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福島ファンタジー  作者: ハービー
3/3

3.バッドエンド 後編

セブさんからネクスト東日本はどうなるの?とかこのままの方向性でやれと感想を頂けたので続きを書きました。作者も何書いてるかわかんなくなってきてるので、それっぽくフワッと読んでください。直さなきゃいけない、言葉を間違えてる、など多数あります。無くさないようにあげてます。セブさんからルビを教えて貰いましたw

突如、海岸から侵攻を開始する大量の怪人達に町は蹂躙(じゅうりん)されていた。

ジャミングとネットの破壊、空に向けて広域展開した認識阻害(にんしきそがい)により

何が起きてるかわからないようにされた福島の被害は深刻化の一途(しんこくかのいっと)をたどる。各地で火の手があがり住民の救出も間に合わず福島軍は絶望していた。



しかし街や人々を守ろうとなりふり構わず暴れまわる必死なセブを見て福島軍の一部は感化されてしまう。

気持ちは伝播(でんぱ)する

共感者が現れ、支えてくれる

福島軍は反転攻勢を始めた

敵を真正面から迎え撃つ

セブと一緒に最後まで戦うと決めた。

セブの孤軍奮闘、絶対無理と思わせた前提が崩れ

福島軍も参戦して激戦が始まった






「福島ファンタジー2 後編」

デデーン






セブは以前の経験から知っている。

やり直しを使いセブが戦う事により未来改変はできたが、都合のいい使い方なんて出来なかった。

未来を小さく変えた場合でさえ歴史の修正力見たいな力によりだいたい同じ流れに、歪み(ゆがみ)が原因でより悪い方に未来は進み世界や自身にまで歪みを生じさせた。


今回は影響を受けてる人の数も範囲も多過ぎる


すでに懐かしいあの焼けるような痛みを感じ初めていた。


だけどやれるだけやらないとダメだ。


この福島の地を好き放題されるのは我慢できないし、俺らの世代が未来へ、次の世代へ残せるだけ残してやらないといけない。


だからやれるだけやらないとダメなんだ。



福島軍は必死に奔走(ほんそう)していた。


本来なら上陸作戦は日のでてる間だけで終わった。

福島軍の守備、防衛から翻して攻めに転じるのが早すぎて

甚大な被害を受け、戦闘は長期戦に入って行った。


福島軍が善戦したおかげで歴史が変わった



セブはその見た目から玄武隊に迎え入れられた。

玄武隊とは基本的に50歳以上のメンバーで構成されており、大多数が団塊世代で死なずに生き残ったエリート集団である。

セブは数十年先、未来の世界大戦を生き残った経験者であり、現在、ここの誰よりも対怪人戦のエキスパートだ。

王について情報の共有と怪人との戦い方を指南しておいた。


ケン爺さんが

「もうワシには・・・縁のない話だと思ったんだがな・・・」

と呟きながら日本刀を抜いた。

当主に名前を奪われたケン爺さんだったがまだまだ現役で戦える。

ケン爺さんはやる気満々だ。


剣聖の家系、ケンジ流最強だけがケンジの名前を名乗る事を許されている。

ケンジの名を奪われた者はトド吉などヘンテコな名前をつけられたりする。


歴代最高傑作と言われる最強の現当主ケンジは5代目、朱雀隊に所属している。こっちは期待していいだろう。


