~お昼休憩:本戦~ 3
父ベルグリンドは生粋の農夫だ。腕力では母ルティアどころか息子二人にも敵わない。だが、その気持がエリンには嬉しかった。強大なチカラを持つ母ルティアを相手に怪我だけはして欲しくなかったが、たまには父を頼りたくなるエリンだった。
なお、兄グルーノも農夫ではあるものの、『魔道具師』のジョブを授かっている。その関連スキルとして各種『魔道具』の作成や調剤・調合関連のスキルも持っていた。どこの誰の手引きかは、相手に迷惑がかかるかもしれないと、教えてくれなかったが、ちゃっかり五歳の洗礼を済ませていたのだ。
エリン自身はスキルやジョブの恩恵を必要とはしていなかったし、母ルティアがかなり教会や女神を毛嫌いしていることを知っていたので、無理を押してまで洗礼をすべきではないと考えていた。だからやり過ごしていたのだ。
今になってその機会が訪れるとは思っていなかった。ジェイコブの提案は渡りに船と思ったから、そこに乗せてもうことにした。実は少しだけ兄グルーノのことが羨ましかった、ほんの少しだけだが。
ギルドの適性診断がどのようなものかはわからなかったが、母ルティアの毛嫌いするような教会関連とはあまり関係なさそうな気がするので、そちらは折を見て家族に話そうと思ったのだ。
ジェイコブにはぜひしっかりしたサポートをお願いしたいところだ。
「おまたせ~! あら?」
母ルティアが台所から牛が突っ込まれた大鍋を片手に、戻ってきた。
生憎、二人はエリンの回復のために奔走を始めたところだった。昔から、二人はサポートに徹してくれていた。だから、今日までエリンは生き延びられている。
「兄さんと、父さん、少し準備が必要らしいから、急に飛び出していっちゃった」
「あら、そうなの? んもぅ、仕事熱心も困りものだわ!」
シレッとそんな二人をフォローする。なにせ自分のためになりふり構わず飛び出していってくれたのだ。
「あ、母さん。おかわりしてもいいかな? できれば、鍋にあるの全部。ボク、いや、オレ、今日から冒険者試験受けてるから……急いで強く、大きくならないといけないんだよ」
「まぁ! なんて立派な事……ううう。こんなに成長して……母さんは、……母さんは……」
「大げさだよね、さあ、早く! 急がないと、成分が変化して手に負えなくなるかもしれない!」
「わかったわ! たぁんと召し上がれ!」
エリンにできる最大の貢献は、目の前の大皿と大鍋に突っ込まれたモンスター退治だった。二人も多少は耐性があるが、胃袋の許容量には限界があった。その点エリンは、大きくなるために胃袋の拡張には余念がなかった。
ただ、時間の経過とともに凶悪になる毒物をエリンは知っていた。なので、手早く根菜もどきだけは処理したかった。だから、覚悟を決めた。
――ぐっ、アークバッファロー……まるまんまか……ハンバーグみたいになってるこの辺が、叩きかな……。
早くも挫けそうだった。今日はなかなかの捕れ高だったようだ。
ジェイコブは流石だと思った。明日までに消化と回復が追いつくか……今晩は夜を徹して内蔵がモンスターと戦う事になりそうだった。その前に――
「母さん、……ありがとう」
母ルティアの笑顔を見て、感謝の言葉を口にした。
料理を作ってくれたこともそうだし、色々、これまでのことも思い出しながらの「ありがとう」だった。エリンの万感の思いがその一言には詰め込まれていた。
この度は私の作品を見に来てくださってありがとうございます(o^―^o)
少しお願いなのですが、1回だけでいいので!
↓の★★★★★を押して応援してください!
それだけで、がんばれます! よろしくお願いします!
ちなみにカクヨムの方で先行して公開しております。
良ければそちらにも遊びに来てください(o*。_。)oペコッ
https://kakuyomu.jp/works/16817330648256954539/episodes/16817330648373744485




