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お孫さま、さかさま

お孫さまの話ですが、お孫さま視点ではありません。

脱・不安定。

 その日、プレリアトの高級宿にぞろぞろと、とある一行が入っていった。先導はプレリアトの揚羽屋、番頭代行の手代信吉。続くのは本店の大番頭信次。肩の上で裾の揃った銀髪の聖職者、細く白い布が先々へ渡される、特別神司だ。その従者、そして一番最後に冒険者サイラス。



「読書をなさると仰ったあとから、だな?」

「へい」

 なにか動きがあったら即座に使いを走らせるよう、信吉はバトラーのセルジュに手配していた。だが丸一日、なにもなく、逆になにもなさすぎたので報せが来た。

 宿の一階で待っていたバトラーが、恭しく礼をする。

「バトラーのセルジュでございます」

「本店にて大番頭をしております、信次です」

 挨拶もそこそこに。セルジュもわかっていて流れるように案内している。

「若旦那さまはいかがお過ごしに」

「お部屋へ入られたあとは、すぐ湯をお使いになりました。お夕食についてお伺いしましたところ気が進まないから不要と仰り、そのまま読書を。本をお置きになるタイミングでお夜食の提案を致しましたがもう休むから不要と仰り」

 そのあと、動きがないと。今回若旦那がお入りになったスイートルームはドアを開けてすぐ部屋の中へと繋がるわけではなく手前にホワイエと呼ばれるスペースがある。バトラーはここに控え、様々な手配を済ませ呼び掛けに即座に対応する。

「翌朝お伺いいたしますと、紅茶を一杯お飲みに。それ以降は、さがるようにと。この二日間、私は控えで詰めておりましたが、一歩もお出にならず」

「お食事は?」

 信次の問いに、セルジュは首を振る。

「お声掛けすることも憚られる状態で」

 一昨日の昼、信吉と食べた以降は茶を口にしただけか。

「大旦那さまがご案じなさった通りだ」

 信次は眉間に皺を寄せ思案する。

「大番頭、若旦那は……」

「よくお出来になるからこそ、悩みが深いってことだよ。若旦那はお優しい、だがそれが一番の問題なんだ……若旦那はお優しすぎて、我を持たない」

「それは……?」

 信吉にはよくわからなかったようだ。

「大旦那さまは以前こう仰っていた、なまじ才があるからこそ。才ある御方だからこそ若旦那は求められたことはお出来になっちまう、だから、ご自身の望みよりも周囲の望みを優先なさっちまう。それが当然で、それ以外なかった。そうお育ちになったのだろうと大旦那さまは読んでる。お家柄からそうなるのも無理はないと。そのまま頂に達しちまったら若旦那はどうなっていたかわからない、お迎え出来たからには全力で、お支えすると大旦那さまは仰った。俺も同じ気持ちだ。揚羽屋の大番頭としてだけじゃねぇ、信の字を受けた一人として、俺は生涯、若旦那さまをお支えするつもりだ」

「っ、」

 信吉も、やはり信の字を持つ。重さも意味も十二分に理解していた。教会に頼む誓約のように目に見える神罰は下らないがこの誓いは魂に至る。二人の師匠である信之助が界渡りである重郎と歩む決意を、重郎自身に示す為に施した呪いに等しい魔法だ。実行は簡単、口にするだけ。ただそれだけで成立する。反故にした時どうなるのかは、信之助亡き今誰も知らない。何故なら、これまで一度もそうした話は聞かないからだ。無意識のうちに行方を眩まし絶命するのかもしれないし、なにもないのかもしれない。実際にはどちらでもいいことだ、ただこの誓いを口にする、その覚悟を己と周囲が知っていれば。

