第七章 「闇を持つ者Ⅱ」
〈闇を持つ者Ⅱ〉
「助けて!怖い、怖いよ!!」
まだ、幼い私は、必死に助けを求めていた。
それが、私の最後だったから。この体で生きられないから。
もう、全てを失ったのと同じだ。
この世の狂った時間が進んでいくのが、不思議だった。
助けを求めて、誰も助けてくれなくて。
遠くの方では、私の母が必死に抵抗している姿が見えた。
でも、すぐに蹴散らされた。
私を襲った悲劇は、私を「世界変化」への道へ誘うことになってしまった。
暗いこの部屋で、私は弟と一緒に・・・・。
この物語は、どこまで進んだだろうか?
だいぶ、真実へ近づいているのかいないのか分からない。
私の過去の前フリはここまでとしよう。
もっと、知りたいって?
前にもそんなことを聞いたような気もするがな。
私の過去に何があったかは、もう少し先の話としよう。
私は、ある人物とのつながりで変わってしまったのかもしれない。
「やぁー、久しぶりだね。も、カーラス。君に伝えたいことがあってきたんだけど
良いかな?」
「ええ、いいですよ。それで、伝えたいこととは何ですか?」
「実はね、面白い子見つけちゃったんだ!ある中学校の体育館の裏で偶然見つけちゃってさー!
よかったら、その子も仲間にしてもらいたいなーなんて思ってるんだけど、ダメかな?」
「別に構いませんけど、どいう子なんですか?その子は」
「う~んそうだなー、ちょっと弱いところがあって、恐怖を最近知ったんだよねー!」
「恐怖ですか?そんなもの、誰にでもあるものじゃないんですか?」
「普通はね。でも、僕が呪文を掛けるとー、あら不思議!恐怖がなくなっちゃうんだよねー!
なんてのは、冗談だよ。僕の力は知ってるよね?」
「はい、前にお話を聞かせてもらいましたから」
「このことを知ってるのは、君とそしてあの子だけなんだ。これ以上は、知られたくない。
だから、くれぐれも気をつけてね。あまり、他人にベラベラしゃべると僕も気が長いほうじゃ
ないんでね!」
「分かってますよ。ご安心ください。あなたとの約束は必ず守ります。命に代えても!」
「分かってくれたなら、良いんだ!それじゃー、僕はこの辺で失礼するよ。また、どこかで会おう」
私の精神が保てるのは、あの方のお蔭。
だから、秘密は必ず守り通す!!