だが玄武隊にいるケン爺さんも腕は確かだが、未来の戦争で爆散してる。今度こそ守ってやらないといけない。


玄武隊はこの人懐っこく接してくる怪人に多少困惑していた。

セブにとっては玄武隊は懐かしい顔ぶれだった。

福島軍のほとんど全ての兵士は怪人になり戦って散ってしまった。

ケン爺さん含めすでに妖怪見たいな見た目をしてるのがチラホラいる玄武隊だが、まだ福島軍のほとんどが人間だ。

強くても無茶はさせられない。



この数日でもっちから体の支配も取り戻して、おかしくなった口調も元通りだ。


偵察に出ていたトマトヌさんより、敵の王だと思われる怪人がいると報告を受け、青龍隊、朱雀隊、玄武隊の3連隊で現地へ進軍した


瓦礫と化した繁華街、この辺り一帯に狂気と恐怖が渦巻いている


そこに大小数多の怪人を引き連れた赤髪ニャンコ耳の女がいた。


福島軍は恐怖そのものを目の当たりにする

初めて見るがこれが王だとすぐにわかった。

だがセブから聞いていた以上に目の前の存在はヤバかった。


この距離まで来たら流石にわかる。


根源から来る恐怖に体が硬直し直視できない兵士も出てきている。


向こうの方から女がこちらへやってくる。


「我が名は怖王(ふおう)ナヂャナヂャ、こいつら怪人どもの王の1人、

貴様らの魂に消えない恐怖を刻み込んでやる。」


後方の怪人達が雄叫びをあげはじめる


「狩るのは半分だけにしてやる。さあ逃げ回れ逃げ回れ。これからは恐怖で目覚める毎日だ!震えて眠れ!福島県民どもめ!」


ナヂャナヂャの檄でさらに大きな雄叫びをあげ怪人達が戦闘態勢に入る


王と言っても強さはピンキリだがこいつは本物の王の1人、以前の世界線では会わなかった怖王ナヂャナヂャが現れるとは思わなかった


セブは顔見知りだった。

みんなの優しいアネゴ、

かつてコロナ禍で一緒に戦った仲間、

なじゃさんだ。

アニメとゲームが好きで

ホラーが苦手な子だったが、

怪人細胞で狂気に呑まれて変わってしまった。

恐怖は克服して好きになり、

世界に恐怖をばら撒く側にまわってしまったんだ。


セブは怪人後の見た目の差に酷く嫉妬した。こっちはゴツくなって緑色、ウロコまで生えてしまったんだぞ


このレベルの王を倒せば、さすがにこの付近の敵軍も一旦撤退して作戦を練り直しに入るはずだ


福島軍の強さを思い知らせてやる


セブが一歩前に出て怪人側に怒号を浴びせる


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


憎悪が混じった怒号で震える大気

セブの殺意に呼応する世界

死を内包した赤黒いオーラに覆われる大地


味方の恐怖を散らすには十分だ


「あれが福島の、、、セブン、、、。

本物の、、、、イレギュラー、、、。」

この数日間、怪人側にセブの情報は伝わっているようだ


怒号をあげながら玄武隊の中からセブが飛び出しナヂャナヂャへ向かっていく。


王を前にしても一歩も引かないセブ、後方から勇士達の怒号が響いてきた。


玄武隊と王の軍が真正面から衝突する


▽▽▽


周囲の怪人は玄武隊に任せてセブはナヂャナヂャに仕掛けた

セブが大剣を振り下ろす

鈍く響く金属音と爆発が起こった

コイツ!?片手で刃が無い部分を叩き大剣を弾きやがった

だがこっちは爆炎武器だ!