 そんな誓いをして尚、反故にするような恥知らず、その信用は地に墜ちる。

「詳しくは知らずとも若旦那が只人でないことは察しておりやした。それなのに、不用意に吐いちまった一言で、」

「おめぇの所為じゃねぇ、それは自惚れにも通じるぞ信吉」

「へい……」

「遅かれ早かれ若旦那がご自身で越えなきゃならねぇ問題だ。今、俺たちに出来ることは、信じてもらえるよう誠心誠意、尽くすことだ」

 ちょうど、お部屋のある階に着いた時。

 連れてきていた特別神司がその場に額突き、その体勢のまま意識を失った。

「いったい、なにが、」

 信吉は動揺していたが、覚えがある。若旦那が本店を訪ねてくださった時の。

「もしや」

 ホワイエを通り抜け、意を決してドアを叩く。

「若旦那、信次でございます。入りやす」






 明らかに空気が違っていた。求めるそのひとは普段の目線よりずっと上に居た。艶やかな黒髪はまっすぐに床へ垂れ、両足は結跏趺坐、坐禅の形に組まれている。

 浮いている。だが、動じる場面ではない。

 閉じられていた瞼がゆっくりと開く。

『おや、信次さん』

 その声音は響きからして常とは違っていた。

 万物が抗えない、捉えようのない覇を感じる。

『信吉さんに、サイラスさんも。お揃いだね』

 口から身体が裏返って心臓からなにから撒き散らしてしまいそうな、緊張。

「数日振りでございます、若旦那」

 努めて、平常通りの礼をする。跪くな、平伏すな。

『あぁ、本当だ。央京を出たのはたった数日前だねぇ。もう、ずぅっと昔のように感じるよ』

 思考の先を、遠いところへ持っていかれてはだめだ。直感的にそう思った。

「信吉とサイラスに知れたとのことで他言無用の誓いを立てさせねばなりません。本日は聖職者も同行しております。どうか、御髪を」

『誓いなんて別にいいのにと私は思うけれどね、そうしておかないとお二人が安心出来ないんだろうねぇ。おじいさまにも関わることだろうし』

「ご明察の通りで」

『髪……あぁ、そうか。解いたままだった。いけないね、だらしのない』

 今、ご自身を責めさせてはいけない。

「まさか! 今はご休憩なさっておられるところでしょう? この信吉なんてね、休みには、寝床と厠以外動かなかったりするんですよ?」

『えー、じゃあ食事はどうするんだい」

 お声が戻りつつある。信吉を見遣る、こめかみに汗、緊張はわかるが、正念場ということもわかっている筈だ。

「若旦那、そりゃ勿論、前日のうちに手の届く位置に置いとくんでさ」

「わー、信吉さん、賢いね」

「でしょう?」

 純粋に、若旦那は感心する。お声は戻った。あとは。

「………………………………そういえば、食べていない気がする」

「食事付きの宿にお泊まりなのですからなにか召しあがりましょう」

「そうだ、信次さん、鯛の塩釜焼き、平気かな? 一尾取ってあるんだ」

「鯛は好物のひとつでございます。ですが、つい、飲みたくなっちまうので夕餉にいただけますと」

 手つきで猪口を持つ仕草をする。

「確かに。あれ、今、いつ?」

「まだ午前でございますね。一杯やるにはちと日が高うございます」

「じゃあ、セルジュさん。すまないけれどドアの向こうで蹲ったままの方の介抱が済んだらなにか軽食をいただけますか? 私は湯を使います」

 ひらりと、本当に軽やかに若旦那はその足を床へおろした。動けばキラキラ光の粉が舞うのは相変わらずだ。増えたのは素足で踏み締めた床に一瞬咲き誇る花々。芽吹きも一瞬咲き誇り散るのも一瞬、そして消え失せる。踵が持ちあがる瞬間からつま先が床を蹴り次の一歩を踏むまでのごく短い間、床に色鮮やかな花が生えた。

