご飯……?」
「うぉっ!? い、いきなり飛ばすんじゃねぇよぉ……」
パジャマ姿で目をこする六名と、寝癖で爆発した頭の清原が、それぞれの席に強制転移させられていた。
「……ふふっ」
「強制連行ね」
その微笑ましい光景に、食堂のあちこちから笑みが漏れる。
「あ……。おはようございます、皆さん……」
六名が恥ずかしそうに頭を下げると、清原も慌てて襟を正した。
「す、すんません! 寝坊しました!」
全員が揃ったのを確認し、上座の東が立ち上がった。
場の空気が少しだけ引き締まる。
「……おはよう。
今日から、新たな体制での業務が始まる」
東は、対策局メンバー、K-Security、そして六名たちを見渡した。
「かつてない大所帯だ。指示系統の混乱や、トラブルもあるだろう。
だが……我々の目的は一つだ。この国の治安と、平穏を守ること。
互いに協力し、補い合ってやっていこう」
東の短い訓示に、全員が力強く頷く。
「では……」
東が手を合わせた。
「いただきます!」
「「「いただきます!!」」」
合唱と共に、箸が一斉に動く。
六名は、まだ少し眠い目をこすりながら、ほかほかの白飯を口に運んだ。
(……美味しい)
目の前には、かつて敵対していた東さんや音無さんがいる。
憧れていた「正義の味方」たちと、こうして同じテーブルでご飯を食べている。
(……夢みたいだ)
六名は、隣でガツガツ食べている父(清原)と、給仕をしてくれる宗方を見て、胸が熱くなるのを感じた。
(僕も……頑張らなきゃ。
そして信じよう…僕の基準の掃除じゃなくて……みんなの基準で…)
六名は卵焼きを頬張り、決意を新たにした。
最強のチームの、騒がしくも希望に満ちた一日が始まろうとしていた。
■洋館・指令室
「Target confirmed(ターゲット確認)。C-2エリア、暴れる男あり」
サラ・コッホの指がキーボードを叩く。
彼女の背後には、六名と宗方がパイプ椅子に座り、モニターをじっと見つめていた。
「よし。鈴木さん、出番です」
宗方が立ち上がり、待機していた鈴木浩三と、K-Securityの黒服たちに視線を向ける。
「——『方』」
シュンッ!
宗方の思考一つで、鈴木たち現場班がモニターの中の現場へと転移する。
数分後、鈴木が犯人を無力化し、黒服たちが確保する映像が流れると、六名はパチパチと手を叩いた。
「すごい! 早いねぇ宗方!」
「恐縮です。……おや?」
サラが別のモニターを指差す。
「Alert(警告). D-5エリア。……これは強力ね。『雷』を操る覚醒者よ。被害が拡大してる」
「……私が参りましょう」
宗方がウインドブレーカーの襟を正した。
「相手が強力な場合、私の『体』で盾になりつつ制圧するのが確実です」
「えぇ……。宗方が行くの?」
六名が心配そうに眉を下げる。
「怪我……というか、壊れたりしない? 大丈夫?」
「ご安心ください、六名様」
宗方は、フードの奥で優しく目を細めた(ように見えた)。
「私の体は頑丈です。それに、六名様が待っておられるなら……必ず、すぐに帰ってきますよ」
「……うん。約束だよ?」
「はい。……行ってきます」
シュンッ!
宗方が現場へ向けて消失した。
「さて……。宗方がいない間は、僕が頑張らないとね!」
六名は居住まいを正し、サラの指示を待った。
プルルルル……。
相談窓口の電話が鳴る。
「はい、こちら対策局!」
受話器を取ったのは、谷雄一だ。
「……なるほど、覚醒者による水道管破裂のトラブルか。場所は……了解!」
谷は受話器を置き、振り返った。
「六名君! E地区の工事現場だ!
