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異世界でスキル王になるっ!  作者: 黒色鮎
第2章 12星魔獣編

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第39話 マコト復活

期間が空きました。

すいません、最近忙しくて。

 白い地面から黒い電流が迸る。

 俺が使っているスキルに呼応するかのように。


 スキル《闘気術》。

 身体に生命力を変換した薄い光を纏わせ、身体能力の強化を行うスキル。

 与える生命力が大きいほど強くなる。


「ならもう人じゃない俺ならどうなるかって話だよね!」

『マスター、集中して下さい!』


 仙人へと至った俺は人の生命力を何倍もオーバーしている。

 スコーピオンや龍種ほどは無いが、王級能力(キングスキル)持ちのシャーラであっても俺には及ばない。


 そんなことを考えつつ全力で生命力を変換し、闘気へと移す。

 制御は頼もしいルプちゃんがやってくれてる為、俺はただ生命力を注ぎ込むだけでいい。

 だからこうしてゆっくり思考を巡らせることが出来るのだ。


「……お! 暴走中の俺、よくやった!」


 俺では無い俺の視界を覗き見たところ、シャーラの首を絞めていた、全てが黒い男(フードで顔はよく見えない)を吹き飛ばしていた。

 靄が瞬時に硬化し、真っ黒い金属と化した俺の右腕で。


 地面に横たわったシャーラには目もくれず真っ黒男の方へ全力で駆ける。

 その際に、靄を弾丸のように無数に飛ばしながら風のように猛スピードで走っている。

 相手の男はシャーラをあそこまで追い込んだだけあってその全てに対応してくる。


 徒手空拳でさばき切った男に突っ込んでいく俺。

 先ずは、と真正面からのパンチ。

 それを紙一重で避けた男は、その腕を掴みそのまま投げる。

 自身の拳の勢いも加算されて遠くまで吹き飛ぶ俺。

 だが、すぐに立ち上がりもう一度男の元へと戻る――


「マスター! 闘気が乱れています! 少しは集中して下さい!」


 おっと。やべやべ。

 スキル《並列思考》っと。

 これで安心して覗き見が出来る。

 まあ状況は全く変化しておらず、俺が突行、いなされて距離を取らされる、また突行の繰り返し。

 少しずついなされるまでの時間が多くなっていってるがそれでもまだまだ相手の方が強い。



 いや、この場合相手の方が技術が伴っているといった方がいいか。

 多少は技術、戦略を使うものの基本ゴリ押しの暴走俺。

 一方相手側は適切に情報を把握、瞬時に対応して見せている。

 でもそれに喰らいつく俺。

 少しずつ技術的なことを取り入れていっているようだ。

 戦闘中に進化していくってやつ?

 まるっきり主人公みたいだな。

 ……暴走してなけりゃ。



 ああ、そうそう。

 さっきルプちゃんによりステータス情報が大きく変化した。

 俺に新しい能力形態がついたことにより構図を変化せざるを得なくなったようだ。

 俺の新しい能力値は以下の通りになっている。



 ------------------


 名称 : 山岸 真

 種族 : 仙人

 称号 : 全知全能の王(デミ・ゴッド)

 特殊能力 :《真理の理解者(ジンコウチノウ)

 王級能力 :《物質の王(キムラヌート)》《残酷の王(アクゼリュス

 絶対能力 :《憤怒の罪(ラース)

 固有能力 : 模倣(コピー)

 SP : 上限突破(最低4桁)


 ------------------



 と、なった。

 ちなみに能力(スキル)の並び順は強さの順になっているらしい。

 基本的に特殊能力(オリジナルスキル)が馬鹿みたいに強いってことだな。

 だけどあくまで基本であって、特殊能力だって王級、絶対に負けることもざらにある。

 それが特に顕著なのが絶対と固有。

 固有は状況しだいで圧倒的な大差をつけて勝てるかもしれないのだ。

 そして、固有能力(ユニークスキル)は特殊能力になれるかもしれない素質を秘めているらしい。

 まああくまで可能性だが。


 あと強いのが、コレ! ルプちゃんのスキル《真理の理解者》!

 これがチートすぎるんだよなぁ……。

 なにしろ……えッ? もう聞いた? なんだよ知ってるのかよ……。

 まあそういうわけで全ての通常スキル(下位〜上位)を使えるからなぁ。

 すごい便利。

 実際俺が上位スキル《闘気術》を使えてるのって《真理の理解者(ジンコウチノウ)》のおかげだし。

 ルプちゃん様々だよね!


『マスター! そろそろいける!』


 お、そのルプちゃんからいける宣言来ました!

 足下を見るとなるほど、亀裂が無数に続いている。

 その亀裂の下には虚無。

 暗闇がただ口を開けている。

 あの中には何もないのだろう。

 光も音も物質も。

 ただただ意識を彷徨わせるだけなのだろう。

 気が狂ってしまいそうだ。


「――じゃあ一気に行きますか!」

『了解!』


 ルプちゃんの元気な声にほっこりしながらフルパワー!

 生命力を振り絞る。

 まあ余力はまだあるけど。

 大体半分くらいは使っている。


 そして残りが4割程度になった所で変化が訪れる。

 一気にヒビが入るスピードが加速したのだ。

 等速直線運動から自由落下みたいな。

 一定だったのが落ちるごとにスピードが上がっていくみたいに。


『「いっけーーッ!!」』


 2人の声が重なる。

 虚無までもが晴れていく。

 暗闇の底から現れた小さな光。

 始めは米粒ほどしかなかったソレは生命力をこめていくにつれてどんどんどんどん大きくなる。

 生命力が4割を切った。

 これ以上は危ないかも。

 ここを出れたとしても戦闘が待っているからな。


 だから闘気へ変換するのを生命力からSPへと変更した。


 ルプちゃんがいるからこんなものお茶の子さいさいで出来る。

 複雑な手段を用いたらしいができたらしい。

 減り続けていたHPが止まり自然回復し始める。

 それと同時に膨大な(であろう)スキルポイントが減り始める(っぽい)。

 なにしろ表示外にまで飛び抜けているSPだ。

 最低でも4桁があるソレはおそらく表示限界(999)を突破するまでは見えないだろう。

 今思うとスコーピオンのSPってカスだよな。

 いまやあいつのSPの何倍あるんだか。


 こうしている間も亀裂は大きくなり、暗闇は晴れ、光点は大きくなる。

 力を注ぎ込むだけで時間だけが過ぎていく。

 暴走中の俺はすでに敵と五分。

 相手はいつのまにか得物を抜いている。

 アレは……鎖、か?

 先端にナイフの刃が付いている鎖は暴走中の俺の身体を容易く切り裂いている。


「あの靄を貫通するほどの攻撃力……厄介だな」


 あ!

 ついにSPが見え始めた。

 これまでの吸い取られた量と時間から察するにおよそ1500ってとこか。


 そう考えていたその時。

 地面が崩壊した。


「うおッ!?」


 溢れ出ている光へと俺は吸い込まれるように落ちていく。

 光が俺の視界を埋め尽くす。





「――ん。ここ、は?」


 すると俺は外の世界……暴走を止めることに成功した!



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