序章 : ゲーム?スタート(チュートリアル)
読まれているか分かりませんが何方かの心にとまってくれたら良いなと思い書いてみました。
真っ暗な闇の中に一筋の光が差していた。
やがてその光が大きくなり、自然豊かな草原が広がってきた。
「あれ?昨日のゲームの続き?昨日は時間なくてキャラメイクしか出来なかったからな。システムとか全然わからないからチェックしておかないとな。」
視界の右上あたりに『メニュー』のアイコンがあるので触ってみる。
前回開いたステータスが目の前に現れた。
ハルト (男) Lv : 1 (冒険者)
HP 10,000/10,000
MP 10,000/10,000
SP 10,000/10,000
魔法 ▶︎
スキル▶︎
アイテム▶︎
+
「アイテム欄と+のコマンドが増えてるな?知らないウチにアップデートでもしたのかな?一つずつ見てみるか。」
と言って、魔法のコマンドを指で選択してみるとツリー状に表示が出てきた。
●赤魔法▶︎
●青魔法▶︎
●黄魔法▶︎
●白魔法▶︎
●黒魔法▶︎
+
属性毎に色で分別された魔法のようだ。他のゲームだと火魔法、水魔法とかって表示なのに珍しいかも。
赤魔法のコマンドを開くと「ファイア.01 / MP 2」の文字があり、魔法名と使用MP量の記載があった。
名前の後の数字には目もくれず、その他の魔法コマンドや+部分をチェックしてみた。だが、最初期レベルという事なのか「条件が解放されていません」という表示しか出ない。
「えーっと、今の段階だとバトルになったらファイアの魔法と素手のみで戦えって事か。」
経験を積んだり何かしらの条件をクリアすれば新しい魔法を覚えるんだろうと少しの不安と大きな期待に胸を躍らせていた。色別での属性の魔法なんて珍しいし。
次にスキルコマンドを選択してみる。
●翻訳▶︎
●合成▶︎
● ▶︎
+
スキルコマンドは魔法に比べて初期段階では項目少ないのがわかる。徐々に増えて行くタイプだと思い込んだ。
それぞれのコマンドを触れるが、やはりこちらも条件が解放されていない。
戦闘系スキルなんかもここで増やして行くのだろうか。魔法と素手だけじゃ物足りないし味気ないのでなるべく早めに手に入れたいものだ。
生産系スキルや鍛治スキルなども覚える事が出来るのだろうか…
続けてアイテムを選択すると他のゲームではあまり見慣れない単語や驚く物が並んでいた。
●スマートフォン☆
●HPポーション.01 / 50pcs
●MPポーション.01 / 50pcs
●ゴールド(インゴット) / 50pcs
●原石 A / 50pcs
●原石 B / 50pcs
●原石 C / 50pcs
●食料(保存食) / 50pcs
+
「ちょっ…何この特典っ!?ポーションならわかるけど、ゴールドのインゴットってよくテレビなんかで見る『あの』金塊のことだよね?なんかわからん原石とかもあるし…」
「それに、スマートフォンってスマホゲームでプレイする中でスマホ操作するのかよっ!!」
「……ん。」
ふと、違和感を感じた。
「あれ?」
スマホでプレイ?さっきからコマンドを触ってるのはスマホの画面じゃなく、目の前というか、空間?を直接触っている事にようやく気がついた。
落ち着いて自分自身や周囲を見渡してみる。
まるでバーチャル空間にいるかの様に、雲ひとつ無い澄んだ青空と大自然広がる草原のど真ん中に僕一人がいる。
自分自身の格好は、生地の厚めシャツのような薄いグレーの上着とカーゴパンツのようなポケットが少し多めのベージュのズボンに焦げ茶色の皮のブーツのような靴を履いている。
普段はTシャツにジーンズにスニーカーといったラフな物を着ているので色々と頭が混乱してくる。
「自分の顔って、どうなってるんだ!?鏡…そんなモンはないか…」
「そうだ、スマホで自分の顔を見ればいいのか。」
自分の置かれた現状を正しく理解出来ていないが、今出来る事だけを思いつきで行動してみる。
「アイテム……っと」
コマンドの『スマートフォン☆』を選択すると、手元にスマホがパッと瞬間的に現れた。
そのスマホの色、形は普段自分が使っている物と同じ物だった。不思議に思ったが、先ずは自身の容姿が気になっていたのでスマホの画面を覗き込む。