人手がいるらしい!」
「勅使河原さん、お願いします!」
六名が声をかけると、勅使河原はニカっと笑い、力こぶを作った。
「おう、任せとけ!
覚醒者も水回りのトラブルも、このジイちゃんの手におえねぇもんはねぇよ!」
待機スペースから、作業着にヘルメット姿の勅使河原州宏——かつての組長が、意気揚々と立ち上がった。
「頼もしいなぁ。……じゃあ、送りますね!」
六名はモニターの地図を睨み、意識を集中させた。
(——『方』! 転移!)
シュンッ!
勅使河原と、数名のK-Security社員が一瞬で消え、次の瞬間にはモニターの中の現場に現れていた。
「Arrival confirmed(到着確認)。……完璧ね」
サラが感心してコーヒーを啜る。
「あなたたちの転移、タイムラグが無さすぎて怖いくらいよ」
「えへへ。役に立てて嬉しいよ」
指令室は、かつてないほどスムーズに回っていた。
恐れられていた指揮系統の乱れもなく、六名と宗方の加入は、対策局の処理能力を数倍に引き上げていた。
■市街地・住宅街
一方その頃。
華々しい活躍を見せる本局とは裏腹に、髙橋俊明と白川真純は、重い足取りで住宅街を歩いていた。
「……はぁ。次、行きますか」
「はい……。めげずにいきましょう」
二人は、東から渡されたリスト——名前に『清』や『斎』を持つ市民の住所録——を片手に、一軒一軒インターホンを押して回っていた。
目的は、新設予定の「特定覚醒者収容施設」で働く、無効化能力者のスカウトだ。
ピンポーン。
「はい?」
インターホン越しに主婦の声。
「あ、突然恐れ入ります! 私、内閣府直轄・覚醒者対策局の髙橋と申します!」
髙橋が営業スマイルで名刺を出す(カメラには映らないが)。
「実は、お宅様に覚醒者の方はいらっしゃいませんでしょうか?
もし能力をお持ちでしたら、是非とも国のために……」
『結構です! うちはセールスお断りなんで!』
ガチャン!
「……あうぅ」
髙橋が肩を落とす。
「……次、行きましょう」
白川が励まし、次の家へ。
ピンポーン。
「……覚醒者? ああ、俺だけど。何?」
ジャージ姿の男性が出てきた。
「……! 実はですね!」
白川がパンフレットを広げる。
「公的機関での採用のご案内です!
勤務地は都内地下施設。業務内容は『座っているだけ』の簡単なお仕事!
なんと、3交代のシフト制で、通勤時間は『転移』を使うので0分!
お給料は手取り月30万円スタート! もちろん賞与あり、年間休日は110日以上です!」
男性は怪訝な顔でパンフレットを見た。
「……通勤時間ゼロ? 手取り30万? 座ってるだけ?」
「はい! ホワイトな職場ですよ!」
「……怪しすぎるだろ。新手の闇バイトか? 宗教か?」
「い、いえ! 国の仕事でして……!」
「帰れ帰れ! 通報するぞ!」
バタン!!
「……ですよねぇ」
白川が遠い目をする。
「条件は破格なんですけどね……」
髙橋が頭を抱える。
「『転移で通勤』とか『能力を消す仕事』とか、一般の人からしたら怪しさ満点ですよ……」
「でも、東先生の計画には、彼らの力が必要不可欠です。
……諦めるわけにはいきません」
「ええ。……次、行きましょう。隣町まで飛びますよ」
髙橋が白川の肩に手を置く。
シュンッ!
