魔法少女は修行中なので
「次こそは成功するはず!」
深い森のなか、1人の少女が魔方陣を書いている
「ちゃんと文献通りにやってるのにー!どこがいけないっていうのよ!」
少女はかれこれ二日ほど前からこの場所で魔方陣を使った召喚魔法の実験を行っていた
だがいっこうに成功する気配はない、センスがない
「もー、せっかく『誰でも簡単!召喚魔法入門編』って良さげな本見つけたと思ったのに!ぜんっぜん使えないじゃない!」
少女は本を地面に叩きつけ、そばにあった大岩に腰かけ水を飲む
「こんなんじゃまたあいつらにバカにされる!こうなったら意地でも成功してみせるんだから!」
少女は空をみあげて雲の流れを追う
ドサッ
少女は身体を起こし、音のした方を見る
そこはさっきまで少女が召喚魔法を実践していた魔方陣の上
そこには身体中が血まみれの少年が倒れていた
「え!え!なにこれ!」
大岩から飛び降り少年に駆け寄る少女
「もしかして成功!?私やった?やっちゃった!?てかなんで血まみれ?生きてるの?」
「……う、うぅん」
「わっ!生きてる!とりあえず運ばなくちゃ!」
「……う、ミ、ミリガル兄様……」
「あら?気がついたみたいね」
ミリガル兄様に飛ばされ、気を失っていた僕はピンク一色の部屋のベッドの上で目覚めた
「血だらけだったわりに傷ひとつないんだもん。驚いちゃった」
「……え?君は?それにここはどこですか?」
「私は魔法使い見習いのマリア・マリオン・イルベル。マリアでいいわよ!そしてここは私の部屋!あなた見たところ魔族よね?私の召喚魔法で現れたってことはあなたは私の魔物ってことよね?」
「……」
「どうしたの?これからお披露目会よ!ついてきなさい!」
ジャラジャラ
「……あの、それは」
「これ?首輪に決まってるじゃない。いくら召喚魔といえど魔族を放し飼いにはできないのよ!でも驚いたわ。召喚魔法で人型の魔族を召喚するなんて前例ないんじゃないかしら、まあ才能ってやつ?」