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異世界でスキル王になるっ!  作者: 黒色鮎
第1章 帝国編(序章)
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第13話 決死の戦い〜前編〜



 なあ、おい嘘だろ

 何でお前が......


 ああそうか!

 まだ生きてるんだよな!

 ったく、水臭いなあ。

 なら早く顔を見せてくれれば良いのに。

 おい、早く出て来いよ!

 良い加減俺も怒るぞ!



 目の前でゲラドは光に飲み込まれた。

 その現実を俺は見る事が出来なかった。


「おい、ゲラド!

 怒んねえから出て来いって!

 しょうがないから一緒に旅するのも許可してやるよ!」


 この場に居ないゲラドに向かって叫び続ける。


「冗談も良い加減にしろっ!

 早く出て来い!!」


 心では理解していた。

 だが、脳がそれを許さなかった。


 ーーゲラドは死んだ?


 ーーな訳ないだろう。あの頑丈な阿保貴族がぽっくり死ぬ訳が無い。


 ーーだよな、死ぬ訳無いよな!


 ーーだから、、、



「返事してくれよ!!ゲラド!!!」


 何処からも返事は聞こえて来ない。

 それどころか周囲の音も何一つ聞こえて来ない。


「・・・・・・?・・・!?」

 ”・・・・。・・・・”


 爺さんと龍が何か言っているが聞き取れない。


 俺はやっと認めた。

 ゲラドはこの世に居ない、と。


「っっ!!」


 涙がこみ上げて来る

 あ、れ、、

 俺なんでこんな悲しんでんだろ。

 ゲラドとは2日前に会ったばかりなのに。

 最初はムカついてたのに。

 なのに何故こんなに、こんなに悲しいんだ!?

 ゲラド!

 くっ!

 ・・・あいつら絶対許さねえ

 絶対殺してやる!!


 その時、声が聞こえて来た。


 ーー汝、力が欲しいか?


 この声は?

 だが、今の俺には関係無い。


「・・・欲しい!俺に力を寄越せ!!!」


 ーー確かに聞き届けた。祝福を授けよう!


『条件をクリアしました。スキル《物質の王(キムラヌート)》を入手しました。

 スキル《残酷の王(アクゼリュス)》を入手します・・・失敗。

 再度実行します・・・低位スキルを生贄に実行します・・・成功。

 《残酷の王(アクゼリュス)》を入手しました。』


 これが、力......

 漲ってくる!

 そして、スキルが囁く。

 ーー殺せ、と


 倒れていた身体を起こす。

 無理に起こしたせいで左腕が肘から千切れる。

 夥しい量の血が流れるが無視する。

 今の俺にあるのは


「殺すっ!!」


 これだけである。


 流石に俺の異常な様子に気づいたのかあからさまに警戒体制をとる爺さんと龍。


 ーー今更警戒しても遅いんだよっ!!


 俺は虚空に手を向ける。

 そこに光が集まってくる。

 その数12。

 不可解な現象を見た事で更に警戒を強めたのが気配でわかる。


 光は徐々に濃度を増していき、やがてある物の姿をとる。

 それは『大砲』。

 故郷日本にある災害級の兵器だ。

 出現したのは最初に出てきた光の数と同じで12門。


 見た事でがない武器に固まる爺さん達。

 今の俺にはそれすらも致命的な隙だ。


 ズドンッッ!!!


 俺の最速で突っ込む。

 突っ込む途中で《物質の王(キムラヌート)》の”無錬成”で剣を作り出す。

 作り出した剣は【村正】に勝るとも劣らない一級品だ。


 勢いを殺さずに剣を龍に向かって叩きつける。

 こいつが、ゲラドを殺したから最優先はこいつだ。

 爺さんは後で甚振ってやる。


 ”くっ!”


 ぎりぎり間に合った爪で俺の剣を迎え撃つ龍。


「甘い!」


 その言葉通り、爪をバターのように切り裂く俺の剣。


 ”馬鹿な!?最強の龍の爪だそ!?”