ガードしようが弾こうが爆破で固定ダメージが入る

弾かれるつもりで剣を振ればいいだけだろ

セブは腰を落とし、両手でしっかり大剣を持ち直し威力を落としスピード重視の高速斬撃を始める


5発ほど大剣を弾いた女が

調子に乗るなよ

と言って反撃をはじめる


きっちり大剣を弾きながら1発に対して3発殴り返してきやがる。

さすがニャンコ型怪人。

パンチのスピードが半端じゃない。

だけどウロコのおかげでダメージが少ない


両者接近したまま壮絶な撃ち合いが始まる

セブのウロコが飛び散りまくる

ここが台所なら大惨事だ

「コイツ、ウロコが邪魔でダメージが入らねー」


一方的にダメージをくらってたナヂャナヂャの纏って(まとって)いた青白いオーラが赤黒い色に変わる

そして普段は細目で和やかなナヂャナヂャが目を開けて鋭い目つきになる

ナヂャナヂャのガチギレモードだ



威力と攻撃スピードが跳ね上がる


女が左右のパンチから下段蹴りそのまま必殺のコンビネーションに入る

さっきまでの攻撃と違い牽制技の威力が高すぎて常人なら全てオーバーキルだ。凄まじい連打にセブは防戦一方になる

「この構えは、、、まさか!!」

セブが気づくのと同時にガマが言った

「タイガーブレイクがくるよ」

わかってるが連打を弾いても骨がきしみ防御しても意識が飛びそうになり逃げる事もできなくなる

セブは必殺技を腹にくらいぶっ飛ばされる

「ぶべらっ!」

視界がブレる

音が消える

意識が飛ぶ

黄泉がえり(よみがえり)が発動した

恐怖が魂に刻み込まれる


衝撃波が遅れて襲いかかり腹を抑えてのたうち回るセブ


こいつめちゃくちゃ強えぇ

ダメージが酷すぎる

逃げるようにセブは一旦距離を取り、(ふところ)から取り出したカンプラ芋を2つ一気に頬張る(ほおばる)

