表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でスキル王になるっ!  作者: 黒色鮎
第1章 帝国編(序章)
6/51

第5話 いざギルドへ



「だから言ってるだろっ!と・う・ぞ・く

 盗賊に襲われたの‼︎」


 何度繰り返した?

 うんっ、20回は軽く越えてるね♪



 はっ⁉︎

 ヤバイ狂い始めてた....

 しょうがないと思う。

 だって帝国まで連れてかれてそのまま4時間ですよ?


「そうは言ってもねえ、あんなにぐしゃぐしゃになる訳無いでしょう?」


 こいつらが納得してくれないのはこのせいだ。

 本当の事なのに全然信じてくれない。

 こっちは疲れてるんだよっ!





 ようやく解放された....

 どんだけ疑り深いんだよ!

 あのおっちゃん、本当にだるかった。

 同んなじ問答を幾度となく、繰り返していた。

 ガインさんが疲れてくたばってからも、ずっと同じ質問をしていた。

 だからスキルを使っちゃいました☆

 テヘッ


 スキル《力強化》Lv5で机をぶっ叩いてやった。

 そうすると物の見事に机が粉々になったのでやっと衛士のおっちゃんも信じてくれた。


 その代わり俺はとても警戒されてしまった。

 ガインさんが必死に説得してくれたから俺の警戒は解かれたものの「帝国内で何かあったらすぐに引っ捕えるからな」と言わんばかりの目で見られていた。





 その後、信じてくれた衛士達によりあの道が徹底的に捜索されたようだがあいつらは見つからなかったようだ。



 何はともあれ俺は帝国に入ることができた。

 もう、明け方になっているので取り敢えず飯所を探すことにする。


 ガインさんとは先程別れてきた。


「荷物も無いし、時間に間に合わなかった....」


 とか言っていたが俺には関係無いし。

 まだ明け方だが帝国は賑わっていた。


「いらっしゃい!」

「新鮮な野菜があるよ〜」

「じゃあこれ貰おうかしら」

「はいよ!毎度!」


 ....どうしよ?

 取り敢えず歩こう。


「............」


 無言で歩く。

 忙しなくキョロキョロしながら無言で歩く。

 ....不審者だな、完全に。

 まあ、目的の場所は見つけた。


「デケェなあ」


 思わず声が出てしまった。

 俺が来たのは『冒険者ギルド』である。

 え?何で食事をしないんだって?

 全く、素人はこれだから....

 ギルドには普通食事所もあるだろう⁉︎

 それが定番だからな!

 ということで扉を開ける。


 ガチャガチャガチャ


 ?開かない。


 もう一度やって見る。


 ガチャガチャガチャガチャ


 開かない。

 閉まってるのか?


 ん?

