第15話 進化
日曜日忙しそうなので今日投稿です。
すいません汗
『条件を満たしました。”人”から”仙人”へと進化させます。』
なんだ!?
進化?
人から仙人ってことは、俺人じゃなくなるの!?
やだよ、見た目が悪魔とか魔物みたいになったら。
それで冒険者きたら「ガオー!」とか言って蹂躙するんでしょ。
・・・ちょっと良いな。
待て待て!
流されるな俺。
人じゃなくなったらマレータさんに嫌われるぞ!
それは嫌だ!
ってことで進化は拒否で!
『不可能です。・・・進化まで残り10秒。』
デスヨネー。
ん?
後10秒!?
準備とかなにも出来てないよ!
『それでは進化を開始します。』
ま、待って!
お待ちになって!!
そんなのが通じる訳もなく俺は意識を失った。
おはようございます!
元気良く飛び起きる。
もう、夜はとっくに明けている。
進化開始宣言から俺は地面に倒れていたようだ。
よく、襲われなかったな。
俺が魔物だったら襲ってるんだけどな。
意識が無い睡眠中の人間。
格好の餌じゃね?
本当よく襲われなかったな。
自分の強運に感謝ですわ。
さて、無事?進化が完了した事だが気になるステータスは・・・
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名称 : 山岸真
種族 : 仙人
耐性 : 状態異常耐性Lv7、混乱耐性Lv5、破壊耐性Lv9
称号 : ”王”(弐)
スキル : 物質の王、 残酷の王、王の眼、王の権限、模倣Lv7、剣の秘術Lv1、空間拡張Lv8、立体機動Lv6、高速演算Lv2、分裂Lv1、召喚Lv1
SP : 10000p
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低位スキルが抹消されていた。
焦ったわー。
『王の権限』というスキルに保有されてるって知らなかったら軽く泣くレベル。
あ、そうそう新しく取ったスキルは
『王の眼 : 《鑑定》の上位スキル。”王の力”(最上位スキル)を一つ所有する事で入手出来る。
《鑑定》では弾かれていた”王の力”(王のスキル)持ちにも対応可能。
効果は自分や他の物体のステータスを見ることができる事。』
『王の権限 : 低位スキルを自由にLv10(マックス)で使用出来る。”王のスキル”二つ所有する事で入手可能。』
との事だった。
王の権限ってチートだよね?
低位限りだけどスキル使い放題だもんね?
ヒャッハー気分で爽快!
今なら鼻歌混じりで女王殺せそう!!
・・・いや、割とマジで。
この身体やばかった。
人族と違う点がいくつかある。
一つが、自分の周りが良く視える事だ。
感知を応用して、その感知した生物を視覚へと送り込んでいるのだ。
そのおかげで前後左右くっきり!
オマケに上下まで!
全方位見える。
土の下まで見ることが出来る。
どっから敵がきても余裕で対応可能だ。
二つ目が、さっきの話にも出てきた感知についてだ。
今の俺が使えるのは『熱源感知』『生命感知』『空間異常感知』だ。
『熱源感知』はあの蛇とかについてる奴だ。
『生命感知』が先程の話に出てきた生命体を感知するものだ。
『空間異常感知』が問題なのだ。
空間の異常を感知する=転移をしてもすぐに把握出来る。
そして、特大魔法も打つ時に空間が揺れるので感知可能なのだ。
無敵だよね?
だって実質俺に不意打ち効かないんだよ?
どんなにヤバイ魔法も避けれるんだよ?
これを無敵と言わず何と言おうか。
三つ目、俺の大事な大事な息子が消えた。
ない事に気付いた時、俺は号泣した。
16年の時を一緒に歩んできた親友が居なくなったのだ。
そりゃ泣くよ。
何より・・・
だってもう○○○出来ないでしょ!
かなりショックだったよ。
アレがもう出来ないなんて。
え?
した事有るのかって?
ほっとけ馬鹿野郎!!
見た目にも変化が起きた。
顔が美形になった。
今までもかなり美形(笑)だったが更に美形になっている。
髪が肩ら辺まで伸びているのでかなり可愛い女の子といった方がしっくりくるかもしれない。
娘も無いけどね。
どうやら俺の性別が無くなったらしい。
”仙人”は生殖機能が無いみたいだ。
そういえば新たにSPっていうのが出てきてたな。
SPっ何ぞや?
王の眼で見てみる。
『SP : スキルポイントの略称でスキルを使用する時に使うもの。
王のスキルはスキルポイントが一回で100以上かかり、上位スキルは50ポイント、中位スキルが10ポイント、低位スキルが5ポイントで使用可能。
普通の人間はスキルポイントが500あれば強い方、魔物はスキルポイントが1000あれば強い方。』
ん?
俺のSPは・・・
「SP : 10000p」
うん!強い魔物の10倍かー。
仙人パネエ。
最強じゃん!
最上位の王のスキル使い放題じゃん!
