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空想配達便  作者: 月蜜慈雨


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9/11

夢を叶えたい話




 こんな都市伝説がある。もし検索サイトに、空想配達便と検索したら、強く願った人にだけそのサイトが現れ、空想を配達してくれる。




 俺には夢がある。小説家になって、自分の気持ちを世の中にぶち撒けたいと言う夢が。

 公募で何度も新作の小説を送っているが、いつも最終審査で落ちてしまう。




 そんなとき、このサイトを知った。空想の中だけでも夢を叶えられたら。あとネタになるかのしれない。そう思い、俺はサイトに自分の名前と配達日を書いた。




 配達日になった。

 ピンポーン、チャイムが鳴る。

 ドアスコープで覗くと、黒装束の怪しげな男とも女ともつかない人が立っていた。

 怪しい人物だったが、これくらいが本物っぽくてワクワクする。物語の中の人みたいだ。

 手に小さな箱を持っていた。




 ドアを開けると、一夜仁さんですか?と尋ねられた。

 黒装束の姿に似合わず、若い声だった。

 もしかしたら、まだ若い人なのかもしれない。

 俺は、はい、と返事をした。

 黒装束の怪しい人は小さな箱を差し出した。

 その箱を開けると、自分が最も望む空想が見られるという。

 人によって相場は違うが、概ね30分くらいらしい。

 言葉少なく、黒装束の人はそう説明して、去って行った。




 部屋に戻って早速、箱を開けてみた。高揚が止まらなかった。

 人のガヤガヤ騒ぐ音がする。気が付くと、俺は小説の受賞パーティーに参加していた。

 とても名誉ある賞に受賞したのだ。 

 マイクの前で、震える声でスピーチをする。

 カメラのフラッシュが眩しかった。

 俺はその時初めて、自分が人生の主人公になれた気がした。

 空想はそこで終わった。





 少しぼうっとして、時計を見る。15分を経っていなかった。でも良い夢だった。

 これを夢にするか現実にするかは、俺の努力に掛かっている。

 俺はノートパソコンに向かうと、猛然と言葉を書き連ねた。




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― 新着の感想 ―
これを夢にするか現実にするかは、自分の努力に掛かっているーーそう思う主人公の前向きな気持ちが印象的です。素敵なエピソードですね。読ませていただき、ありがとうございます。
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