「信次さん、お茶でも飲んでいてくれるかな?」

 肩越しに振り向く、気怠げさの滲む問い掛けには勿論、笑顔で返答する。

「はい、こちらで待たせていただきます。ごゆるりと」

 最敬礼で、背中を送る。セルジュは言葉無くハンドサインで指示を出している。既に何名か配下を投入しているようだ。

 バスルームに消えるまで、姿勢は崩さなかった。ドアの閉まる音で、汗が一気に噴き出す。すぐには身を起こせない、滝のように流れているのが自分でもわかる。

「大番頭………………」

「信吉……俺は、やりきったよな……?」

 身体がまだ動かない、目だけで弟分を見遣ると見てわかるほど震えていた。あの状況で立っていられたのだから手代としては十分だ。

「えぇ、えぇ、ご立派に、お役目を果たされましたよ……!」

 セルジュに勧められてやっと身体が動く、柔らかいソファへ尻を沈め息を吐く。ここまでの大博打、揚羽屋に居てもそうそう味わうものではない。

 かなり高い天井を見あげる。この部屋は央京の屋敷とは建築様式が違う。かつて若旦那がいらしたあちらと雰囲気も近しいのだろう。央京では不自由なく馴染んでおられたがシャワーなる道具の話を聞いて、若旦那がいらしたのは大旦那の頃よりずっと多様化された社会だったのだろうと推測した。

「なぁ、信吉」

「へい」

「おめぇ、若旦那さまのこと、怖ぇか」

 怖くない筈はない。だがそれは恐ろしいのではなく、畏れ多いの方だ。信吉は、顔を引き締め首を振った。

「いえ。先日若旦那に直接申し上げやした。この信吉、若旦那がどのような御方であろうとも変わらずお慕い続けると」

「……そうか」

 かつて、いらしたあちらと似通ったプレリアの文化に触れて、若旦那の中でまだ定まりきっていなかったものが揺らいだ。それが、迷子のようだとのアヴィルダに言わせた理由で、薄情などと本人が宣うことになった、そう自分は見ている。

「大番頭?」

「おめぇもなかなかに頑固だからな、安心した」

「信の字をいただいた者は皆頑固じゃありませんか。大番頭、その筆頭でしょう」

「まあな」

 セルジュは立場上座るわけにはいかない、信吉とサイラスに座るよう促す。

「信吉、こっからは俺の推測だ。だが確かめる術がねぇ以上、この推測に基づいて動いてもらうよりねぇ。大旦那さまもここまでのことになっているとはお思いじゃなかっただろうが、判断は委ねていただいている」

「へい」

 姿勢を正した二人は、これから話す内容もこのあと行う誓約の範疇だと気付いているようだ。

「若旦那は、未練がねぇんだ」

「未練が、ない?」

「もうわかってるだろうが、若旦那は界渡りだ。突然こちらへ掠われた。界渡りがどういう行動を起こすかはお前も知ってるだろう」

「分別のないこどもの場合は興奮しきり、しかし現実を把握し始めると一転癇癪を起こして……」

 信吉は考えながら言葉を続ける。

「周囲を恨み、憎み、そのあとは様々。大人の場合まず疑いと不満、激昂か絶望、やはり憎悪。そのあと、諦める。けっしてお伽噺にあるようないい話ではないことだけは確かな筈です。我が身に置き換えれば誰だってわかりやす」

 突然掠われた、すべてを奪われたも同じだ。代わりに何を与えられようが替えのきかないものなんて人生にはごまんとある。

「若旦那は最初っから、その、最後の段階だったらしい。あんまり穏やかで、落ち着いていらしたから大旦那さまも読み誤るところだった」

 信吉もサイラスもよくわからないといった表情で続きを待つ。

「本当のところは若旦那ご本人にしかわからねぇさ、いや、若旦那にもおわかりでないのかもしれねぇがな。大旦那さまが仰るには若旦那はご自分を限りなく、低く見積もっておられる。だからいとも簡単に捨ててしまえる、ご自分の生を、諦めてしまわれるんだ」

「そんな、生、って、」

 信吉が思わず腰を浮かせるが睨み付けて戻させる。

「若旦那は央京にお越しになって、四日目で死ねなくなった」

「は……?」

「さっきの、あの状態。あの時はあそこまでひとばなれしていなかった。だが光の粉は纏っておいでだった」

「、……」

「中央の神司殿が仰るには定命の理を外れたと。老いず、病まず、神がそう望む時神域へと招かれる」

 信吉は僅かに口を開いて言葉を失っていた。サイラスは予想していたのか静かに瞼を下ろしていた。

「中央殿によれば今すぐ招かれたとしても神の感覚からすれば、百年程度は猶予があるそうだ。だが、さっきのあれを見たから言えるが若旦那がこの浮世への執着をなくせば神はたちまちお招きに、いや、ご自分で行けちまうだろう」