ほんとはファミチキが食いたかったが手に入れたらすぐに全部食っちゃうセブはファミチキを常備できない。



両手を爆炎で焼かれたナヂャナヂャが

「殺しても復活、、、したの、、かな?面白い!」と言いバックラーとショートソードサイズの漆黒の剣を抜き放つ


「お前はなんて名前だったかな、、、まあどうでもいいか」


何か言っているが好きにさせよう

今は回復に専念だ


よく見ると瘴気を放つ魔剣だ。

魔剣を抜いたナヂャナヂャの狂いそうになる瘴気にあてられたのもあるが魂に刻まれた恐怖でセブはすぐに動けなかった。


ナヂャナヂャが

詩を口ずさみこの世の理を弄り(ことわりをいじり)はじめた

リフレインして多重干渉する

宇宙の法則が乱れる

戦場に美しい声が響き渡る

残響(ざんきょう)が鳴り止まず、胸に残る


セブは何が起こってるか理解した

生と死の過干渉だ

歌を聴いていた敵味方ともに今生(こんじょう)での復活が止められ来世が奪われる。虚無(きょむ)へ落とされる未来が確定してしまった。

黄泉がえりが強制解約される

セブの能力が暴走を始めてしまった

契約不履行にブチ切れた悪魔達が空に集まり始める。

空を埋め尽くす異常な数だ。

不履行の代償は周囲の人間の命、福島県民に支払わせるつもりだ

悪魔達により10体の災厄(やくさい)の巨人が世界に放たれる。明らかに人類と敵対する存在だ


何をされたか怪人側にも気がついている者もいるが止められない。

誰にも止められない。

それが王なのだ。


ナヂャナヂャがワイヤレスイヤホンで指示を出す

「町ごと悪魔どもを薙ぎ払え」

海からの艦砲射撃(かんぽうしゃげき)が福島の大地を抉り(えぐり)地形を変えていく



距離をとった事が仇となった。

好きにさせたらダメだった

カンプラ芋なんか頬張ってる場合じゃなかったんだ


ナヂャナヂャはクスクスっと笑い

「こわがらせてごめんね。じゃあ続きしよっか」

と言い魔剣をセブに向け


「悪魔は後回し。まずはお前からだ、その邪魔なウロコ全部剥いであげる」

と言いセブとの距離を詰めはじめる


もっちとガマも怖がってる。

もはや死の宣告しかしてこない


ナヂャナヂャの周囲の空間に複数の線が入る


セブも無言で歩を進めお互いの射程に入った時、線が空間を割りナヂャナヂャを取り囲むように大きな目が多数現れた、、、




▽▽▽


セブは精神世界セブの座にアクセスしていた


ここはセブが想像して作った世界


肉体を失った者たちが大量に集まっていた


一緒に戦った仲間達、玄武隊や福島軍人、一般市民、すごい数だ、まだまだどんどん増えていく


ここにいるのはセブが取りこぼしてしまった人達だ


全部セブが巻き込んでしまった


セビも来ていた。

やはり逃がしきれなかったんだな、、、

セビを失うのは何度も体験していた

セブの心も壊れ、おかしくなっている。


ただただ目の前で悲しそうな顔をしているセビを慰めてあげたくて、、、


ニチャっと笑顔を作り

「夫婦は生まれ変わってもまた夫婦になれるらしいぜ。悲しそうな顔するな。大丈夫だ。必ず探しに行くから、、、また巡り会えるからさ、、、」


とセビに話しかけた


ババアと子供達がいない、、、


という事は、、、

そういう事だよな、、、


ババアには頭が上がらない

いつもいつも感謝しかない


たぶんセビもやれるだけやったんだ


「じゃあ子供達が待ってるから行くよ、俺もやれるだけやるからさ、、、」


まだ必死に逃げてる人達がいる

まだ戦ってる奴らもいる

もうここへ来ることすら出来なくなった奴らもいる


「ありがとう、来世も、そのまた来世もまた巡り会おうな」


来てくれていた人達に別れを告げる


子供達を助けてやらないといけない


子供達の生存がセブに生きたいと思わせる


そう本当にこの僅かな希望でよかったのだ


この僅かな希望がセブをギリギリのところで踏み止めた


凶悪な即死攻撃を死にかけ状態ですませる事ができた


魂をすり減らし限界を迎え死に瀕したセブに僅かな猶予を与える



「ぶべらっ!」

セブはウロコを剥がされたうえに盛大にぶっとばされた


必殺技は2回目だ。なんとか後方に飛んで即死を避ける事ができた。


あれだけ爆炎武器でしばきまくってやったんだ。

予知、判断、認知も奪った。

後は玄武隊がなんとかしてくれるだろう。


だがダメージが酷すぎてこのままじゃ死んでしまう。

回復させないとダメだ。


本日3個目のカンプラ芋を頬張る。

セブのお腹が膨らむ。

足りない!このままじゃ死んでしまう。

4個目のカンプラ芋を頬張る。

過剰接種(オーバードーズ)だ!