「ならお前は最強じゃないって事だ!!」


 逆袈裟斬りで斬りつける。

 それを飛翔する事で回避する龍。


 ”貴様でも上空まではこれまい!

 なら上空から先程の技で塵にするのみ!

 ・・・あいつのようにな!!”


 お前それゲラドの事か?

 ゲラドの事なのか!?

 俺の親友(・・)の死を冒涜するのか!

 やはり貴様は殺す!!

 最初から許す気は無かったが絶対殺す!


 俺は力を溜め始めた龍を尻目に跳ぶ。

 否、飛ぶ。


 ”なっ!?飛べるようになっていたのか!

 だが、空は我がテリトリー。勝てると思うなよ!”


 は?

 手前のテリトリーとか関係無いんだよ。

 お前は俺の獲物。

 狩られるだけの生物なんだよ!


 こちらに向かって高速で飛んでくる龍。

 そこで、俺は剣を手放した。


 ”ぬう!?”


 龍の驚いたような声が聞こえるが無視。

 拳を構える。


 ”人の矮小な拳で我に立ち向かうか?

 ならばそれが無意味であると知らしめてやろう!”


 よく喋るトカゲだな。

 そのムカつく面、今すぐ黙らせてやるよ。


 ”死ねっ!!”


 爪が迫ってくる。

 成る程、爪に《腐食》Lv8がのっている。

 だから奴は自信満々なんだな。


 ........身の程知らずはお前だ!!


 たかだか《腐食》だけで勝ったと思うな!

 俺には無意味だ!


残酷の王(アクゼリュス) : 最上位スキルの一つ。”撲滅”、”腐敗”、”無慈悲”を持つ。

 耐性に”破壊耐性Lv6”、”精神耐性Lv7”を持つ。

 進化条件は不明。』


『撲滅 : 自分の周囲15mを一瞬で破壊する。』

『腐敗 : 《腐食》の進化スキル。《腐食》よりも高い効果を持つ。対象を一瞬で腐らせる。』

『無慈悲 : 精神攻撃の中の上位攻撃。相手の心を折る攻撃をする。』


 この『破壊耐性』に腐食耐性が付いているから限りなくダメージを減らせる。


 龍の爪をあえて右手で受ける。


 ”何っ!?何故《腐食》Lv8が効かんのだ!”


 右手で爪をがっちりと掴む。

 一斉に大砲がこちらを向く。

 もう、弾は入っている。


 ドンッ!!


 12門の大砲が一斉に火を吹く。


「むんっ!」


 ちっ

 全て爺さんの魔法で防がれたか。

 だが、爺さんには両足を吹き飛ばすという大ダメージを与える事に成功した。

 直ぐに復帰は無理だろう。


 ”貴様!よくもバランスを!!”


 この爺さんバランスって言うのか。

 くっそ、どうでも良いけど。


 突然、龍が吠えた。

 仲間でも呼んだのか?

 そしたらそいつらも全部殺すだけだが。


 仲間を呼んだわけでは無いらしい。

 ただ、気合いを入れただけのようだ。

 その声に呼応するかのように力が数倍に膨れ上がる。


 かなりデカイ力だ。

 ここら一帯は灰にできるほどの力だ。


 ”喰らうが良い!覇龍震滅破(ドラゴンエンド)!!”


 ほぼノータイムで放たれる特大の光線。

 俺が今まで会った奴等が喰らえば何度か死ねるであろう極大光線が俺に迫る。


「確かにかなり強い力が込められているな。

 だが、これ以上の攻撃で相殺してしまえば造作も無い!」


 それだけ言って、最大威力の『撲滅』を放つ。


 キィィン!

 カッ!

 ズバッ!!


 余裕で奴の攻撃を潰していく。


「さあ、死ねっ!!」


 ”我が......我が、、死ぬ?

 馬鹿な!そんな馬鹿な!!

 我はまだ死なーー”


 龍に殺到する破壊の渦。

 ついに龍が飲み込まれる。



 今、龍が一体消滅した。

次回の更新は金曜日です。

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