一瞬で数キロ移動し、また次のチャイムを鳴らす。
その地道な努力は、涙ぐましいものだった。
「……はぁ。本部は今頃、華麗に事件を解決してるんだろうなぁ」
「比べちゃダメですよ髙橋さん。……私たちには、私たちの戦場がありますから」
洋館での鮮やかな連携の裏で、二人のスカウトマンだけが、手応えのない壁にぶつかり、焦りを感じていた。
「お願いします! 話だけでも! 怪しいものではありません!」
彼らの悲痛な声は、今日もインターホン越しに虚しく響くのだった。
■洋館・食堂(夕食時)
「Cheers!(乾杯!) 今日は最高のスタートだったわね!」
夕食の席で、サラ・コッホがグラスを掲げた。今日の指令室の回転率は、対策局始まって以来の最高記録を叩き出していた。
「えへへ、乾杯!」
六名もジュースの入ったグラスをカチンと合わせる。
「Amazing. 正直、ここまでとは思わなかったわ」
サラが感嘆のため息をついた。
「あなたの転移、タイムラグがほぼ無いもの。現場到着まで平均3秒? ありえない数字よ。おかげで被害は最小限、エージェントの負担も激減だわ」
「俺たち現場組も助かった」
アレックス・ターナーがビールを煽る。
「移動の疲れがないってのはデカい。常に万全の状態で突入できるからな
勅使河原さんもすごい活躍だった」
勅使河原州宏が、隣に座る六名の肩をバンバンと叩いた。
「覚醒者が水道管破裂させた現場に六名が転移してくれたんだよな!
俺が到着した時まだ覚醒者が暴れていたんだが、『河』で水をコントロールしながら『使』で壊れた瓦礫をゴーレムにしてすぐとっ捕まえてやったぜ!
その後溢れた水も風呂場に入れてたら水道局の人たちが来てくれてよ!
へっ、いい連携だったじゃねぇか、相棒!」
「えへへ……それほどでもないよぉ」
六名は照れくさそうに頭をかいた。自分の力が、壊すためではなく、直すために、守るために使えた。その実感が何よりも嬉しかった。
「いえいえ、六名様の的確な転移があってこそです」
宗方が、六名のグラスにジュースを注ぎ足しながら恭しく言った。
「私は六名様の指示に従い、手足となって動いただけに過ぎません。今日の成果は全て、六名様の頑張りによるものです」
「もー、宗方はすぐ僕の手柄にするんだから! 宗方も雷を扱う覚醒者を一瞬で戦闘不能にするの凄かったよ!」
「もったいなきお言葉です」
互いを称え合う少年と人形、そしてそれを囲む対策局のメンバーたち。
食卓は、かつてない活気と笑い声に包まれていた。
その喧騒から少し離れた席で、音無賢人は静かに箸を動かしていた。
(……本当に、馴染んでやがる)
賢人の視線の先には、勅使河原のジョークに腹を抱えて笑う六名の姿があった。
数日前まで、互いに殺意を向け合っていたとは信じられない光景だ。
(……まあ、これでいいのかもな)
賢人は小さく息を吐いた。
復讐心は消えていない。だが、彼がこうして人間の顔で笑い、その力で誰かを救っているのなら……少なくとも、最悪の事態は回避できている。
賢人の胸の中にあった鉛のような重りが、ほんの少しだけ軽くなった気がした。
「……音無君」
不意に、隣から心配そうな声がかけられた。幸田美咲だ。
彼女は賢人の顔を覗き込むようにしていた。
「大丈夫?」
美咲は、賢人が無理をして感情を抑え込んでいるのではないかと、ずっと気にかけ続けていた。
「……いや、大丈夫だ」
賢人は少し驚いて、それから微かに口角を上げた。
「ただ……あいつらが、思ったより上手くやってるなって、そう思ってただけだ」
「……そっか」
美咲はホッとしたように微笑んだ。
「よかった。音無君が少しでも安心できたなら、今日の晩ごはんは大成功だね」
美咲は、賢人の皿にそっと鶏の唐揚げを追加した。
「いっぱい食べてね。明日も頑張らないと」