セブのお腹はパンパンになって動けなくなってしまった。

今日はもう何も食べれないんだと思い絶望感がセブの心を染め上げていく


王がいなくなれば統率も取れなくなり数日はこの付近の怪人どもも組織だった動きはできなくなる。


これは戦争だ。

いくら怪人が個々の能力に優れていてもバラバラなら蹂躙される


おまけに住民避難をやってた白虎隊がほぼ無傷なはずだ。一方的な怪人狩りが始まるだろう


しかし残響がなお広がり続け鳴り止まない福島の大地。能力者を集めて除去するにも数十年はかかるだろう。このままじゃ草や木も生えず桃や梨がとれない不毛な大地になる。


白虎隊が住民避難を最優先に行動していたが上空に集まってる悪魔の群れが人々を襲い始めていた


各地で巨人が暴れまわる。これも討伐までにどれだけの被害を出すかわからない。


まだ怪人側の王は最低でも2体はいるはずだ。


町も艦砲射撃により壊滅的な被害をうけていた。

悪魔という共通の敵がいるのに人々は戦いを辞めない。

せめて引いてくれてもいい状況なのに怪人側が好戦的すぎるのだ。

福島軍、怪人、悪魔の三つ巴の戦いになっている。

未来の福島より壊滅的な状態になってしまった。


もう復興させようにも日本政府の、いや海外の手助けが必要になってくる。福島が自力で復興とかもう無理だ。


全身に焼け付くような痛みがセブから自由を奪っていく




「これ、、、もうどうにもならないんじゃないの?」ともっちが言った




わかってる

どうにもならない、、、

もうできる事はなにも無いと

敗北感がこの身を焼いたとしても

諦めきれない


「行かないと、、、」

しかしお腹がパンパンで体の自由はほとんど奪われた


セブだけがまた生き延びてしまった

絶望が終わらない

セブの心は完全に擦り切れてしまった

だがセブは最後に願う


頼む、、、

これだけやったんだ


だがどんどん状況が悪化している


どれだけ文明の利器が発達しようとも、最後に強固な陣地を攻略するのは人だ


俺たちの世代がやれるのはここまでだ


こんな状態で次に渡さなければならないとは


子供達に、次の世代にこんな状態の世界を託すしかできなくて悔しさが溢れて来る


だがセブにはもう願う事しか出来ない


世界中から光が立ち上っていく


頼む、、

何もかも失い続け、憎み争うバッドエンド確定の未来はもう嫌なんだ


セブは数十年最悪の未来を見てきた


もう嫌なんだ


愛し合える時代を


頼む、、、

俺と福島軍だけじゃぜんぜん足りないんだ


世界が光に包まれていく



頼む、、、、


どうにかしてくれ、、、、










パチン、、、



と音が聞こえた気がした






▽▽▽

無茶苦茶になってしまった現在と未来。

すでに回帰不能点(かいきふのうてん)を超えてしまって歪みまくった世界

禁忌とされる未来からの干渉

歴史の修正力が戻そうとしていたが、もう二度と後戻りができない分岐点を過ぎてしまって、すでに取り返しのつかない段階まで世界が、福島が壊れてしまっていた



世界が暗転(あんてん)を始める



黒髪赤目の男が現れ、倒れたセブを覗き込んでいた。

数十年ぶりの再会だった


「ひでぇ顔だなー。泣いてんのかい?セブさん」


男がクスクス笑いながら聞いてくる


「ナヂャナヂャは強かっただろ?面白半分でみんなが怖がらせるから、酷い目に遭うんだよ」


残響が認識できなくなっていく


「なんでまだ爆炎武器なんか使ってんの?縛りプレイでもしてるのかな?セブさん」


大地を抉る破壊の音も聞こえなくなっていく


いろいろ言いたい事があった。

なぜ今まで会いに来てくれなかったんだと悲しさと寂しさを男にぶつけた


「仕方ないよ。俺も忙しくて少し心が病んでたんだ」


少し手を貸してくれればこんなに辛い思いをしなかったのにと会えなかった事を愚痴りはじめる


ゴツい怪人が泣きながら甘えてくるので男は少し困り顔をしながら

「じゃあ少しだけ手を貸してあげるね。しゃーなしだよ、セブさん」


男が右手を振り払う

上空で様子を見ていた悪魔が全て地上に落とされた


男が福島を眺めて

「今回も無茶苦茶にしちゃったね。黄泉がえりはちょっと厄介だから貰っていくよ」と言いセブの心から何か大切な物を引きちぎった


あらがうことも体を動かす事もできなくなっていく


狂気と恐怖に塗れたセブの思考が他の何かに塗りつぶされ始めた


致命的な何かを奪われた


ダメだ思考がまとまらない


ダメだもう何も考えられない


頭の中がダメだで埋め尽くされていく


暗闇の中で最後に

「またねー、バイバイ」と言われ

もう一度あの音が聞こえた


パチン!


