0001 接続
ガキの頃。
俺はカードゲームがクソ好きだった。
簡単に勝敗がついて、楽しく手軽に遊べるワンカードから始まり、ブラックジャック、テキサス・ホールデム、そしてカジュアルに楽しめるインディアン・ホールデムまで。
全部が俺のテリトリーだったな。
年を食って、時間がないなんて言い訳と共に、自然とカードへの情熱が冷めていった頃。
あるバーチャルゲーム会社のゲームが、世間をまたもやブチ上げた。
「こんなゲームにもプロゲーマーがいるんだと?」
ユーザーたちの間で、冗談半分で自分の悪い運を自虐したり、誰かが享受しているヤバいほどの幸運に嫉妬しながら、頂点を目指して自分たちもハマり始めるという魔性のゲーム。いつの間にか名作の仲間入りを果たし、称賛されるそのゲームの名は。
他でもない**『ファンタジア・オブ・カード』。
気づけばユーザー数5億人を突破した世界的ゲームは、一つのスローガンを掲げている。
それは、カードで構成された「デッキ」を手に、大陸を旅するゲーム。
リリースされてからそこそこ長い時間が経っているが、コンスタントなアップデートで今も愛され続けている**ゲームだった。
今日はシーズンアップデート13.0vが来る日。
俺は高まる期待を抱きながら、夜勤バイトを終えて家に帰宅した。
『ピピピッ! 新しいアップデート項目があります。』
『確認しますか?』
「おう、確認してくれ。」
新しいニューメタ・バーチャル機器である**『アンドラ』が起動音**を立てて作動した。
『New 新大陸「和」国が追加されました。』
『自由属性が生成されました。』
『デュエルの形式がより自由になります。』
『守護者たちの均衡が危うくなりました。』
『神のカードの行方がわからなくなりました。』
『亜種族たちの侵攻が差し迫っています。』
『科学技術の進化がさらに優れています。』
『主人公以外のキャラクターのボリュームが増しました。』
『悪役たちが枠を破って進化します。』
『アイテムの機能が大幅に拡張されました。』
『調整可能な数字が増えました。』
『より詳細な情報は「New」をご確認ください。』
「うおお。」
どう見てもとんでもないボリュームだった。
すでにコミュニティでは、『ファンタジア・オブ・カード』の「第4の全盛期」だと話題になっているほどに。
俺はのんびりと席につき、横になる。
仮想ヘルメットを被り、
接続した。
そんな俺の機器に、一瞬だけ魔法陣が形成され、スパークが散った。
――バチッ。
――人類連合の未来は、あんたの手に。