「……ああ。ありがとう」
一方、そんな賑やかな食堂の片隅で、お通夜のような空気を纏っている二人組がいた。
「…………はぁ」
「…………うぅ」
髙橋俊明と白川真純だ。二人の皿の料理は、ほとんど減っていない。
「……今日もダメでしたね、髙橋さん」
白川が力なく呟く。
「20件回って、話を聞いてもらえたのが0件。インターホン越しに怒鳴られたのが5件。警察に通報されかけたのが2件……」
「……自信を喪失しました」
髙橋が眼鏡を外し、両手で顔を覆った。
「本部の皆さんは大活躍なのに、僕たちだけ成果ゼロ……。
条件は破格のはずなのに、どうして誰も信じてくれないんでしょうか」
「やっぱり、いきなり『国の仕事で転移通勤』は怪しすぎたんでしょうか……」
二人は顔を見合わせ、深いため息をついた。
「でも……諦めるわけにはいきませんよね」
髙橋が顔を上げた。
「東先生の計画には、彼らの協力が不可欠なんです。ここで僕らが挫けたら、計画が頓挫してしまう」
「はい。……明日も頑張りましょう、髙橋さん! 私たちには根性があります!」
白川が自分を鼓舞するように拳を握る。
「ええ。……ですが、このまま同じやり方を続けても、結果は同じ気がします」
髙橋は冷静に分析した。自分たちの真面目さや誠意だけでは、突破できない壁がある。
「……東先生に、相談してみませんか?」
「そうですね。……指揮官の知恵をお借りしましょう」
二人は意を決して席を立ち、食後のコーヒーを飲みに自室へ戻ろうとしていた東義昭の後を追った。
■洋館・廊下(東の個室前)
「……なるほど。状況は理解した」
廊下で二人から報告を受けた東は、腕を組み、呆れたようにため息をついた。
「君たちは馬鹿正直すぎるな。
いきなり見ず知らずの他人が『好条件の仕事』を持ってくるなど、現代日本では詐欺師の手口そのものだ。警戒されて当然だろう」
「うっ……。おっしゃる通りです」
髙橋が縮こまる。
「では、どうすれば……」
白川がすがるような目で東を見る。
東は眼鏡のブリッジを指で押し上げ、冷徹に告げた。
「入り口を変えろ」
「入り口、ですか?」
「そうだ。人間は『何かを奪われる(労働させられる)』と思うからドアを閉めるのだ。
ならば、逆を提示しろ。
『国が貴方に金を払いたがっている』とな」
東は懐から、内閣府の公印が押された封筒の束を取り出し、二人に手渡した。
「これは……?」
「明日からは、こう切り出せ。
『貴方は特殊能力保持者として認定されました。つきましては、国の管理下に入ることで、年間数百万円の特別支援給付金と、大幅な減税措置が受けられます』……とな」
「えぇっ!? そ、そんな嘘を……!」
白川が驚愕する。
「嘘ではない」
東は平然と言い放った。
「採用すれば給料を払うのだ。それを『給付金』と呼び変えたに過ぎん。
多少のレトリック(言葉遊び)は政治の基本だ。
……まずはドアを開けさせ、座らせろ。話はそれからだ」
東の目が怪しく光った。
「そして、席についたら……今度は『情』に訴えろ。
彼らは能力者ゆえの孤独を抱えているはずだ。
タブレットで、楽しそうに食事をしている六名君たちの映像を見せてやれ。
『ここは、能力を隠さなくていい唯一の居場所です』とな」
「……!」
髙橋と白川は顔を見合わせた。
アメ(金)で釣り、居場所(情)で絡め取る。自分たちには絶対に思いつかない、老獪な政治家の手口だった。
「……勉強になります、東先生」
髙橋が深く頭を下げる。
「明日から、その作戦でいきます!」
白川の目に光が戻った。
「うむ。期待しているぞ」
東は二人の背中を見送りながら、ニヤリと笑った。
(やれやれ。清廉潔白なだけでは、この国は救えんよ)
新たな武器を手に入れたスカウト部隊の反撃が、明日から始まる。