そして光が溢れる世界に投げ出された


作り直しが始まった


影響は未来だけではない


過去、現在、未来が作り変えられ、緩やかだった進化が加速されていく


量子コンピュータHERBIEが作り出される


ありえなかった過去と未来を作り出す


HERBIEを使った医療研究により怪人細胞の無毒化と治療に成功。


文明を一足飛びに進化させる。


歪みも治され時間が遡る


セブはずっと手詰まり状態だった

作り直される世界がいい方か悪い方かどっちに行くかわからない。


新しい世界に期待をして変わりゆく世界を何も言わずにしばらく眺めていた




途端に意識が途切れた


気がついたら朝8時のミラティブ配信をしていた。


洗われてない食器が台所に溜まっていて洗濯機が動いている


携帯の画面にはバッドエンドと表示されていた


家の中で嫁さんと子供達を探したがどこにもいない。


セブの怪人化した姿は元に戻っている。なろうと思えば怪人になれる状態みたいだ。セブは怪人化した姿はあまり好きじゃなかったから、よっぽどの事がなければもうならないと決めた。


契約した悪魔達が死んで、黄泉がえりも無くなってしまった。失った寿命も元に戻してくれたみたいだ。


混乱が酷くどうしていいかわからなくなったセブはテレビをつけて状況を把握する事にした。


ニュースを確認したが無毒化できた怪人細胞は名前を変えて強化細胞にしようとか議論がされていた。戦争関連の話が無くなっていた。


怪人に脅かされる事なく人類種(じんるいしゅ)は強化に成功したみたいだ。


狂気の元を無くした人類は憎み争う事はしなくなっていた。


つまり狂気に塗れた怪人達が正気に戻る事ができる未来が、

世界大戦が起きない世界線に入ったのだ。


携帯で嫁さんのメールを見つけた。


混乱した頭に記憶が入ってくる。


今日は俺の昼ぐらいまで子育てオフ日だ。

嫁さんと子供達がお出かけした後、

家で洗濯物とか家事をしながら1人自由に過ごせる日だった。


平和になって安心したのかお腹がすごく減ってきた。


豚キムチラーメン白米特盛を食べた。

お腹は多少膨れたがまだ足りない。


テレビでファミチキ40パー増量キャンペーンの情報を仕入れたセブはファミマに行く準備を始める


食い放題もそうだがイカれたモンスターが数匹いれば、こういうサービスはすぐに破綻してしまう


速攻で買いに行かなければならない


食器と洗濯物は放置して財布を持ちダッシュで口直しのファミチキを買いに家を出た。


町中でなぢゃさんを見かける。

前向き抱っこ紐で赤ちゃんを抱えている。結婚をしていた。今までの世界線にはなかった出来事だ。

なぢゃさんから、邪気と狂気、根源なる恐怖を感じない。


赤ちゃんがお腹の中にいる時にお母さんの悪い所を全部食べちゃったみたいだ。

だからたぶんもうナヂャナヂャは生まれてこない。


赤ちゃんに

「お前がいれば平和は安全だな」

っとよくわかんない事を言ってしまった。

言葉がわからない赤ちゃん相手ならいいかと、

頭をナデナデした


赤ちゃんが不機嫌になりセブの手を振り払い

びえぇぇぇん

とお母さんにしがみつく

なぢゃさんが冗談混じりに不機嫌な顔で睨んでくる

セブの脳裏にガチギレモードの

恐怖が一瞬だけ甦り


「ひぃ」っと声が出てしまう


黄泉がえりが発動するまで殴られた時の恐怖は消えてない。

魂に刻まれたままだ。


なぢゃさんと別れて、ファミマへダッシュする。

ファミマで確認しときたい事がある


前回ファミマに行った時にラテちゃんが消えていた。


セブを過去に送った代償がキツすぎたのだろう


近所のファミマの自動ドアが開いてラテちゃんの姿を見てホッとしたセブは、満面の笑みを隠す事ができずに言った。


「ラテちゃーん、ファミチキ全部ちょーだい」

おわり


エンディング

「バッドエンド」

後編すげぇ大変だった。


バトル入れるつもりなかったけどナヂャさんを活躍させなければいけないってなって頑張りました。


「そやつの首をはねてウォーリアー共々、道に晒せ」

とか言わせたかったけど、力が足らずダメでしたw

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