 よく見ると『営業時間5時より』と書いてある。

 ギルド前にあった公園の時計を確認すると今は4時26分だった。

 ....どうでもいいけど時間って俺の世界と同じなんだな。時計の数字が同んなじだ。


「あと34分何すかっな〜」


 公園に行ってみる。

 ベンチに座ってみる。


 ボ〜〜


 ああ、ボーっとしてしまっていた。

 いかんなすぐにダラけてしまう。

 ....思えばここまで色々あったな。

 何か気づいたら死んでて女神にあってスキルが有るっていうこの世界に転生して

 初バトルはゴブリンだったな。

 その後すぐガインさんに会って、盗賊に襲われて。

 初めて人も殺した。今でも肉を穿つ感触が手に残っている。

 アリオスはやばかった。次元が違った。

 やっぱり逃走を選んで正解だった。


 そして、

 ....ジン君

 短い付き合いだった。

 だがとても役に立つ「仲間」だった。


 まだ死んでないらしいから絶対にまた生き返らせてやる。待っててくれ‼︎


 衛士場では疲れた。

 とことん疲れた。


 そんなこんなで色々な事があった。

 苦しいことも多い。

 元の生活に戻りたいって最初とか思ってた。

 ノリノリに見えたかもしれないけど本当に行きたい!とは全然思ってなかった。


 でも、


 悪くない。今ならそう思える。

 初めてスキル使った時は嬉しかったし、ゴブリン倒した時も何か異世界なんだなって思えた。

 此処は前の場所より恐らくだが楽しい。記憶はあまり無いが楽しいはずだ。

 本当に心から思う。

 ....死にたくは無かったが、死なないと此処に来れなかったのだし殺した奴への溜飲も少し下がるーー


 ーー訳が無い。

 全然下がらない。

 今思っても頭にくる。

 絶対、殺す。


 俺は怒りを覚ますため少し目を閉じた。





「ん?」


 気付いたら昼でした‼︎

 おはようからこんにちはへ!

 折角、朝一で来たのに少しウトウトしてたらもう朝ですよ。

 だから朝ってやなんだよなー

 ....もう行こう。

 俺はギルドに向かって歩き出す。


 ガチャ、スッ


 今度こそ入れた。

 なるべく音を立てないようにして入った俺はギルド内を見る。


「....うおっ⁉︎」


 全員コッチ見ていた。

 やめて!

 圧力がヤバイっ‼︎

 そんな祈りが通じたのかすぐに顔を戻す。

 ふうっ、

 マジ焦ったぜ

 よく耐えた俺!

 褒めたい位の頑張りをした俺はさておき、周囲が顔を逸らしたのは俺の祈りの力では無い。


「オイ、ゲラドさんだぞ」

「あんまり見るな。....目を付けられるぞ」

 ざわ..ざわ..


 自分に酔っていた俺も辺りを見回す。


「どきたまえ、いつまでそこに立っているつもりなのかね。

 全く庶民風情が」


 むかっ

 誰だこのいけすかない糞野郎は?

 ちっ、顔は女受けしそうだ。


「どなたですかね?

 俺は、あんまり貴方の事知りませんがね。」


 煽ってみる。


「ふん、私の事も知らないとは庶民が

 私はゲラド・ベルヤード。貴様ら庶民より格上の存在だ。」


 ふーっ!ふーっ‼︎

 平常心、平常心。

 良し落ち着いた。

 それにしてもこいつ天才か?

 明らかに糞スキルしか持ってなさそうな分際で「格上」だと?

 ....調子乗んなよっっ‼︎ゴミが!


 俺は切れた勢いそのままに《力強化》Lv5を纏った拳を誰も座っていない近くのテーブルにぶち込んだ。


 ズドンっっ‼︎


 そんな音とともにテーブルが砕け散る。

 チラとあの糞貴族を見ると顔を青ざめさせていた。

 ふんっ、ざまあみろ!これが調子に乗った罰だ!


「み、認めん‼︎

 な、何か手品を使ったんだ!卑怯者め!

 お前の様なものがそんな力持ってる訳が無い‼︎

 俺の《鑑定》でもそんな力は見えてないぞ!」


 ブチン


 切れた。

 もう、許さん。

 最初から許す気無かったけど、絶対に許さん。

 殴り倒してやるっっ‼︎


「うおおおお」


 踏み込みで床を破壊しながら一瞬で糞貴族の前に立つ。

 そのまま拳を振り上げぶん殴る!


 ドゴッっっ‼︎ ゴガアっ‼︎


 吹き飛ばされて壁に打ち付けられる。

 壁すら破壊する威力を込めた。

 だが、奴は《防御強化》でそれを防いだらしい。


「馬鹿な....私の《防御強化》でもダメージが

 一体どうなっているんだ⁉︎」


 近づいて肩を掴む。


「おやすみ☆」


 ズドンっ!


 そのまま貴族様は睡眠についた。


 フッフッフ

 皆さんお気づきだろうか?

 奴が《鑑定》と《防御強化》を持っていることは知っている。

 殴った時に身体的接触も果たした。

 もう、何が言いたいか分かるね?


 こうして俺は《鑑定》を手に入れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