 目の前で発せられている筈の声がどこから響いているのかわからなかった。耳に届くというよりも、脳髄に触れられているような。 

「だから俺は確信したんだ。若旦那には、未練がない」

 神域、それはある意味、救済なのかもしれない。休息、安息なのかもしれない。だが、ひととしては死にも等しい、永遠の別れだ。

「中央殿も同じ老いず病まず死なずの身の上だ、だからこそ還俗ではなく限定でのご同行をお選びになったのだろう」

 セルジュが茶を持ってくる。気を遣わせたか、上等な煎茶の香りだ。一息つく。

「先のお話で、取ろうとした手段が間違っていなさそうで安堵致しました」

 セルジュはセルジュでバトラーとしての枠を越えて検討していてくれたようだ。

「なにをなさるおつもりだったんで?」

「若旦那さまの馬を、この建物が壊れようとここまでお連れしようかと」

 確か、お求めになった馬は五つ星のグランドエクウス。まず、この建物の入口は拡げなければ無理だ、幅はともかく高さが足りない。更にどうやって上階へと移動させる。いや、建物が壊れようと、と言った。つまりセルジュの中での優先度は、宿の建物よりも若旦那。同行を希望する龍だけはある。

「あぁセルジュさん、たぶん正解だ。若旦那は青藍を大層可愛がっておられます。青藍もグランドエクウスとは思えぬほどの懐きっぷりで」

 信吉が大いに納得している。若旦那は本当に馬を大事にしているようだ。

 セルジュが一呼吸おいてから、口を開く。その表情は宿のバトラーではない。

「尊き方を現世に繋ぎ止める為に必要なのは何気なくもだからこそ貴重なたわいもない日常。今後、サントル殿がその楔とおなりやもしれませんが……」

 サントル殿、呼び方は違えど同じ方を示す、中央の広域特別神司殿だ。

「えぇ。更に若旦那は食に関心をお持ちだ。とりとめのない会話でお心を慰められ和やかにお過ごしになる、楽しいと、愉快だと思う、この地でなにかなさりたいと思ってくださる限りは大丈夫だと俺は考える。若旦那が思考の底へ己を浸し浮世に現実感を持たなくなったら危うい。この世に飽きて完全に諦めきってしまわれればもう二度と、その足は地を踏んではいただけないだろう。食事、ひととの関わり、馬、物見遊山、なんでもいい。ご興味を抱かせれば繋ぎ止める手段になる」

 セルジュ、信吉、サイラスはしっかりと頷き、心に刻んだ。

 誤魔化しだ、根本的な解決にはならない、そういった言葉は出なかった。

 心というものは移ろいやすい。揺らぎ、惑い、容易く傷付く。

 鬱ぎ込んだり、無理にはしゃぎ回ったり。危うい均衡を保ちつつ日々を生きる。誤魔化しのなにが悪い、根本的な解決だなんてなにを以てそう判断する。

「………………失礼します……」

 弱々しい声でホワイエの方から呼び掛けられる。連れてきていた聖職者だ。偶然央京に、揚羽屋に挨拶に来ていたところを半ば強引に連れてきた。次の、広域特別神司候補だ。

「え?」

 肩の上で揃っていた髪が、肩を過ぎ背中まで伸びている。

「お見苦しいところを。あれほど純粋で強烈な神気は経験がなく、私の神格では、耐えきれませんでした」

 恐縮しきりの聖職者に、思い出したことがある。若旦那が定命の理を外れたと、中央殿が仰った際。

「あそこまでの状態じゃあございませんが、御髪を解いた若旦那とお会いになった中央殿も腰を抜かしておいででした、無理もございません」

 不手際でも無礼でも、なんでもないのだと一応言葉を足しておく。

「神格が、一気にあがりました……」

「でしょうね……」

 髪の長さでわかる。

 特別神司の神格の高さは大まかにだが髪の長さで判定出来る。現在の中央殿は、膝の下、足首に届きそうな長さを持つ。現状そこが最高位、最も高い神格とされている。何故なら、それ以上の長さの髪を持つ特別神司が居ないからだ。