「よかったぁぁぁ…ふぅ…。って、まんま自分じゃん。どういう状況なんだこれは。」
暗い電源のついてない画面だったので正確な色味はわからないけれど見た目は自分自身だった。
安心した反面、やはり置かれた状況がさっぱり理解出来ずにオロオロしてきた。
メニューを開いて色々確認しようと試みたが特に記載はなかった。運営へのヘルプ、この世界の説明やこのゲーム?の説明など一切の表記はなかった。
勿論、ログアウトの文字も。
「そうだ、スマホが使えるなら何かヒントがあるのかもしれない。」
電源を入れると顔認証で起動した。
明らかに違う点があった。カメラアプリ、ショートメッセージアプリ、地図アプリはあるのだが、電話や色々入れていたゲームなどのアプリがないという事。
見慣れないアイコンとして『アプリ追加』という物があるが、これは無反応だった。
すると、程なくしてショートメッセージアプリに『!』のマークが点灯したので開いて見ることにした。アプリを開くと送信者名などの表記がないメッセージが届いていた。
『はじめまして、ハルトくん。突然ですが、貴方はワケあって選ばれ、この世界に召喚されました。これから『自ら切り開く道』を突き進んでください。』
『本来なら事細かにチュートリアルをするのですが、簡単なヒントを差し上げるので頑張ってみてください。』
「ちょっ!余りに端折りすぎじゃない!?放置プレーには慣れてないよっ!!」
と、一人画面に向かってツッコミをいれると、まるでコチラの声が聞こえるかのようにメッセージが入ってきた。
『少しだけ貴方の現状と経緯を説明いたします。』
ゴクリと唾を呑みながらメッセージが来るのを待つ。
『貴方のスマートフォンに『イリディセント・グランド』というアプリを我々がインストールさせて頂きました。これはコチラの世界に来る為の言わば召喚魔法による物です。』
我々?って一体誰??人のスマホに勝手にインストールできる魔法ってどれだけ万能なんだよとツッコミどころ満載だった。
『貴方がアプリを起動した事により、コチラの世界に繋がりが出来たのですが、簡単に世界を渡る事が出来る訳では無いという事をご理解下さい。』
では何で僕はここに居るんだろう…?と心の中で呟いた。
『貴方自身に生命の危険が降り掛かった時にアプリの召喚魔法が発動される仕様になっておりました。』
『つまり。貴方は現在、生命の危険に晒されているのです。』
まるで定型文ではなく、チャットをしているかのような文面が送られてきた。
ふと我に返ると、記憶が曖昧になっていた。
この世界に来る直前の記憶が薄らとしかない。
「確か、夏那と一緒に玄関を出て、自転車に乗ったよな?その後空が見えて…ん??車に跳ねられた!???まさか僕、死んだの!?」
『御安心ください。今は『まだ』生きております。肉体はコチラの世界と元いた世界と二つに分裂しておりますが、魂とも言うべき生命はリンクしております。ハルトくんの意識があるコチラの世界での生命活動が終わらない限り現世の貴方が死ぬような事はありません。』
って、もしかして、コッチの声が聞こえてる!?
『はい。聞こえておりますし、思考も読ませて頂いております。ただ、常に会話などが出来る訳ではありません。緊急時などのみコチラのメッセージアプリを使えるようにします。』
一方的かよっ!と思っているとすかさずメッセージが入ってきた。
『後々詳しい事を説明致します。今は御自身の御力を存分に発揮してこの世界を冒険してみてください。貴方だけに授けた『恩恵』を使って。』
この後、メッセージは止まってしまった。
恩恵?ってのはゴールドとかの特典って事なのだろうか?この場にずっと居ても仕方ないし、ロールプレイングゲームだと思うことにして冒険を始めてみることにした。
「ほとんどチュートリアルないじゃん…」
「現世の身体は生きてる?って事だし、元いた世界に帰れるヒントを探さないとだからな。」
「とりあえず近くの町か村にでも行ってみるとするか。」
地図アプリを開くと草原の先、この場所から南に5kmくらい離れた所に村のような地形があるので向かってみることに。
パンッ!!
っと、顔を叩き気合いを入れて気持ちを切り替えた。
「よしっ!冒険の出発だっ!!」




