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異世界でスキル王になるっ!  作者: 黒色鮎
第1章 帝国編(序章)
5/51

第4話 決着

今回はスキルがほぼ出てきません。



 はああっ⁉︎、ラオスと俺の闘いでも壊れなかった床壊すのかよっ⁉︎しかもよく見たら下の地面まで砕けてるじゃねえか⁉︎


「....‼︎‼︎」


 無言の気合いを乗せてくる盗賊頭(仮)。

 やはり勢いが洒落にならない。

 一体奴はどうなっている?

 ジン君‼︎


『了解しました。........ステータスを入手出来ませんでした。更にこちらに対するハッキングが仕掛けられまし..た。..ザザ....ザ..電源が....ザ..強制的にシャットダウンします。』


 っっ⁉︎

 どうしたジン君‼︎

 応答してくれっ!


『....』


 おいっ?おいっ‼︎


「ふむ、貴様人口知能など持っていたのだな。まあ、もう電源の権利を”強奪”したが。俺を倒さんと一生使えなくなるぞ?」


 な....に..?

 そんな俺の疑問を他所に更に壊れていく馬車。


 これは一撃でも食らったら大ダメージを受けるだろう。

 相手はジン君すら乗っ取る化け物だ。

 ステータスも分からない。

 だが、ジン君に誓って必ず一発報いてやる‼︎‼︎

 それまでは躱すっ‼︎

 恐怖の追いかけっこが始まった。



 ........どれほど時間が経ったのだろうか。

 もうかれこれ20発は躱しているのに全く疲れる様子が無い。


「はあ....はあ........」


 肺が苦しい。

 足が重い。

 脳に酸素が行き届かない。

 そう、奴は俺に疲れさせる様に攻撃を放ってきていたのだ。

 俺の頭に向かって来た拳をバックステップで回避すると、すぐに距離を詰めて足で回し蹴りを放つ。それを何とかいなす。そうすると今度は逆の手に持っていた短剣を4本纏めて投げられる....

 こういったやり取りを何度も繰り返していたのである。

 こんな攻撃をなんとか避けたりしている自分の悪運に感謝である。


「ッッ⁉︎」


 一際激しい一撃を回避出来ず俺は空を舞う。

 これが追いかけっこの終わりであった。


「ガハッッ‼︎‼︎」


 背中から地面にぶつかり、身体中の空気が口から飛び出ていく。

 敵もそんな地面に打ち付けられ動けない俺を見逃す手はない。


「ムンッ‼︎」


 裂帛の気合いと共に正拳突きが俺に迫る。


 並の人間ならここで諦めるだろう。

 だが俺はそんな柔じゃない。

 ジン君のこともある。


 正拳突きを左手で俺の隣にある地面に誘導しようと構える。


 未だ、上手く息が出来ない俺にそんな事が出来るのか?


 そんな声が自分から聞こえてくる。


 諦めろ。

 そうすれば楽になれるぞ。


 その声に導かれる様に俺は一瞬、力を抜いてしまう。

 もう、拳は目前に迫っている。


 ............。

 ふざけんなっっ‼︎‼︎

 誰が諦めるかっ!

 俺は俺を殺した人物を見つけて殺すまでは絶対に死なないぞっ!


「うおおおおっっっ‼︎‼︎」


 声に気合いと怒りを入れて、拳と俺の身体の間に左手を滑り込ませる。


 ズドンっっっ‼︎‼︎‼︎



 ....間に合った

 ギリギリ間に合った!

 奴の拳は俺の頭の真横に打ち付けられている。

 すぐに立ち上がり距離をとる。

 チッ、床の破片で側頭部を怪我したか。

 だが、まだまだこれからだっっ‼︎





「しぶとい奴だ」


 奴がそう洩らしたくなるのも分かる。

 俺はまだ奴の攻撃をさっきの一回を除き、一度も食らっていない。はっ、ざまあ〜


「だが、もう終わりだ」


 そう言うと盗賊頭は指を鳴らす。


 バチンッ!


 ?

 何だ?

 何も起こら..


 突然俺の足元が光だす。

 見るとそこには魔方陣が設置してあった。

 しかも範囲は床全体である。

 野郎やりやがったな。

 周りにいた盗賊達の姿が見えない。

 恐らく彼らがこれを仕掛けたのだろう。


「壊れろっ!」


 盗賊頭が声を上げながら馬車から飛び降りる。

 マズイな。

 ジン君が居ないからこれがどんな魔法か分からない。

 どうせ、分かってもヤバイやつなんだろうけど。


 その時、爆音が周囲を貫いた。





 ****************


「終わったか。」

 俺は隠れていた草の中から顔をだす。

 もう、日が暮れていた。

 俺は....アリオスは息を吐き出す。


「少々、やり過ぎたか」


 そう洩らすと周囲から


「アリオスさん!完全にやり過ぎっすよ‼︎何やってんすか⁉︎」

「盗る予定の荷物まで全部吹き飛びましたよ⁉︎」

「、まあ分からないでもないですが。」


 上からタザン、ギャオ、サバラだ。


「うっせえな。サバラの言うとおりお前らにも分かるだろ?」


 そう、俺達は先ほどの奴のせいで一人仲間を失ったのだ。


「荷物は次上手く盗ればいいだろ。....今はあいつを供養する事を考えよう。」


 死体も吹っ飛ばしてしまったが墓は作ってやれる。


「悪いな。俺のせいでこんな....だが仇は取った。後は安心して眠ってくれ。」


 その場に簡単な墓を作ってやり、皆んなであいつを、ラオスを供養してやる。



「じゃあ、行くぞ。」


 盗賊達はその場を後にする。


 ****************





「ふう〜、耐え切ったぜ。」


 俺はボロボロになった木材からガインさんと一緒に顔をだす。

 何に耐え切ったのかって?

 そりゃあ、奴等に飛びかかろうとする俺を諌めるのにだよ。

 ガインさん。

 俺。

 そして、ジン君の分までぶん殴ってやろうと思ったんだけどな。

 流石に奴等、特に盗賊頭のアリオスとかいう人物には勝てない事が分かったから隠れていたが。


「う..ん?ここは何処?私は誰?」


 そんな馬鹿な事を言ってガインさんが起きた。


「ここは道であなたはガインさんでしょうが。えーと、大丈夫ですか?」

「ん⁉︎マコトかっ⁉︎大丈夫だったのか?」

「俺は大丈夫でしたが、荷物と御者台の男が、」

「そう..か、まあ、荷物はしょうがない。御者台の男もまあしょうがないだろう。」


 軽っ!

 人の扱い軽っ!

 どんまい御者台の男。安らかに眠れ....



「何事だっ⁉︎」


 ん?俺の知らない人達がこっちにくるな。

 ひー、ふー、みー、よー、

 4人か。

 誰だろう?....まあ、予想はつくけど。

 ああ、面倒くさい事になりそうだな。もう、日も暮れちゃってるし。


「いやな、俺達盗賊に襲われちまって、今の今までいたから隠れてたのさ。」


 いや、あんた今まで気絶してただろ!

 なんでいかにも、俺がこいつを隠してやったみたいなニュアンスでいってんだよ‼︎


「そうか、まぁ取り敢えず衛士場で事情を聞こうじゃないか?」


 はあ、憂鬱だ。



第1次遭遇は主人公のボロ負けでした。

さて、次は?


次の更新は少し遅くなります。

金曜日あたりを目安としていきます。

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