表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/20

第十六章 「語られる真実」

〈語られる真実〉

「んんん~あっ」

目を覚ますと、ベッドの上にいた。

そこは、カーラスの部屋だった。

そうだ、私は気を失って・・・それから・・・どうしたんだっけ?

何も覚えていない。

気を失ったこと。ただ、それだけをはっきりと覚えていた。

「おや、お目覚めですか。リーダー」

その声は、カーラスか?

「随分と長い睡眠でしたね。あなたは、眠らなくても生きていける身体なのに」

「えっ?そうだったのか?私は、全然知らなかったぞ!」

「気がつかなかっただけですよ。きっと」

カーラスは、普通に笑っていた。

いつもと何も変わらない、笑みを浮かべて私を見ていた。

私は、身体を起こして立とうとした・・・が、足がすくんで立つことができない。

それに、身体も少しだるい。

「おい、カーラス。お前、私にいったい何をした?」

私は、気を失った前後を覚えていない。

だったら、それまでに何があったのかを直接聞くまでだ。

「少し、能力を分けてもらいました。あなたの不老不死の能力をね」

「私の能力を奪って、どうするつもりなんだ」

そう聞くのは、ダメなことだと分かっていた。

でも、どうしても理由が知りたかった。

「何度も言っているでしょう。そのことに関しては、まだ話せないと」

カーラスから返ってきた言葉は、以前のものと変わらなかった。

私は、ついに怒鳴ってしまった。

「いい加減にしろ!!話したくないとかまだ話せないとか、なんなんだ!

 都合の良い事ばかり押し付けるな!私は、お前の本当の姿が見たい!!」

私の表情にカーラスは、しばらくキョトンとしていた。

そして、不敵な笑みを浮かべて笑った。

「くくっ、ははは!何ですか急に怒鳴りつけて。怒りに狂うほど私の本性が知りたいのですか?」

「知りたいに決まってる!いままで、何も話してこなかった。いや、話すのを遠ざけてた。

 そんなに知られたくないのか?知られたらまずいのか?」

私は、半泣き状態だった。

これまで、一緒に過ごしてきたのに、自分のことを何も話そうとしないカーラスに

いつしか怒りを覚えていたのだ。

カーラスは、私のことを知っている。なのに、私はカーラスのことを少しも知らない。

そんなことがあってたまるか。

頼む!教えてくれ。お前の本当の姿を。

カーラスは、私の顔を眺めると重い口を開いた。

「仕方ないですね。教えてあげますよ。私の本当の姿を、でも後悔だけはしないでくださいね。」

そう言うと、カーラスはゆっくりと話始めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