「悪かったね、だらしないところを見せてしまって」

 若旦那がお戻りになる。すっかり髪も結いあげられ、知るままのお姿だ。

「税について詳しいひとって信次さんだったんだねぇ」

「えぇ。あとシャワーの試作もお持ちしましたので後ほどご覧いただけましたら」

「随分早いね、まあボールペンよりは構造もわかりやすいか」

「若旦那。こちら、今回信吉とサイラスの誓約を執り行う聖職者でございます」

「中央広域本部所属特別神司、クリスティアと申します」

「スターシアさんの同僚の方ですか」

 聖職者に対してなかなか斬新な言い方だが若旦那の感覚ではそうなるのだろう。

「拝顔の栄に浴し、」

 深々と頭をさげて挨拶をする神司殿に若旦那は気さくに微笑まれる。

「そう堅苦しくなさらずに。気を失わせてしまったこと、詫びましょう」

「い、いえ!」

 その後、若旦那の立ち会いで信吉とサイラスに誓約を、となったのだが。

「完全に口止めしてしまっては不自由じゃないかい?」

「若旦那、不自由とは……?」

「んー、うまく言えないんだけれど。がちがちに固めてしまうと却って無理が出てしまうんじゃないかと思ってね」

 考えた結果、プレリアトの主トーマスに裁量権を持たせることにした。このあとプレリポトでも誓約の必要があるが、それもアヴィルダに裁量権を持たせることにしよう。胃や心臓が保たないと言われそうだが店として相応の給金と身分の保障をやっている、その務めは果たしてもらわねば。

 信吉とサイラスが誓約内容を言葉にする。

「汝らの誓いを以て為す、誓約を」

 生憎神司殿以外の教会関係者は従者、護衛騎士含めまだ覚醒していない。神格の違いか。ひとりきりだが、神司殿は誓約を進めてくれる。

「死して尚、継続してお誓い申し上げます」

「同じく。死して尚、お誓い申し上げます」

 信吉とサイラスは二人共が誓いを立てた。

「誓約は成りました」

 ホッとした表情で二人は顔を見合わせていた。

 誓約の内容は。



 揚羽屋桐人に対して一切の不利益を行わない。その身の詳細を知らぬ者に手段を問わず知らせることをしない。例外的に秘密の開示を行う際は所属長の裁量によるものとし、開示を望む者は同じ誓約を課される。但し開示で知った者は揚羽屋桐人本人の許しなく他へ知らせることは出来ない。



 といった感じだ。これに、今後必要と判断された場合随時新たな誓約に応じると付け足しておく。

 ひとつめは単純にそのままで一番大切なことだが問題はそのあと。知っている者同士なら若旦那のことについて話せるが余人が付近に居れば話せなくなる。手段を問わず、が効いてくる部分だ。そしてやむを得ず明かした場合も、知った者が他に知らせようにも若旦那本人からの許可が必要となる。どういった方か知ったうえで行動出来る者が果たして居るだろうか、店主相当の者の判断でその辺りは弾ける。



 聖職者一行は全員が回復してから、トーマスの誓約の為に店に向かってもらう。次の広域候補ではあったが、候補の一人というだけだった。今回のことで、一気に筆頭に躍り出ただろう。



プロットばかりが溜まっている状況ですが、

思っていたより早く、とあるゲームの雪原DLCが来たので

しばらくそっちをちゃんと楽しみたいと思ってます。

週末しか投稿出来てないていたらくですがそれすら間があくかと思います。

長く続いてるシリーズですが現行のが初めてふれるタイトルで

詳しくないなりに楽しんでます。

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