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異世界でスキル王になるっ!  作者: 黒色鮎
第1章 帝国編(序章)
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第8話 デルタ密林(2)

前回書けたものの2作目です。

 俺達は今、侵入口から2kmの所にいる。

 デルタ密林は巨大な森林なので2kmといっても大した進展は無い。

 ....敵との交戦を除けば。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 名称 : エアホーネット

 固有スキル : 虫の報らせ

 スキル : 毒針(LV3)・速度強化(LV4)

 備考 : ホーネット種のノーマル種。

  毒針の毒は神経毒と毒(中)の2種類。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 俺たちが闘っているのはバカでかい蜂だ。

 大きさが俺の身長より少し高いくらいあるのでだいたい2m位ある。


 ーー『エアホーネット』


 固有スキル”虫の報らせ”の効果で半径5m以内の動物の位置を把握できる。

 毒も神経毒が麻痺効果があり、食らうと一定時間麻痺してしまう。

 耐性(レジスト)は可能。ただし、Lvに釣り合う程度の毒しか防げない。

 弱点は頭部に生えている角。


 これがゲラドの説明だ。

 ...何気にゲラド優秀なんだよね。

 こりゃあ連れてきて正解だったな。


 えっ?俺はゲラド置いていこうなんて思った事有りませんよ。はい。


 ブォン!


 危なっ

 エアホーネットが低空から高速で動く羽根で攻撃を仕掛けてきた。

 すんでのところで直撃は回避する。

 だが、かすった数本の髪の毛が宙を舞う。

 やってくれたな?

 今度はこっちの番だ!

 俺は空高く飛んでいるエアホーネットに向けて《魔法》閃光弾(スタングレネード)を放つ。


 閃光弾は相手の目を眩ませる、『光魔法』の一種で光の玉を撃つ魔法。

 それ自体での攻撃も可能。

 だが、Lvに見合った威力しかでない。


 ピカッッ!!


 光るタイミングに合わせて俺は目を背ける。

 刹那、目を開くと地面に向かって落ちてくるエアホーネットの姿が見える。

 着地点に全力で向かうと俺は《剣術》Lv5の”固有技”『残像剣』を放つ。

 これは、ゲラド君から《剣術》をコピーさせて貰ったとき(無断)、俺の剣術スキルがLv5になった時に入手した技だ。

 Lvが5以上の時そのレベルにあった固有技が手に入るらしい。

 こうしてゲッツしたのが『残像剣』である。


 曰く、剣が速すぎて目で追える範囲に残像しかなかったから。

 曰く、手にした人物が速すぎてそいつ自身が残像を残して移動するから。

 様々な憶測が飛び交っているが、予想通り


『残像剣』とは、ただ物凄く速い上段斬りの事である。


 速いだけか

 と、馬鹿にしてはならない。

 確かに速いだけの攻撃だが、そのスピードが尋常では無いのだ。

 実際、残像が残る。

 俺が試してみた時は、あまりの速さに、狙っていた物の後ろにまで斬撃が届いていた。


 そんな攻撃がエアホーネットに迫る。

 だが、エアホーネットは目が眩んでいて動けない。


 スパンッ!


 いい音を響かせながら真っ二つに割れるエアホーネット。

 虫らしい緑の血が溢れ出す。

 俺の余裕勝ちだぜ!ひゃっほーい





 ふと、周りに目をやると、


 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 名称 : クイーンホーネット

 固有スキル : 配下喰(パワードレイン)・虫の報らせ

 スキル : 毒針(LV9)・速度強化(LV8)・身体能力強化(LV4)

 耐性(レジスト) : 状態異常(LV3)・水属性

 備考 : 女王(クイーン)。配下を喰うことで身体能力が上がる配下喰(パワードレイン)を持つ。全てにおいてエアホーネットを凌駕する力を持つ。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 化け物と必死に闘うゲラドの姿があった。

 あの馬鹿!何て奴に喧嘩売ってんの!?

 慌ててサポートに入る。


「すまん、助かった。

 私一人では荷が重すぎる。」


 だろうな

 側から見てても危ない場面が多々有った。

 でも、俺が闘いに参加しても状況は改善されていないと言える。


 俺達2人の攻撃を空中に浮くことで回避する女王。


 これだ

 空中にいる限り俺達に勝機は無い。

 だから先ず地面に撃ち落とす必要がある。

 だが、女王は耐性《状態異常》Lv3を持っている。

 耐性《状態異常》を持つものには、その一つ上の段階の攻撃を使わないと効果が発揮されない。

 例えば、《状態異常》を持つ敵に『毒』ではなく、『猛毒』なら効くといった塩梅に。

 閃光弾(スタングレネード)もスタンを引き起こすもので、スタンは状態異常に含まれる。


 ーー八方ふさがり


 そんな言葉が頭をよぎる。

 それを頭を軽く振る事で否定すると、

 もう一度低空飛行に戻った女王に『残像剣』を放つ。


「うおおおお!」


 その一撃を女王は尻に有る毒針を掲げる事で防ぐ。


 キイイン!


