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第五章 「ある春の日に」

〈ある春の日に〉

随分と暖かくなった。

春風がそよそよと吹いている。

桜もこの時期には、満開だ。

そんな、桜並木を私達はグダグダと会話をしながら進んで行く。

「気持ちいいですねー!いよいよ春って感じです。」

ライアがそんなことを口にした。

それに答えるかのようにカーラスも言う。

「本当ですね。桜もこんなに満開です。お花見でもしたくなりますね」

「でも、僕達の目的は他にあるんじゃないの?」

そう言ったのは、ユキトだった。

さっきから、能力のコントロールに戸惑っている。

人にぶつかっては、能力を使いの繰り返しだ。

私は、昔から持っている能力でなんとかやっているが、ユキト達にとっては

大変なことなのだろう。

ぶつかる度に「ごめんなさい」と言って歩いているユキトを見ると

なんだか、ぎこちなく見える。

今のメンバーは、4人。

あと1人欲しいものだ。最初から、カーラスと決めていたこと。

それは、メンバーは私達を含め5人にするという決め事。

なぜ、こんなことになったのかというと、

単純なことだ「大勢いると手間が掛かる」という理由だった。

私も、そのことに賛成だった。

大勢いるとなにかと厄介だ。それなら、いっその事「5人」と決めておけば、

手間も掛からずに済む。


「ところで、まずどこを変えるんですか?」

ふと、ライアが私に聞いてきた。

そうだ、私はリーダーという立場だったのだ。

すっかり、忘れていた。

「そ、そうだな。カーラスに聞いてみたらどうだ?」

焦った私は、カーラスに聞くように言った。

なんと恥ずかしいことだろう。リーダーの私がもっとしっかりしなくては。

「そうですね。いきなり大物狙っても失敗するでしょうからね。

 それに、能力もコントロールしないといけませんし、

 まず、学校から潰しますか」

学校からか、ユキトにとっては嬉しいことだろう。

「学校を潰す」ということは「同級生を不幸にできる」ということにもなる。

これは、ユキトにとって喜ぶべきところだが、なぜかユキトは震えていた。

何が怖いのだ?と私が思っていると、ユキトが言った。

「学校は後にしませんか?僕まだ、能力使いこなせていないし、迷惑かけるだけですよ」

そういうと俯いてしまった。

「でも、学校からの方がいいですよ。ユキト君が能力を制御できるようになったらで考えておきます」

「あ、ありがとうございます」

私的には、どこから襲おうと構わないが、ユキト達にとっては選択を強いられる。

なにせ、人を不幸にしたりするのは初めてのことだろう。

私の望みは、「人間を消すこと」だ。

この世に居てはいけない存在。人間。

それは、罪の重なりでできているようなものだ。

何をするにも、争いをする。

そんなことを許して良いのか?いや、絶対許してはいけないのだ。

なんにせよ、人間を滅ぼせれば十分だ。

「そういえば、ライアは能力のほうは大丈夫なのか?」

私は、ライアがいることをすっかり忘れてしまっていた。

私がそう聞くと、「ああ、大丈夫ですよ。制御できるようになりましたから」

そう言った。なんて、上達の早い子だ。音楽をずっと習っていたと聞くがその影響なのか?

そんなことを思う。

どっちにしろ、世界を変えるという目標に向かっているわけだ。


不意にカーラスが足を止めた。

そして、視点を一点に集中させている。

よく見ると、そこには不思議なオーラをした女性が立っていた。

かなり痩せているに加え、服もボロボロになっていた。

「カーラス。あいつを知っているのか?」

私がそう聞くと、「いいえ、ちょっと不思議なオーラを感じたので気になっただけです」

確かに、不思議なオーラだ。

何か、寂しいような顔立ちだった。

どこかで、悲しいことがあったのかもしれない。

女性は、私達をじっと見ていた。

何かを訴えるような目で見ていた。

カーラスは、その女性に近づいて行った。

女性は、恐々しい表情をした。

カーラスは、一歩一歩女性に近づいていく。

女性は、それを見てあとすざりをする。

しかし、カーラスの方が一歩速かった。

女性に近づくと、不気味なオーラを出して、こう言った。

「とっとと、この世を去れ!お前は、ここに居てはいけないのだ」と。

その言葉を聞くと女性は、その場に倒れ込んだ。

カーラスは、何事もなかったかのように戻ってきた。

私は、「何が起きた」と聞くとカーラスは、「何も起きていませんよ」と答えた。

しかし、私は見た。カーラスが女性から何かを吸い取るのを。

何かを吸い取るのを私は、確実に見たのだ。

私がぼーっとしていると、カーラスが「先を急ぎましょう」と言ってきた。

私は、仕方なくカーラスについて行った。

女性の横を通りかかった時、私の目に飛び込んできたのは、彼女の死体そのものの顔だった。

私は、慌ててカーラスを止めた。

「これは、どういうことだ!死んでるじゃないか、お前は平気で人を殺せるのか!ここでは、

 私がリーダーだ!私の指示に従え!」

こいつは、何を考えている?私の指示に従うのがあたりまえだろ?

なんせ、私がこの中でのリーダーなのだから。

そもそも、私をリーダーにしたのは、カーラスお前だろ!


私は、動揺を隠せなかった。初めて、人が目の前で死んだのだ。

私は、カーラスを怒鳴り散らした。

すると、カーラスは、

「私は、何もしていませんよ。彼女が自ら死を選んだのです。私は、その手助けをしてあげた

 だけのこと、何がいけないのですか?」

カーラスの目を見ていると、なぜだか諦めるしかないという気持ちになる。

それは、カーラス自身にあるオーラのせいだろう。

会った時から、彼女自身のオーラは不思議なものだった。

それが、怖いとかそういうことではない。

ただ、カーラスがこれからどういう動きをするのかが心配なのだ。

もし、また今回のように人を簡単に殺したりしたらと思うと、心配だった。

カーラスの目やオーラは、冷たいような感じがした。

まるで、何かを隠しているような・・・・・。


そんな、感じがした。



「ねぇ、計画は順調?いやいや、順調かなーって思っただけ。それにしても、仲間の前で

 人を殺しちゃうなんて、君も考えたね。でも、これ以上人に君の秘密を話しては

 いけないよ。分かったかい?大丈夫、君の秘密は僕だけが知っているんだ、

 僕も君の秘密は、誰にも言わないから、君も僕のことを誰にも言わないでくれよ。

 それじゃ、また。」









投稿が遅くなってしまいました。

ここまで、私的に意味不明なのですが、続きを楽しみにしていてください。

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