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ブラッドランド家のしきたり

ブラッドランド家は元々魔界でも小さな領土しか持たない家柄だった

しかし古来から続く人間と魔族の戦いのなかで頭角を現し、いつしか魔族を束ねるまでの存在になった


そんなブラッドランド家にはあるしきたりがある


魔族の頭目としての地位を維持するためには実力のある当主の存在が必要であり、そのために代々当主の死後はその子供たちが次期当主の座をめぐる骨肉の争いを繰り広げその勝利者が当主を継ぐというものだ



「力のないものはブラッドランド家にあらず。おのが力を示し魔族を導く存在となれ。か……」


ブラッドランド家長子のガイズ・ブラッドランドは親父の葬儀を終え、一人自室の椅子に腰掛ける



「人間との争いだけでも大変だってのに、なぜ身内同士で争わなければならん」



これから先起こるであろう兄弟の争いを思い、深いため息をつく



ガイズ自身この当主を決める戦いの当事者であるのだが、兄弟で争うことを良しとしない彼はなんとかして事を穏便に済ますことを考えている



「モーレス、他の者たちの様子はどうだ」



ガイズは誰もいない空間に話しかける

するとその空間が歪み、一人の影が現れる


「はい。スフル様以外のご兄弟方は早くも次期当主争いの準備を始めているようです。なかでも二弟のヤハク様と三弟のゴバク様は協定を組み、残りのご兄弟を一掃する計画を練っているようです」



「奴等は捨て置け。警戒するのは四弟ミリガルの行動だ」



「ミリガル様でございますか。恐れ多くもミリガル様は妾の子、他のご兄弟とは一線引くべきお方。さらには病弱ゆえこの争いには参加しないのでは?」



「だからこそ警戒しなければならん。病弱とはいえ親父の子なんだ。それに次期当主に本妻、妾などの差はない。ミリガルは頭がキレる、ゆえに警戒を怠るな。引き続き偵察を頼むぞモーレス」



「ガイズ様の仰せのままに」



モーレスと呼ばれた影はそう言うとまた空間に溶け込んでいく



「すでに戦いは始まっているのか。……親父、俺はどうすればいい」


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