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異世界でスキル王になるっ!  作者: 黒色鮎
第2章 12星魔獣編

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EXTRA③ vs白牙 ――戦闘編――

銃はにわか知識ですごめんなさい。

そこは目を瞑って貰えると非常に助かります!

……シャーラさんはもう少しピンチが続くようです。

因みに健吾視点です。

 俺が突っ込んでいってもその魔獣は全く動こうとしなかった。

 ただ無防備に寝そべったまま。

 ……いやそれは違うか。

 油断しているように見えて、いつでも動ける体制になっている。

 俺は左右に緩急を付けて動いているが奴の眼は置いていかれていない。


 ……参ったな。

 これは勝ち目が無いかもしれん。


 そんな思考を隠しつつ俺は走りながら両手の銃の銃口を白牙に向ける。


「……発射(ファイア)!」


 地球で言うところの ‘‘ホローポイント”と呼ばれる主にピストルに使われる弾を連射する。

 俺の銃はゲラドには拳銃と言ったが、これは『マシンピストル』だ。

 ピストルに駆動部が付いたマシンガンと考えてくれればいいだろう。

 ピストルならば撃鉄を上げる作業が必要だが、マシンピストルなら必要ない。

 俺が愛用する一機だ。


『ふん!』


 俺が最初に発射した弾が奴に迫る。

 それを一目見ると、徐に前脚を振り上げる。

 そしてそれを振り下ろした。


 ズドン!!


 何て威力……!


 ホローポイントは弾頭がすり鉢のように凹んでいる弾丸だ。

 目標に到達すると先端がキノコ状に変化し、効率良く運動エネルギーを伝達する。

 貫通力が高く、主に狩猟用に使われるほど地球では威力の高い弾丸だ。


 それを前脚だけで……。

 よく見ると床が抉れている。

 どれほどの力を込めたんだ……?


『ふむ、この程度の力で潰れるのか。大したことは無いな』


 あの威力で、"この程度" かよ……。

 はん! 分かってはいたが化け物め……!


 他の弾丸も脚や尾でうち払われた。

 もうこの弾丸はダメだな。


 俺は弾を変更する。

 ホローポイントの弾倉を別の弾丸の弾倉に。

 異世界技術のマシンピストルだから地球では対応していない弾でもある程度は撃てる。

 しかも魔法という概念がある。

 つまり……


「AP弾、属性『毒』!」


 先ほどの弾より大きい弾が連続的に発射される。

 白牙はそれを先ほどと同じように前脚だけで対処する。


「……馬鹿が!」

『……む!?』


 が、威力を殺しきれずに前脚に傷を付ける。

 小さな傷だが、剛腕をもろともしないこの弾は流石だ。

 なのだが……。


「『徹甲弾』でこの程度……。もはや笑うしかねぇな」


 AP弾――armor piercing bullet。『徹甲弾』と言った方が分かりやすいだろう。

 防弾チョッキすらも貫通させる圧倒的威力を有する弾。

 俺はこれを先端を針のように尖らせることで更なる貫通力の増加を図っている。


『驚いたな……。弾を変えてきたのか。だがこれほどの攻撃力……我の剛毛を破るとはな』


 驚くほど冷静にAP弾を評価していた白牙に無数の弾丸が殺到する。


『――だが、これではまだ足りん』


 その言葉と共に俺の弾丸が弾かれた。


 何てこともない、ただの毛によって。


「――な!?」


 アホかよ!

 確かに奴は動いていなかった。

 なのに弾丸が全て弾かれている!

 先ほど貫けたのはなんだったんだ……!

 つうかどんだけ硬いんだよ!


「……!」


 不味い!

 奴が鋭く尖った真っ白い毛を俺に向けて飛ばしてきやがった!

 これは……避けられん!


 諦めてその攻撃を受けようと銃を持ったまま両手をクロスさせる。

 飛んでくる軌道上、頭さえ守ればそれでいい。


 が、いつまで経っても痛みは襲ってこない。

 不審に思い構えを解くと……。


「危なかったなケンゴ」


 ゲラドが剣の切っ先をこちらに向けて立っていた。


「復活すんのが遅ぇんだよ!」


 同時に再度弾を入れ替える。

 これは貴重だからあんま使いたくなかったんだが……。

 こんな状況で出し惜しみなんかしてられるか!


 俺は100発分連射する。

 因みに俺のマシンピストルの最大装弾数は200。

 丁度半分撃った計算になる。


 ていうかまだ撃ってる途中だしな!

 走りながら連射、連射、連射!

 同じ所に留まるとさっきの針が襲ってくる。

 ジグザグに緩急をつけて動き回りながら撃つ。


「はあッ!」


 ん?

 あれは確か《炎魔法》の『炎地獄』?

 あれって結構むずいらしいよな。

 ゲラドってそんなん使えたのか。


 これは……いけるかもしれん!


 ゲラドの放つ炎が地面を舐めるように這いずる。

 炎の軌跡を残しながら。

 周りを焦土へと転じさせながら。

 白牙は動かない。

 そこへ俺の撃った弾が殺到する。

 やはり動かない。

 先ほどの経験から警戒はしてるようだが問題無い。

 目に見えて奴の毛が更に固くなる。

 だから言っただろう?


『――!』


 先頭の弾が奴と接触する。

 と、同時に大量の電撃を迸しらせながら爆発する!

 それが誘爆を引き起こす。

 ちょうど俺は奴を一周囲むように移動している。

 弾幕は多少の誤差はあれど白牙を取り囲むように配置されている。

 それが一斉に爆発する。

 すると……。


「今のように爆発と電撃の檻となって奴の身体を甚振る!」


 そこへ更に追撃が加わる。

 ゲラドの『炎地獄』だ。

 その炎が電撃の檻(電撃は中々消えないもの、残り続けるものを作ってもらった)をすり抜け、檻内を蹂躙する。

 雷に囚われ、中で焼き殺される。

 これでは白牙も流石に死んだだろ。

 即席の連携だが上手くいって良かったぜ。

 念のために策も仕掛けてあったんだが……。

 使わなくて済みそうだ。


 俺たちは軽く視線を合わせると雷と炎が消え、煙がもうもうと立ち込めるその場所へ目を向ける。


「……おいおいマジかよ」

「意外としぶといのだな……!」


 そこには青い雷を纏った1匹の白い虎の姿がそこにあった。

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