こりゃ更に無敵になったな。
一息つくとやっぱりあいつの事を思い出す。
ゲラド・ベルヤード。
俺を庇って死んだ人間。
俺のこの世界での唯一の戦友。
くそっ!
もっと早くこの力に目覚めていたら!
悔やみきれない。
自分が許せない。
「あーもう!くそったれが!!」
感情のまま暴れる。
近くで悲鳴やら血が飛び散る音やらが聞こえたが無視する。
たっぷり15分暴れたら落ち着いた。
まあ、時間数える余裕あったから全力で暴れたわけじゃ無いけどね。
落ち着くと、怒りや悔しさよりもある感情が襲って来る。
ーー『虚無感』だ。
もう、どうでもいい、どうにでもなれ。
俺はどうすれば良い?
破壊し尽くせばいいのか?
ならば今すぐやってやるが。
『条件を満たしました。スキル《虚無》を入手しました。』
そうか・・・
今の俺の状態だ。
だから貰えたのかもしれない。
『虚無 : 効果、自分が持つ虚無感を力に変える。自分の虚無感を溜める事が出来る。』
王の眼で見るとそんな効果が分かった。
このスキルのお陰で虚無感が見る見るうちになくなってくる。
良し!完全復活!
皆さんどうもこんにちは!
そんなこんなで虚無感が無くなる。
無くなった事で依頼を思い出した。
「やべっ、マレータさんに届けんの忘れてた!
時間は・・・まだあるな。
けど取り敢えずすぐ向かうか!」
ポツ・・ポツ
ザアアア
雨が降って来た。
何てタイミングの悪さ!
そこまで俺とマレータさんの道のりを邪魔したいのか!
俺は雨の中を走っていった。
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マレータさんの館が見えて来た。
急いだ甲斐があったよ。
じゃあその可憐なお顔を拝見しますかね〜♪
「すいません!マコトですが依頼の品を届けにきました!!」
程なくしてマレータさんが扉を開けてくれた。
「良かった無事だったのですね?・・・あの、貴女は誰ですか?」
「嫌だな〜マレータさん、マコトですよ。マレータさんが依頼を出したマコトですよ。」
「え?え?マコトさん?
えっ!?あのマコトさん何ですか!?」
ガチで分かんなかったの!?
あ、
そっか。
俺の今の見た目可愛い女の子なんだった。
まあ、どちらかといったら男よりだけど髪が長いから女の子に見えるんだよね。
「ああ、すいません。
ちょっと、ある出来事が起こりまして。
でも正真正銘マコトです!」
「そうなんですか、、あれ?ゲラドさんは何処にいらっしゃるんですか?マコトさんと一緒じゃないんですか?」
「っ!・・・・・・。」
言葉に詰まってしまった。
そんな俺を訝しげに見たマレータさんは
「?、じゃあゲラドさんとは別行動か何かですか?早く帰って来て欲しいのですが」
・・・・・。
無言で目を伏せる俺。
「・・・ゲラドさんは、まさか・・・」
俺のこんな様子みたら気付くだろうな。
案の定マレータさんは気付いたみたいだ。
「ゲラドは・・・死んだよ。」
そう、ゲラドは死んだのだ。
俺を守って死んだのだ。
今の俺なら逆にあいつを守れたのに。
「そんな・・・」
マレータさんがそう呟いた。
ふと、空を見上げると雨が止んでいた。
ここから旅立つには丁度良いか。
俺はゲラドが死んだ時から帝国からは去って更に強くなると決めていたのだ。
”仙人”に進化するといった事があったが、俺のその思いは消えていない。
俺にとって力とは自分の身近な人を守る為のものだ。
ならば鍛えるに越した事は無い。
「すいません、、何と申し上げれば・・・
あ!これが報酬の品です。
銀貨を増やしておきましたのでお確かめ下さい。刀【叢雲】もお渡ししますね」
「いえ、刀の方は辞退させて頂きますよ。
俺の方で名刀を入手する機会があったんで。
銀貨を増やして頂くのは有難いです。
生活費として有効活用しますよ」
そう言って、金が入った袋を貰う。
確認して下さいってことは見て良いんだよな。
なら遠慮なく。
うおっ!?一杯入ってる!
ひー、ふー、みー、よー・・・
数えられないな。
ラッキーだぜ!
結局、数えたら銀貨20枚入っていた。
金貨2枚だな。
うん、後はアイテムボックスに入ってる要らないのを売れば金貨3枚の借金は払えそうだな。
「じゃあ、俺はそろそろ行きます。
少しの間だったけど、お世話になりました!」
「いえ、とんでもありません!こちらこそこんな我侭をすいません。・・・お気をつけて」
「有難うございます!それじゃ」
扉を開ける。
息を少し吸い込むと俺は街の方を見る。
あそこまでなら5分もあれば余裕だな。
そして、走り出す。
ヤマギシ・マコトの旅立ちはもうすぐだ。
次話は1週間後の予定です。
・・・早くなるかも。