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AIice  作者: 黒川 翔
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AIice 01.巻き戻し、一時停止




少し遡って思い出してみようじゃないか、俺。




放課後、生活指導だと担任に呼び出された…のはさすがに関係ないよな。その後はいつも通り、友達と遊んで、塾行って……ないな。今日はテストやるって言ってたし、受けた覚えがない。…サボった事になんのか。言い訳どうすればいいんだよ!見知らぬ場所に女の子と一緒に居たんです!って何だよこの警察呼ばれそうな言い訳!?




『アリス探し』




脳内で唐突に再生された言葉。その声は…聞き間違える筈がない。キチの声だ。キチは外見は超優等生って感じの奴できちっとしてるから渾名がキチになったほど。まあソイツがゲーム好きな奴で、所謂ゲーマー。ソイツが放課後言ってたんだ。




生活指導後の教室は静かなもので、外の部活の奴等のがよっぽど賑やかだ。

教室の最前列で真面目に勉強…じゃなく反省文をキチは書いてた。古い付き合いのせいか見慣れた光景だ。


「なあ、キチ。お前、また没収されたのかよ」

「そういうお前はまた髪?お前、外見だけは不真面目だからな」

「外見だけ真面目なお前がいうかっ」


決まり文句のような会話をして、キチの隣に腰かける。


「で、何没収されたの?」

「携帯」

「珍しいな。ゲーム以外じゃん」

「いや、ゲーム…かな?」


キチにしては歯切れの悪い返事だった。


「最近流行ってんだけど、知らない?都市伝説の方なら多分お前でも知ってると思うんだけど」


キチは簡単に都市伝説を話した。俺も知ってる内容だったが、キチの話の方が詳しかった。


「携帯メールに画像が添付されて送ってくる。大抵の奴等は悪戯とか迷惑メールだろうって見ないで終わる。だけどさ、好奇心旺盛な奴は誰だっている。ソイツが開いてみると自分の目の前にある壁と同じ写真が写ってる。偶然だと思ってたらさ、またメールがくる。今度は画像なんてなくて意味不明なメッセージが入ってたんだと。気味悪くて友達に電話しようとして、友達が電話とった時にはソイツは消えてたんだ。携帯だけ残して」


キチは話終えると鞄から携帯を取り出した。没収されたのとは別の携帯だ。


「その都市伝説を元にしてるゲームっていうか人探しに夢中になってたら担任居たの気付かなくてさ」

「人探し?」

「アリス探し」


目を輝かせキチは言っていた。

「画像メールももう一通の方も手に入れたんだけど、あ〜、こっちには転送してなかったか」


どうやら没収された携帯にゲームのアイテムが入ってたらしいが、そんなメールどうやって手に入れるんだよ、お前。


「返してもらったら見せてやるよ」

「それは別にいいけど。消えるゲームなわけ?」

「違うよ。メール見りゃわかるんだけどさ。二通目の方が暗号になってて解くと」


……でなんだったかな……思い出せない。ボケたか?いやきっと頭の打ち所が悪かったんだ。頭打ってないけどさ。思い出せるのは、あの話からだ。


「まあ、お前でも興味でそうな話するとさ。アリスを探して画像の場所に連れていくと賞金が出るんだよ」

「マジで」

「マジで。俺、この間一万もらったもん。中間地点らしいんだけどさ。興味でた?」

「当たり前だろ。中間地点だけでも行きたいくらいだ」

「あ〜俺に頼るのはなしだぜ。俺はその二通のメールくらいしか渡せねえんだ」


キチ曰く、ズルしたり過剰なヒントを他の奴に渡すとそこで失格らしい。永久追放ってことで二度と参加できないそうだ。


「今はさ、キーパーソン探してるんだけど、ここで挫折する奴が多いらしいけど、だからこそ萌えるっていうか」


字、違くないか?まあ、キチらしいけど。…思い出せるのはこれくらいか。後は思い出したくない。キチは、ネットゲームとは違うこのゲームについてそれはもう語りまくっていた。




で、結局俺はどうしてここに居るんだ?

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