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ミリガルとスフル

「ミリガル兄様が呼んでる?」


メイドは用件を伝えるとすぐ立ち去ってしまった

葬儀を終えたといえ、やはりまだやることが多く残っているのだろう



ミリガル兄様には幼いころよく勉強を教えてもらっていた


病弱で外に出ることの少ないミリガル兄様は、事故により安静を余儀なくされた僕の相手をしてくれていたのだ


他の兄弟とは違い、知識豊富で物事を冷静にとらえ的確な判断をくだすミリガル兄様に幼いころの僕は憧れを抱いていた


時間が経つにつれ、外で他の兄弟たちとガイズ兄様の戦闘訓練を受けるようになり自然とミリガル兄様と関わることが少なくなっていった



「ミリガル兄様、スフルです」


「開いているよ」



ミリガル兄様の部屋は小さい頃のままだ

部屋のなかは書物で溢れかえっており、足の踏み場もないほどだ



「久しぶりに来てもらったのに散らかっていて悪いね」


「お変わりないですねミリガル兄様」


部屋の散らかり様を気にするミリガル兄様の昔と変わりない姿に僕は安心感を抱き、思わず笑みがこぼれる



「スフル、単刀直入に用件を話そう、家督相続のことだよ。これからブラッドランド家は身内同士で争うことになる」



ミリガル兄様は微笑みを崩すことなく僕を見つめながら話を続ける


「僕はね、スフル。君にこの争いから離れていてもらいたいんだ。僕にとって君は大切な弟なんだよ、他の兄弟とは違う。こんな僕とも普通に接してくれた君を傷つけたくないんだ」



最後のほうは悲しそうな表情をしていた

ミリガル兄様が他の兄上達からどのように接せられてきたのか僕は知らない

ガイズ兄様からミリガルと深く関わるなと忠告されたことを考えるとあまり良い関係だったとは言えないだろう



「ミリガル兄様、唐突過ぎて話についていけません。家督はガイズ兄様が継がれるのではないのですか?」


「スフル!君はなにも聞かされていないのか!?」


僕の返答に驚きを隠しきれずミリガル兄様は大きな声を出した



「ガイズや他の兄弟からなにも聞かされていないのか!?」










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