改めて会話
どうもどうも、食事メニューがハードで疲れている灰イロです。
前回の反動で、今回は長く出来た気がします。
どうかお付き合い下さいニコッ
星なんて出すぐらいに上がっていたテンションを保つのは容易ではなかった。
緊張してきたなぁ…さすが黄金の土曜日、人が多い。
カフェに15分前に着いたはいいが、カップルが多いので正直入りたくないし話もあまり出来そうにない。
「はぁ…」
早く、早くと待ち人を望むばかりだ。
「あ、お待たせしました〜」
私はいつの間にカフェへ入ったんだ…と一瞬考えてしまうノリで挨拶された。
いつの間に隣にいたのか、そんな疑問は置いておこう。
あの子だ
「どうもどうも、今日は楽しくお話しましょう」
「はい、じゃあ中へ入りましょう…と言いたい所ですが、カップルは多いわ忙しそうだわで入りづらいので…近くの公園にでも行きませんか」
す、凄い、提案なのに疑問符が付いていない…!自分の提案が通ると確信していらっしゃる…!!手練か一人っ子か末っ子だな。
…まぁ、断る訳は無いんだけど
「是非ともそうしましょう」
そうして私たちは公園へ歩いて行ったのだった。
「えーと、今日はどうして誘ってくれたんですか?」
無言で歩いているのは少し気まずいので話題を……
正直歩きながら話すのは好きじゃないけれど。息が切れると格好悪いし
「あぁ、RINNEで言った通りですよ。あなたと話してみたかったんです。妙に気になったのでね」
「そうですか…」
私と同じく、相手も気になっていたようだ…なんだか、少し嬉しい。
「あ、そういえば改めて自己紹介がまだでしたねぇ。自分は竹刀 静和と言います。剣道などで使う竹刀に、静かな和でしな…と読みます。しないしな…ククッ、物凄く面白い名前だと気に入っているんです。」
確かに竹刀 静和は個性的な名前だな〜…竹刀なんて苗字を初めて聞いたぐらいだし。静和というのも中性的な様な…読み方は独特なのに言われてみると読めないことは無いという…すごい名前だ。
「これはこれはご丁寧に…私は柳屋 つばると言います。幽霊とセットで素敵な柳に店屋の屋、つばるは平仮名です!ふふふ、私も結構自分の名前、気に入ってるんです。」
「おや、確かに素敵な名前だ。名前を好きになれるというのは素敵なことですよねぇ、気が合いそうでなにより…
あ、着きましたね。」
そんなこんなで自己紹介をしているうちに公園に着いた。屋根のある休憩所があって椅子が多いこの公園は、遊具が鉄棒ぐらいしか無いからなのか土曜日だというのに子供も大人もいない。素敵な老夫婦が穏やかに空を眺めているくらいだ。
私たちは屋根のある休憩所に腰を下ろした。
座ってから少し息をついた後、先に切り出したのは竹刀さんだった。
「さて、何から話しましょうか。まず、お互いが気になった原因…いや、理由から解明します?あ、その前にお互い同い歳でしたね。タメ口でも大丈夫ですか?」
「あ、はい。」
私はその妙なリードし慣れてる感に圧倒されてしまい、それしか言えなかった。
「んじゃお言葉に甘えてタメ口で。さて、自分はほぼ分かってるんだ。お前…ッゴホン、柳屋さんが気になる理由」
別にお前でいいのに…仲良くなりたいし。距離感を大事にする人なのかな
それはそうと、実は私も気になる理由の検討はついている。
「実は私もだよ」
「おや、じゃあ君の理由から聞こうかな」
『おや、』が口癖なのか…
「多分、私たち似ているんじゃないかな。自分で言うとアレだけど、中性的な雰囲気を意図的に出しているというか…もっと話してみないと分からないけれど、色々な考えに共通するものがあるんじゃ?」
「へぇ、こりゃ驚いた。大体自分が考えていた理由と同じだ」
「本当かい?それは嬉しい…私は、中二病ってのもあるけど少し変わっているんじゃないかと不安と自惚れに塗れそうだったから」
「人間誰しも変わっているものさ!全てにおいて普通なんてむしろ狂気だね。普通というのは人を表現する言葉じゃない。平均を表す言葉だ」
その言葉に、感動したような分からなかったような少し戸惑う感覚に襲われた。まぁ、結局のところ私と竹刀さんは似ているということが分かった。
『ピロン♪』
何故似ているのかということで討論(と言うべきなのかは謎だけど)しようとしたとき、竹刀さんのスマホが震えた。
「あー、ごめん。母さんからのお呼び出しだ。そろそろお開きにしよう」
「いえいえ、中々充実した時間を過ごせたよ。ありがとう
…またこの公園ででも、会って話そう。」
「あぁ、是非。こちらこそ今日はありがとう」
そうして私たちは少し笑い合って、お互いの帰路についたのだった。
どうでしたか、感想なら一文でもいいんですよ?
この人たちいつ出会ってくれるんだろうって思ってたんですよ。やっと話せましたね。柳屋と竹刀…苗字カッコイイです。羨ましい限りであります。
他愛のない感想をお待ちしておりますニコッ