コント お化け
男ツッコミ。 あらびき団位の長さです。
男(なんかめっちゃ寝苦しいぞ……)
ひゅう〜どろどろ〜
男「あれ……? 口動くのに身体動かんぞ。寒気するし、これ、金縛りか?」
?「うら〜めし〜や〜」
男「な、なんや! この声は! 一体なんなんや……!」
?「お・化け子といいますぅ……」
男「うわー! お化けやー! 初めて見た!怖い!」
お化け「でれでんでんででん……でれでんでんででん」
男「……え? 鼻歌でスリラー踊ってるやん……」
お化け「生前ファンだったもので……ふふ」
男「ふふやあらへん! 普通身体の上に乗って重! とか首締められてるー! とかやろ。なんやその登場。ほんで遅れたけど、お・化け子てなんやねん 」
お化け「霊界にも個性を求める時代がやってきたのです……」
男「いや、それにしても個性爆発させすぎちゃう!? 全然怖あらへん……。ていうかそんなんしてんと、はよ成仏せえよ」
お化け「私にだってねえ!! ……成仏できない理由があるんですよ!!」
男「……なんなん? 急に逆ギレしてきたぞおい。……ほなその成仏できん理由とやら聞いたるから、ゆうてみい」
お化け「……フラれたんですよ」
男「……それは可哀想やな。なんでフラれてん……」
お化け「私が浮気したからですよ!!」
男「そんなクソみたいな事、そんなテンションで言うな!! てかお前が悪いやないかい!!」
お化け「そーなんですよー。どないしたらええでっしゃろ?」
男「どないしたらええでっしゃろ、ちゃうねん! なんやそのエセ関西弁」
お化け「実は、付き合ってた男が関西人でして」
男「お前、女やったんかい! そういえば、お・化け子とかゆうてたな! 子ついてたな!」
お化け「まあ小野妹子という男性もいるんですけどね」
男「……飛鳥時代!! 今は令和!! 」
お化け「……シクシクっ……シクシクっ……」
男「……おい泣くなや。こっちまで悲しなるやろ」
お化け「と、見せかけて泣いていない陽気な、お・化け子!」
男「おもんないな!なんやそれ! 漢字の命すな!お前もう命あらへんやろ」
お化け「……命がない? ならお前の命を奪ってやる!!」
男「急に怖!! ああ……やめて!! まだ死にたない……」
お化け「まあそんな能力はないんですけどね」
男「……ないんかい!!」
お化け「そんなの映画の中だけの話ですよ〜。あなた、そんなの信じてたんですか〜? 意外と子供だな〜」
男「……なんかわからんけど、こいつめっちゃ腹立つ」
お化け「そんなカリカリしてると、ストレスでハゲますよ〜」
男「うるさい! もうハゲとるわ! って何言わすねん! 」
お化け「本当だ〜。よく見たら毛根が死滅してる〜」
男「毛根死滅ってどんな言い方しとんねん! お前は肉体死滅しとるがな!」
お化け「お上手ですぅ〜」
男「キャバ嬢の拍手の仕方すな! ……なんやこいつ。キモイお化けやな……」
お化け「もう。さっきから文句が多いですよ。成仏できなかったらどうするんです」
男「お前のせいじゃー!! さっさと召されろ!!」
お化け「じゃあ、神様呼んできて下さいよ」
男「どうやって呼んでくんねん! キツネでも連れてきたらええんかい!」
お化け「お化けが化かされるってね……ひひひ」
男「上手いこと言わんでええねん。もうええわ」
お化け「か〜み〜さ〜ま〜」
昇天。