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ピエロ

作者: 神楽慈雨

本当はなんにも分かっていない大人たち。

時間が経つにつれて思考はどんどん明瞭になっていく。

でもそれに伴ってココロはどんどん病んでいく。

病み始めたココロはもう誰にも止められない。

自分では分かってる。

少し前まではココロに仮面を着けて頑張っていたんだ。

治そう治そうって。

張り切ってたけど駄目だった。

結果は疲れただけ。

小指の先ほども治ってない。

だから()めるのを()めた。

自分のココロに素直になることにしたんだ。


『勉強はしたいけど学校には行きたくない。

お腹は空くけどご飯は食べたくない。

外を歩きたいけど家から出たくない。

生きていたいけど起きているのが面倒くさい。』


矛盾って可笑しい。

なんでも貫く矛となんにも通さない盾。

それを売っていた商人はまるで道化師(ピエロ)だ。


道化師(ピエロ)は面白い。

だから観客は笑う。

戯けた仕草と愛嬌のある笑顔は笑いへと誘う。

誰もがその仮面に惑わされる。

でも観客は道化師(ピエロ)の掌で転がされているだけ。

それに気づいているのは道化師(ピエロ)唯一人。

観客はそれに気づかないから笑う。


だから道化師(ピエロ)は笑う。


くすりと笑みを零したとき、不意に隣から話しかけられた。


それが誰かなんてどうでもいい。

視線は上げないまま耳だけ傾けてあげる。


「楽しい?」


笑って何が悪いのかな。

決まっているじゃないの。


『楽しいですよ。とっても』


話しかけたくせにその応えに驚いた相手は、少し笑みを滲ませた唇で好奇心たっぷりにこう尋ねた。


「何が楽しいの?」


やっぱりなんにも分かってない。

何時迄経ってもきっと分かんない。


仕様がないから教えてあげる。

それもとびきり分かりやすく。

そうだな。

即興で物語を作ってあげよう。

最後に問題を出すから、しっかり聞いていてね。


話し終えたワタシは、道化師(ピエロ)がするように両手を掲げて笑って見せた。


『さあ、女の子は何故笑ったのでしょう…?』


はじめまして。またはお久しぶりです。


女の子の小さな悩みを感じていただけたら嬉しいです(*^^*)


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