まるで、汗が『流れ星』のように……
その見守る存在は、非常に怪しい動きをしていた。
――著しく夜目が利き、ズボンのみだ……まだらな染みを視界に捉え、鼻息荒く身悶えていた。
基本的には野生動物が感心するほど巧妙に身を隠していたが、時折、感情の昂りを抑えきれないようだった。その巧妙さは、エリンは背筋に悪寒を感じさせることはあっても、その存在を一切悟らせなかった。
七年ほどの常習犯だったにも拘らず、だ。
この歳にして警戒心が使いものにならないのは、この人影のせいだった。
――エリンの頭の先から足の先までをじっくりと舐るように視線を這わせることがあった。
エリンの緩やかな癖っ毛は『月色の』プラチナブロンドで母親譲りのものだった。それが、剣を振るう度にキラキラと闇夜に光の尾を引いた。
大人の掌ほどの小さな足裏が、何度も、何度も、強く大地を踏みしめた。その度に、浮かべた額の汗が一滴、一滴と地面に降り注いだ。
それらは月が零した『流れ星』のようにも、星々が煌めき称えているようにも見え、その人影はその度に感嘆の声を漏らした。
『愛くるし過ぎて、美し過ぎるわ……』
そんな感想を熱い吐息とともに漏らし、いつまでも眺め続けていた。
『弱過ぎて、男らしさとは無縁すぎるね……』
エリンはそんな感想を嘆息とともに漏らし、いつも目を背けていた。
その発想はどこか似通っていた。
――エリンの成長記録を事細かにつけ、全てを正確に把握していた。
エリンは成長がないと嘆き、目を背けていたが、きちんと《うつくしく》成長していた。
歳を重ねる毎に跳ね上がり続けるその『美貌』こそが成長の証で、その影は誰よりもそれを喜んでいた。
『昔は愛くるしさの方が勝っていた。それが四月六日午前三時十六分三十秒を以って、美しさが勝るようになった。その破壊力に夜空の星々すらが霞んだ』と、成長記録は色までついた精密描写付きだった。
エリンのホクロの数どころか――まで、知っていた。
多少、正視に耐えない行動があろうとも。
多少、荒い鼻息が春の嵐を押し返そうとも。
多少、母性本能が覚醒に覚醒を重ねようとも。
誰にも見咎められようはずも無かった。
無償の愛が根底にあったからだ。
その人影は一喜一憂しながら、毎夜、見守ってきた。
五歳の時から七年間、毎日、ずっと。
エリンは一生気づかない。
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