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AIice  作者: 黒川 翔
12/13

AIice 11.十一人家族の隠れ家的秘密基地




そこは本当に隠れ家のような秘密基地のような場所だった。




「あ、お姉ちゃんのご飯だ!」

「兄ちゃん、食べて良い?」

「……まだだめじゃない?」


聞き取れた声はこれだけだが、いろんな声が飛び交っていた。


「何人家族?」

「今は11人かな。あ〜、これは昼!先ずはお客さんにご挨拶だ!」




「「「「「いっらっしゃいませ〜」」」」」

「…お邪魔します」




元気よく出迎えられ、少し驚いた。

ハトリくらいの子供が10人はいるらしいが、じっとしてるのは数人であとはチシャと遊んだりしてる。

数えられねぇ…。


「こいつら元気だろ?」

「元気過ぎないか?」

「それはたまに俺も思うけどな〜。ま、落ち込むよりずっといいよな」

「なんかあったのか?」

「ん、こいつらの親代わりが居なくなってさ。ティ…ネズさんも姉貴もゲームの為に出てったからさ。こいつらは能力とかまだだしさ、巻き込みたくないんだって言ってさ」

「能力って生まれ持ってとかじゃないのか?」

「そういう奴もいるけどな。なんだアリスはまだか〜」

「俺もあるのか?」

「違う違う。ちょっと俺や姉貴が居た時代とアリスの時間が違うんだなって。姉貴、年聞いただろ?」


確かに聞かれた。何故かは分からなかったけど。


「俺と姉貴っていわゆる未来人になるんだよ、アリスからしたら」

「は?」


突拍子もない単語が出てきたぞ、おい。


「能力の説明なんてするとは思わなくてさ。まあ、定義とかは知らないほうがいいだろうけど」


未来の事は知らない方が良いだろ。なんて言われたが、ちょっと気になるが。

サツキが言うには生まれ持った能力はタイプで五段階に分かれ、大きさで三段階に分かれるという事だ。成長により段階も進んでいくとかいかないとか、その辺は濁されてしまった。


「アリスは信じやすいよな」

「そうか?」

「普通は信じないぜ。時間・時空移動は俺らの時間でも特殊中の特殊。この島でも、シロとか数人だから」


シロ…んな能力をミツキさん達のところに行くしか使ってないのかよ……。


「なあ、島ってここは不思議の国じゃないのか?」

「そう呼んでるのは、役持った奴。本当の名前はもう誰も口にしないけどな。あ、見せてやるよ」


サツキは棚の上にバケットを置く。そうしないとチシャが全部食べてしまうらしい。

そのまま幾つかの穴やら梯子やらを登ったり降りたり。そうして見張り小屋と書かれたドアの前まで来た。


「本当は夕方とかの方が綺麗なんだけどさ」


だけどアリスは進まなきゃいけないからな。とサツキは残念そうにドアを開けた。




海鳥の鳴き声と潮の匂い。

陽によって輝く海はどこまでも蒼かった。


「これが不思議の国になりきれない島だよ。名前は口にされないけど、景色は昔と変わらない」


懐かしむようにサツキは言う。


「アリスが行こうとしてるのは彼処だよ」


くいっと一隻の船を指した。


「……船だよな」

「あれが船じゃないとか言ったら怒られるぜ。あれは船だけど、アリスが目指すハートの城だよ」




誰だよ、名付けた奴!






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