 互いに弾かれ合う俺と女王。

 弾かれてどちらも一時停止(スタン)に陥る。


 ....こんな隙を逃すゲラドでは無い。

 スタンだと判断するや否や、『剣突(スパイク)』を放つ。


『剣突』

 相手に向けて渾身の力でジャンプ、その勢いを殺さず全体重を掛けて突きを放つ。

 これが、《剣術》Lv6の固有技だ。

 悔しい事にゲラドは俺より剣術スキルのレベルが上だ。

 これを知った時は、

「ゲラドの癖に生意気だ!」と思ったりした。

 実際、ここで出来るだけレベルを上げて行こうと思っている。

 いつまでもゲラド君に負けている俺では無いのだ!


 ゲラドの放った『剣突』が女王の頭を捉える....瞬間、女王のスタンが解けた。

 しかし今更スタンが解けても攻撃は確実に当たる。

 ここで、女王は信じられない行動に出る。


「ギュアアア!」


 不気味な声で鳴くと、自らの腕を引きちぎった。

 この間僅か1.5秒。

 そのまま千切った腕を『剣突』で超加速されている剣の前に翳したのだ。


 ザクッ!


 剣が女王の腕に突き刺さる。

 だが、剣の勢いはまだ止まらない。


 しかし、女王は腕に剣が突き刺さる一瞬を利用して身体を僅かに反らす。

『剣突』は惜しくも女王の身体を掠らせるだけで終了した。

 直後訪れる技後硬直。

 身動きの取れないゲラドを間一髪救い出す。


 ブォンッッ!!


 風切り音からしてヤバイ一撃が俺達の後ろから聞こえてくる。

 喰らったら一撃死だな

 危ねえ!死ぬかと思ったわ!

 こっちはゲラド引っ張ってるからろくにガードも出来ないんだぞ!!



 ん?

 俺がどうやってゲラドを救い出したか?

 それは簡単。

 女王がスタンから回復した時俺も同タイミングでスタンから回復していたのだ。

 そして、『剣突』が止められた瞬間、『残像剣』でゲラドの近くまで移動し、そこで腕力だけで(補正付き)、剣を振り下ろしたのだ。

 これにより『残像剣』が終了と判断され高速で移動出来たのだ。

 俺はこれを『システム外スキル』と呼んでいる。

 読んで字の如く、システムの判断外の効果を及ぼすからだ。

 今回の『残像剣』も攻撃スキル。

 それを無理やり移動(・・)に使っているのだ。システムの思惑の外だろう。



 俺がゲラドを救い出すと女王は怒ったように顎を鳴らす。


 ガチッガチッ!


 ....嫌な音だ。

 さっさと蹴りを付けよう。


 先ずシステム外スキル『残像移動』を女王に向けて行う。

 すかさず宙に浮く女王。

 そんな女王に対し俺はそこら辺に落ちている石を投げつけた。....閃光弾付きで。

 石を破壊し光輝く閃光弾。

 だが、女王は状態異常耐性Lv3を持っている。

 目が眩むことは無いだろう。

 その通り、女王は光を気にも留めず低空飛行へと切り替える。否、切り替えようとする。


 ジュッ!!


 その音は女王の羽根付近から聞こえた。

 そして重力に従い2対の羽根が根本から落ちていく。


「?....!ギュアアアア!?」


 はは、何故だって目をしてるな

 だったら教えてやるよ何故お前がそんなダメージを負ったか。


 石と一緒に放った閃光弾、これがポイントだ。

 俺が女王に向けて攻撃している間ゲラドはここに居なかった。

 そう、俺はゲラドに女王の背後に回り込むように言ったのだ。

 ”虫の報らせ”の効果範囲は5m。

 更に後ろへとゲラドをまわり込ませたのだ。


 俺が《物質錬成》Lv3で作った鏡を何枚かもたせて。


 もう、分かったね?

 俺の閃光弾の光を鏡で凝縮させて女王の羽根に当てた。

 これがカラクリだ。


 まあ、奴には教えないし、教えても理解出来ないだろうけど。



 背中を押さえながら俺を睨む女王。

 残念だったな

 飛べなければこっちのもんだ!

 今度は本当の『残像剣』を放つ。

 敵背後から俺に当たらない角度でゲラドも『剣突』を放っているのが見える。

 どちらもとんでもないスピードで女王へと迫る。

 なす術もなく女王は....





 こうして嘗て無いほどの強敵との闘いは幕を閉じた。



 そういえば言ってなかったが、俺が何故あんなに情報を持っていたのかというと、ゲラドに聞いたのも少しはあるが、《鑑定》がLv6になったからだ。


 何故だって?

 まあ、これもシステム外のLv上げ方法を発見したからこんなに育ったのだ。

 その方法とは....


 ーーその辺に有った草や木など《鑑定》しまくったからだ。


 だから、半日(・・)たった今でも2kmしか進めて居ないのだ。

 そのおかげで《鑑定》のLvが上がったから良いけどね。


 むっ?

 おお、クイーンホーネットの経験値が入って来た!


『経験値が一定になりました。

 《力強化》がLv10に成りました。《防御強化》がLv8に成りました。《速度強化》がLv7に成りました。《身体能力強化》がLv6に成りました。他スキルもLvが上昇しました。

 《力強化》を《破壊(ブレイク)》へと進化します。』


 おおっ?


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