旅立ち
暗い森に引きこもり初めて長い年月が経った。五十年程だろうか?多分そうだ。ここに来てからは魔法の研究をしていた訳だが、この世界にあるほとんどの魔法はコンプリートしてしまったため、未知なる魔法を求めて日々精進していた。
大きな成果としては若返りの魔法(実質不死身といっても過言ではない)、翻訳魔法(知性があれば動物でも話せるはず)、異世界転移魔法(国で保管されてる異世界転移に関する資料パクったおかげで作れました)と言ったところ。私は七十代を超えているのだが魔法のおかげで外見は二十代な訳だ、素晴らしい!
そして、攻撃系統の魔法もいくつか発明した。その過程で付近の村を爆破してしまい騎士団を派遣されたのはいい思い出だ。
ちなみに魔道具も作っていて透明になれるマントを作ろうとしたのだが、被ると服が透明になって全裸に見えてしまう変態マントができてしまった(いつか誰かにあげよう)。なので、かわりに認識を阻害するマントを作った。認識を阻害するといっても違和感を感じなくなるだけ、例えばどんなに不自然な場所に私がいたとしても自然に感じてしまうのだ。これが魔道具の中では最高傑作だな。
長い年月、森に籠って魔法の研究と修行をしてきたが、これは私の願望を叶えるための準備にすぎない。異世界を巡る、そのために私は努力を重ねてきたのだ。私の心を満たすには圧倒的に時間が足りないから若返りの魔法を作った。どんな異なる言語であっても適応するために翻訳魔法を作った。どんな世界にでも溶け込むためにマントを作った。
異世界という存在を知った日から、私はこの日を待ち焦がれていたのだ。きっと異世界は私を強くしてくれる、私に新たな刺激を与えてくれる。
さあ、旅立つのだ。
(゜ロ゜)